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Hat タイル

Hat タイルによる非周期タイリング。生成りの濃淡の帽子形の中に、藍色の鏡映タイルが不規則に散る
藍色=鏡映(裏返し)の帽子。正の帽子との枚数比は黄金比の4乗(約6.85:1)に収束する

なにか

「たった1種類のタイルで平面を隙間なく埋められて、しかも決して周期しない形はあるか」——50年以上未解決だった「アインシュタイン問題」を2023年に解いた形。発見者のデイヴィッド・スミスは数学者ではなく、イギリスの印刷技術者だった。帽子(hat)と呼ばれる13角形で、六角格子のカイト8個をつないだだけの素朴な形をしている。裏返しのタイルが一定の割合(1 : φ⁴)で混ざるのが特徴で、裏返しすら不要にした改良版が Spectre タイル。

どう作ったか

原論文の H・T・P・F の4種メタタイル置換系を実装した。メタタイル29個のパッチを組み、そこから次世代のメタタイルを切り出す操作を3回反復して帽子1,156枚を生成。枚数と鏡映の枚数が置換行列の理論値に一致すること・1,156枚すべてが合同であること・正と鏡映の枚数比が黄金比の4乗に収束することを機械検査している。

★自分で動かす

下の絵はこの場で計算している(あらかじめ描いた絵の切り替えではない)。上の図を作っているのと同じ 1 本のコード gallery/assets/hat-live.js を、記事の中で呼んでいる。置換の世代を 0 から 4 へ動かすと、4 枚の帽子が 7,921 枚へ増えていく。枚数は毎回 F(2k+3)²(F はフィボナッチ数)と突き合わせる。

帽子の枚数
式 F(2k+3)² との一致
鏡映の帽子(枚数/割合)

スライダーで決めた世代の Hat タイリングのパッチ

鏡映の帽子は H メタタイルに 1 枚ずつしか入らないので、割合は世代を重ねると 0.127 前後に落ち着く(k=2〜4 で 0.130・0.127・0.127)。上の出荷図は世代 3(1,156 枚)の中央を正方形に切り出したもの。ここでは切り出さずにパッチ全体を見せている。

出典

数理
D. Smith, J.S. Myers, C.S. Kaplan, C. Goodman-Strauss, "An aperiodic monotile" (2023, arXiv:2303.10798)
生成
generators/hat.js(置換3回・帽子 1,156 枚・中央を正方形に切り出し)