ペンローズ・タイリング P3
なにか
太い菱形と細い菱形、たった2種類のタイルで平面を隙間なく埋められるのに、どこまで広げても同じ配置が二度と繰り返されない「非周期タイリング」。1974年に数学者ロジャー・ペンローズが発見した。全体は5回対称で、2種類のタイルの枚数比は無限に広げると黄金比(1.618…)に収束する。
身近なところでは1997年、キムバリー・クラーク社のトイレットペーパーのエンボス(型押し)にこのパターンが使われ、ペンローズ本人と特許管理会社が提訴した実話がある。周期しない模様は型押しの重なりで紙が凸凹に太らないため、実用としても優れていた——数学の模様が日用品と法廷で交差した珍しい事件。
どう作ったか
菱形を半分にした「ロビンソン三角形」を黄金比で分割する置換規則(deflation)を7回適用して生成。実装は自作の Node スクリプトで、枚数が理論の漸化式に一致すること・枚数比が黄金比に収束することを機械検査している。
★自分で動かす
下の絵はこの場で計算している(あらかじめ描いた絵の切り替えではない)。上の図を作っているのと同じ 1 本のコード gallery/assets/penrose-live.js を、記事の中で呼んでいる。置換の回数を 0 から 8 へ動かすと、10 枚の三角形の輪が 15,970 枚へ細かくなっていく。「前の段の輪郭を重ねる」を入れると、1 枚の三角形がどう割れて次の段になるかが見える。
- 三角形の枚数(細/太)
- —
- 漸化式 r′=r+b, b′=r+2b との一致
- —
- 太/細の枚数比
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- 黄金比 φ との差
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スライダーで決めた置換回数のペンローズ・タイリング P3
枚数比は 1 → 1.5 → 1.6 → 1.615 → … と下から単調に φ = 1.6180 へ寄る(フィボナッチ数の比を、ひとつ飛ばしに並べた列)。枚数は毎回、実装で数えた値と漸化式の値を突き合わせている。⚠️ 置換 0 回の輪は太い三角形が 0 枚なので比は定義できない。上の出荷図は置換 7 回(三角形 6,100 枚)。
出典
- 数理
- R. Penrose, "The role of aesthetics in pure and applied mathematical research" (1974)
- 生成
- generators/penrose.js(置換7回・三角形 6,100 枚)