フィロタキシス
種を黄金角 137.507° ずつ回して 850 個置き、ヒマワリのような螺旋を描いた。下の図では角度を自分で動かして、螺旋の本数が変わるのを見られる。
なにか
松ぼっくりの鱗片、ヒマワリの種、パイナップルの目に見える螺旋を数えると、8本と13本、13本と21本のように、多くの場合フィボナッチ数のペアになる。理由は、植物が新しい葉や種を出すとき、直前のものから黄金角 137.507°(円を黄金比で分けた角度)だけ回った位置に置くからである。この角度は「もっとも割り切れない角度」で、何番目まで増えても点どうしが重ならず、隙間なく詰まる。137.0°や138.5°のようにわずかにずれるだけで、放射状の筋や渦に崩れてしまう。
自分で動かす
下の絵は、あらかじめ描いた絵の切り替えではなく、ページを開いたその場で上の図と同じ計算をしている。発散角をゆっくり動かすと、螺旋の本数がフィボナッチ数の階段を上り下りし、少し外すと絵が崩れる。
- 螺旋の本数
- —
- 実測(記録更新列)
- —
- 理論(連分数の分母)
- —
- 詰まり具合
- —
スライダーで決めた発散角で並べた種と、そこに見える螺旋の図
「片方だけ」で見ると、その向きの螺旋が何本あるかを実際に数えられる(茜の線を1本ずつ追えばいい)。表に出る螺旋の本数は、目で数えたものではなく、計算で測ったものである。点 i と点 i+k の距離を k=1 から順に見て、それまでの最短を更新した k を拾っていく。これを記録更新列と呼んでいる。この並びは、発散角が一周に占める割合を連分数に開いたときの、近似分数の分母と一致する。黄金角は部分商がすべて 1 なので中間分数が挟まらず、記録はフィボナッチ数だけになる。黄金角の生まれ方では、この角度を入力ではなく出力として出している。
どう作ったか
点の置き方は Vogel のモデル(1979)に従った。n 番目の点を、半径 c√n、角度 n×黄金角の位置に置く。螺旋の本数は、上の記録更新列と、連分数の近似分数(中間分数を含む)の分母という2つの道筋で求めた。5つの発散角で試すと、記録更新列に出る数はどれも連分数から出る数に含まれていた。黄金角では 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55 である。
点の詰まり具合(いちばん近い2点の距離)は、黄金角のほうが 137.0° や 138.5° より大きい。角度を 99.502° のルーカス角にすると、記録更新列はルーカス数 1, 3, 4, 7, 11, 18, 29, 47 になる。螺旋の本数がフィボナッチ数になるのは、黄金角に特有の性質である。
出典
- 数理
- H. Vogel, "A better way to construct the sunflower head" (1979, Mathematical Biosciences)
- 生成
- generators/phyllotaxis.js(850点・黄金角)。点の配置、詰まり具合、螺旋の本数の計算は gallery/assets/phyllotaxis-live.js にまとめ、上の図と下の動く図の両方がこれを使っている
- 関連
- 黄金角の生まれ方。ここでは黄金角を手で入れているが、あちらでは出力として出てくる(貴金属角の一家・ルーカス角が稀な理由)