チューリング・パターン
なにか
シマウマの縞、熱帯魚の模様、ヒョウの斑点、蝶の羽の紋様。生き物の模様の多くは、設計図があって描かれるのではなく、2つの化学物質が「反応しながら拡がる」だけで一様な皮膚から自発的に生まれる——1952年、計算機科学の父アラン・チューリングが最晩年に出したこの予言は、長く仮説のままだった。決定打を出したのは日本の近藤滋で、1995年、タテジマキンチャクダイの縞が成長につれて生きた模様として動き、縞の分岐点がファスナーのように移動することを示して、模様が反応拡散系の解であることを実証した。
どう作ったか
Gray-Scottモデル(反応拡散系の標準形)を200×125のトーラス格子上で15,000ステップ自前シミュレーションし、濃度場の等高線をマーチングスクエア法で閉曲線に起こしてSVGにした。上の2枚は乱数の種まで同一で、違いは定数FとKの2つだけ。濃度が全ステップで0〜1に収まること・等高線が全て閉じること・縞と斑点の両方で模様が育つことを機械検査している。
★自分で動かす
下の絵はこの場で計算している(あらかじめ描いた絵の切り替えではない)。上の図を作っているのと同じ 1 本のコード gallery/assets/turing-live.js を、記事の中で呼んでいる。定数 F と k を動かすと、同じ乱数の種から縞・斑点・一様(模様なし)が生まれる。ドラッグに追いつくよう格子は 64×40・2,000 ステップに小さくしてある(上の出荷図は 200×125・15,000 ステップ)。
- 判定
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- 等高線の閉ループ
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- 濃い面積の割合
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- 濃度の範囲(0〜1 に収まるか)
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スライダーで決めた F と k の Gray-Scott 反応拡散の模様
出荷図の値は 縞 F=0.055, k=0.062/斑点 F=0.0367, k=0.0649。F を小さく(0.02 以下)すると反応が続かず一様に戻り、F を大きく(0.07 前後)すると全面が濃くなって模様が消える——模様が育つのは狭い帯だけ。⚠️ 格子を小さくしたぶん模様は粗く、出荷図と同じ絵にはならない(同じ規則・同じ種・違う大きさ)。
出典
- 数理
- A. Turing, "The Chemical Basis of Morphogenesis" (1952) / P. Gray & S. Scott (1984) / J. Pearson, "Complex Patterns in a Simple System" (1993)
- 実証
- S. Kondo & R. Asai, "A reaction-diffusion wave on the skin of the marine angelfish Pomacanthus" (1995, Nature)
- 生成
- generators/turing.js(Gray-Scott・決定的乱数・等高線抽出)