コーヒーカップの光
円いカップの内側で反射する光線を 120 本描き、光が折り重なる曲線を式から求めて重ねた。光が遠くにある場合と、カップの縁にある場合の2枚を並べている。
なにか
朝のコーヒーカップの中に、光でできた明るい曲線が浮かんでいることがある。あれは、カップの内側の壁が曲面鏡になり、反射した光線が一枚に折り重なった場所で、火線(コースティック)と呼ぶ。よく「ハート形(カージオイド)」と言われるが、実は光の来かたで形が変わる。太陽のように遠い光なら腎臓形のネフロイドになり、カップの縁すれすれに電球があるならカージオイドになる。見分けるには尖点の位置を見ればよい。中心から半径の半分の位置ならネフロイド、1/3 の位置ならカージオイドである。指輪を紙の上に置いたときにできる光の曲線も、同じ仕組みでできる。
どう作ったか
反射の法則だけから出発した。円周上の点φで反射した光線の向きは、平行光なら角度2φ、縁の光源なら 3φ/2+90° になる。反射光線の族がこう書けると、光線が折り重なる縁(包絡線)は閉じた式で求まる。図の明るい曲線はこの式から描き、その上に光線120本をそのまま重ねている。どの反射でも、光線の法線方向の成分は反転し、接線方向の成分は保たれている(誤差 10⁻¹⁶)。隣り合う反射光線どうしの交点を 400 個とって包絡線を数値で作ると、閉じた式の曲線に一致し、尖点はちょうど半径の 1/2 と 1/3 に来る。
出典
- 数理
- 円の火線(catacaustic)は古典的な結果で、平行光ではネフロイド、円周上の点光源ではカージオイドになる。このページの式は反射の法則から自分で導き、数値で求めた包絡線と一致することを確かめた
- 生成
- generators/caustic.js(光線120本+理論包絡線)