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見取り図

コレクションを俯瞰する。

作品が71点になったので、一枚ずつ眺めるのをやめて、上から地図として眺めてみる。それぞれの模様が「どんな仕組みで生まれ」「どんな数に支配され」「身近などこに隠れているか」を並べると、作品どうしの隠れた血縁と、まだ収蔵していない空白地帯が見えてくる。

収蔵品の地図

作品生まれる仕組み支配する数身近な居場所
ペンローズ P3置換(自己相似の分割)黄金比 φトイレットペーパーの訴訟
Hat置換+鏡映φ⁴ ≈ 6.854帽子・シャツの形
Spectre置換+鏡映禁止(キラリティ)4+√15 ≈ 7.873右足の靴だけで床を埋める
ミウラ折り剛体の拘束(等長・自由度1)cos(面角の保存)地図の畳み方・人工衛星
吉村パターン座屈(エネルギーの山越え)スナップスルーの跳び潰れたアルミ缶
ハサミムシの扇平坦折り(川崎・前川定理)+バネ畳み率 ≈ 9倍扇子・ハサミムシの羽
チューリング反応拡散(一様が壊れる)拡散係数の比シマウマ・熱帯魚
ボロノイ最近傍分割平均隣接数 6キリン・泥のひび
ハニカム最適化(周長最小)8√3蜂の巣・シャボン玉
フィロタキシス逐次配置+最悪の無理数黄金角 137.5°ヒマワリ・松ぼっくり
ヒマワリのボロノイかけ算(配置×分割)フィボナッチ数だけの番号差ヒマワリの頭の螺旋
コーヒーカップの光反射光線の包絡線(火線)尖点 1/2(平行光)・1/3(点光源)コーヒーカップ・指輪の光
DLA確率的成長(ランダムウォーク付着)フラクタル次元 ≈1.71雷・霜・デンドライト
チューリング×ミウラかけ算(PDE×折線幾何)A/B相関 0.17指の間・ヒレの筋の模様
ボロノイ×Hatかけ算(分割×置換)鏡映率 1/(1+φ⁴)準結晶の原子配置
双曲タイリング {7,3}負曲率+鏡映反転内角和 7×120°(面積π/3)レタスの縁・サンゴ
ルーローの三角形定幅(サポート関数)面積 (π−√3)/2=同幅最小マンホール・ロータリー
対数螺旋連続の自己相似(回転=拡大)等角 80.1°・1周3倍オウムガイ・台風・銀河
ジャイロイド極小曲面(平均曲率ゼロ)χ=−8(穴の数の指紋)蝶の翅・3Dプリンタの中身
モアレ01 差の波差の波(周期2つの干渉)p/(2sin(θ/2))・双曲線網戸・ノギス・縞シャツ
モアレ02 放物線の岸差の波(円×直線)y²=2cpx=放物線の定義網戸ごしの丸い照明
モアレ03 風車のバラ角度のうなり(放射×放射)腕|N₁−N₂|本・拡大25倍自転車のホイール2枚
モアレ04 モアレ拡大鏡位相の掃引(格子×穴あき格子)拡大率 (1+ε)/ε = 26紙幣・パスポートの動く模様
アンマン–ビーンカー多重格子の双対(高次元の射影)銀比 1+√2・枚数比 √2コピー用紙の√2・準結晶
ドデカゴナル {12}多重格子の双対(6方向)枚数比 1:√3:1時計の文字盤・Ni-Cr 準結晶
Wang タイル局所規則だけ(辺の色合わせ)最小 11枚・4色ゲームの地面テクスチャ
Modulo Krinkle剰余ずらし回転対称(第三の秩序)s_j = j·m mod k趣味プログラミング発 (2025)
組紐ビリヤード織り(トーラス絡み目)糸の本数 = gcd(p,q)ミサンガ・網代編み・水引
Spectre 織り意匠化(構造と縁の分離)噛み合い条件の2式テキスタイル・包装紙
非周期のケルト装飾かけ算(中間グラフ×交代絡み目)巨大糸2本+小輪の階層ケルト写本・アラベスク
Glass パターンかけ算(点モアレ×黄金角)記録更新列=フィボナッチヒマワリ2枚・網点印刷
ジャイロイド×チューリングかけ算(曲面×反応拡散)閉曲面 χ=−8 の上の縞蝶の翅(構造色×模様)
双曲ボロノイかけ算(負曲率×最近傍分割)平均隣接 6 + 3a/πレタスの縁の細胞・サンゴ
Krinkle 織り意匠化(下端+/上端−の符号則)不動辺1本=y≡0テキスタイル・回転の軸
カフェウォール錯視知覚(輝度処理が境界をずらす)目地の輝度=中間が必要条件浴室のタイル・カフェの外壁
フレーザーの偽螺旋知覚(局所の傾きが大域を上書き)e^{2π·tanβ} ≈ 6.8 対 実物1.0ロープ・床屋のポール
ペンローズの三角形知覚(投影の核に隠れた変位)コサイクル (L−a)(1,1,1)エッシャーの滝・角材3本
オートステレオグラム知覚(間隔→両眼視差→奥行き)間隔の2値 {88, 77}マジック・アイ・壁紙
サイクロイド転がり+変分(最速・等時)弧長8r・T=π√(r/g)自転車のバルブ・振り子時計
カテナリー釣り合い(水平張力一定)y=a·cosh(x/a)電線・ガウディ・吊り橋は放物線
ひねった蜂の巣かけ算(差の波×三角格子)可換角 cosθ=13/14・Σ7金網2枚・グラフェン超伝導
絹の水紋かけ算(差の波×糸2族+ゆらぎ)ゆらぎの拡大率 1/ε波紋絹・カメラに写る縞シャツ
縞の等高線かけ算(差の波×剛体折りの面)縞1本 = 高さ p/tanα側弯症検診・面検査
ひねった準結晶かけ算(差の波×多重格子)縞も4方向の多重格子30°ひねったグラフェン
結び目の不変量不変量(絵を変えても動かない量)V(t)=ジョーンズ多項式イヤホンのケーブル・靴ひも
Resch パターンタック(角を隠して曲率を作る)Σδ = 2πχ(球なら4π)裁縫のダーツ・餃子のひだ
結ばれた輪かけ算(非周期の織り×不変量)T(巻き数, 花弁数)ケルト写本・組紐の結び目
黄金角の生まれ方かけ算(阻害場×成長する円環)360°/(m + 1/φ)ヒマワリ・松ぼっくりの成長点
ドラゴン曲線紙折り数列(折る再帰=mod 4)終点 (1+i)ⁿ・(√2)ⁿ紙テープを半分に折る
アポロニウスのガスケットデカルトの円定理(隙間は四則で決まる)曲率 mod 24 が8種類・δ≈1.3057泡・コインの隙間・分数の詰まり方
太鼓の節線固有振動(縮退の重ね合わせ)λ=m²+n²・Weyl (面積/4π)λ太鼓・スピーカーの上の砂
誘電破壊ラプラス場の勾配の η 乗で成長次元 1.93→0.92(η=0→4)雷・火花・リヒテンベルク図形
異方性 DLA確率的成長+乱数を薄めるA₄=0.705(床の3.3倍)・向き0.4°マンガン樹・霜・雪
準結晶の上の雷かけ算(成長×非周期の頂点格子)A₈が床の2.4倍・向き−0.1°準結晶の上の樹枝状成長
織りの数理剰余ずらし(飛び数)+崩れない条件gcd(k,n)=1・φ(n)−2ジーンズの藍・サテンの光沢
和音のかたち2つの波を直交させる(位相)周波数比 p:q・2^(7/12)オシロスコープ・調律のうなり
なぜ鍵盤は12個かかけ算(円周への逐次配置×連分数)7/12・31/53・コンマ 3¹²/2¹⁹ピアノの鍵盤・5度圏
和音のモアレかけ算(周期の重なり×音程の比)Λ = D/|q−p|・線数 p+q網戸2枚・印刷の網点
雪の結晶界面の規則+拡散(乱数ゼロ)6回対称が 10⁻¹⁶ で厳密雪・霜
イモガイの貝殻1次元セルオートマトン(時間が縦軸)ルール90 = C(n,k) mod 2巻貝の模様
泡の法則張力の釣り合い+曲率の帳簿∮κds = (π/3)(6−n)ビールの泡・シャボン
葉脈と血管費用の最小化(抵抗+維持)r₀³ = r₁³ + r₂³・分岐角 74.9°葉脈・手の甲の血管
和柄の対称群平面の対称性(17種類の壁紙群)p4m・p6m・cm/回転は1,2,3,4,6のみ手ぬぐい・風呂敷・和菓子の包み
周転円で描く角かけ算(フーリエ級数× Hat の輪郭)ギブス 8.9490%・|c_k|〜1/k²シンセの矩形波・タイルの角
Hat の回折像かけ算(Hat×2次元フーリエ)6回対称・鏡映なし・1/(3φ²)ナノ光学素子(2026年の論文)
ユークリッドリズム互除法の均等配分(ブレゼンハム)E(k,n)・周期 n/gcdボサノバ・クラーベ
時間と周波数窓かけとフーリエ(不確定性)Δt·Δf ≥ 1/(4π)チューナー・声紋・絶対音感
結晶のかたち表面エネルギーの最小化(Wulff 構築)角が立つしきい値 1/(n²−1)塩の立方体・雪の六角板
川の分岐流量の集積+侵食の循環分岐比 5前後(二分木は 2.000)地図の川・雨上がりの水路
乾燥亀裂と柱状節理逐次の直交規則 vs 釣り合い90°→120°・角の帳簿 4↔6田んぼのひび・玄武洞
ロープだけの作図コンパスだけの作図(反転が核)AM·AD = AB²・中点は円7つロープと杭・麦畑の幾何
πのらせん桁の符号化(弧 = 36°×桁)Machin=スピゴット・間隔 2πb蚊取り線香・麦畑のらせん
ジュリア集合反復 z²+c(軌道1本の二分法)臨界軌道・|1−√(1−4c)| が 1 未満電卓遊び・麦畑の渦
畑の円の面積比入れ子の円(内接と外接)1/cos²(π/n)・分数は{3,4,6}だけ麦畑の輪・音程
回折の動物園かけ算(回折 × 非周期の棚)完全コヒーレンス max S(q)/N結晶のX線回折・準結晶
ヒルベルト曲線自己相似(4 分割して回す)Hölder 1/2 の定数 ≈ 6・隣の番号差 5N/6刺繍の一筆書き・地図の索引
スーパー楕円指数 1 つの曲線族軸の曲率 ∝ ε^{1−2/n}(n=2 で跳ぶ)テーブル・皿・広場・アイコン
コーラム反射(壁と鏡)鏡 1 枚で輪は ±1・偶奇の法則門前の米粉の紋様
非周期のギリ帯の規則 × 非周期タイリング共有辺の中点 815/815 で 180°イスラム建築の星文様
距離を変えたボロノイ最近傍分割(物差しを取り替える)隣接の一致率 0.89・島は重みだけ碁盤の目の街の最寄り駅

横断して見えること

1. 黄金比は二度あらわれる。同じ理由で

ペンローズの枚数比(→φ)とヒマワリの黄金角(=2π(1−1/φ))には、同じ φ が出てくる。分野は別なのに根は同じで、φが「分数でいちばん近似しにくい数」だからである。周期=分数のリズムを最も強く拒む数が、非周期タイリングでも種の詰め込みでも「繰り返しを壊す係」を務めている。どちらも当ギャラリーの機械検査で数値として確かめてある。

2. 六角形は目標ではなく「平均の必然」

ハニカム(周長最小の答え)・ボロノイ(キリン)・ヒマワリのボロノイ(実測5.99)と、出自の違う3作品が全部六角形に落ち着く。オイラーの公式から、平面をどう分割しても隣接数の平均は6に近づく。つまり六角形は「選ばれる」のではなく「平均するとそこにしかいられない」。最適化(ハニカム)はそれを完璧に整えただけである。

3. 折りはエネルギーの谷の数で分類できる

ミウラ折りは谷が連続している(どの角度でも安定で、自由度1のまま滑らかに動く)。吉村は谷が1つで、途中に山がある(剛体では越えられないので、バキッと座屈する)。ハサミムシは谷が2つある(開でも閉でもカチッと安定する双安定)。折紙3部作は同じ「エネルギーの地形」という一枚の絵の上に並ぶ。

4. 置換の拡大率は特別な数しか許されない

拡大率はペンローズが φ²、Hat が φ⁴、Spectre が 4+√15 である。バラバラに見えるが、3つとも「共役(式の相方)が1未満の代数的整数=ピゾ数」という同じ家系に属する(4−√15≈0.13、1/φ²、1/φ⁴はどれも1未満)。Thurston は、平面の自己相似なタイリングの拡大率が複素ペロン数(自分の複素共役を除くどの共役よりも絶対値が大きい代数的整数)でなければならないことを示した(Kenyon と Solomyak, arXiv:0801.1993 の序論による)。ピゾ数は、その中のさらに狭い家系である。

5. 自己相似は3つの顔を持つ

「部分が全体と同じ形」のあらわれ方が、コレクションには3種類ある。ひとつはとびとびの自己相似で、ペンローズ・Hat・Spectre は決まった倍率(φ²・φ⁴・4+√15)でだけ拡大すると自分に戻る。もうひとつは連続の自己相似で、対数螺旋はどんな倍率でも、対応する角度だけ回せば自分に戻る(回転=拡大)。最後は統計的な自己相似で、DLA の雷は形そのものは二度と同じにならないが、拡大しても統計的性質(次元1.7)が変わらない。オウムガイと雷とペンローズ・タイルは「自分に似続ける」という同じ掟の、決定論・連続・確率という3つの方言を話している。

6. 収蔵品はかけ算できる。そして新しい検査可能な性質が生まれる

フィロタキシスの点にボロノイをかけた第13作で、単体では見えなかった性質が3つ出現した(等面積セル・平均6・番号差が100%フィボナッチ)。「配置の数理×分割の数理」のように仕組みの異なる作品を組み合わせると、模様だけでなく確かめられる性質が増える。これがこのギャラリーの新作の作り方になりうる。

7. ずれた周期の重なりが、新しい秩序を生む

モアレは周期構造2枚の小さなずれが巨大な縞になる現象である(差の波)。アンマン–ビーンカーは4方向の周期的な平行線族を重ね、その交点を裏返すと出てくる非周期秩序である。どちらも「周期どうしの噛み合わない重なり」が、元のどの周期にもなかったパターンを生む。ずれの比が分数なら大きな周期(超格子)に、無理数なら永遠に繰り返さない準周期になる。音のうなり、ノギスの副尺、捻ったグラフェンの超伝導(マジックアングル)、準結晶と、全部この同じ掟の上にいる。フィロタキシス(発見1)で「分数のリズムを拒む数」が果たした役割を、ここでは「ずれ」が果たしている。

8. かけ算の検査法=「片親に戻す」対照実験

かけ算作品の正しさは、どれも同じ型の実験で守られている。チューリング×ミウラは折り目の効果を切る(m≡1)と平面チューリングに数値一致する。非周期のケルト装飾は、土台を正方形格子に戻すと組紐の gcd 定理を寸分違わず再現する。ジャイロイド×チューリングは、曲面を平面トーラスに戻すと普通の縞が立つ。足した変数を1つだけ外して片親に退化させ、既知の結果と突き合わせる。かけ算が増えるほど、この「1変数実験」が検査の背骨になっていく。

9. 「平均6」は平坦の特権。曲率が平均を書き換える

発見2の続編である。平面の分割で隣接数の平均が6に近づくのはオイラーの公式の帰結だったが、負曲率の世界ではガウス・ボネが式ごと書き換える: 平均隣接数 = 6 + 3×(平均セル面積)/π(曲率−1・頂点次数3)になる。双曲タイリング {7,3} はこの式の厳密解(七角形の面積 π/3 → ちょうど7)で、双曲ボロノイの実測でも0.02の精度で成り立つ。セルを小さくすれば平面の6に退化する。「六角形の必然」は、面積と曲率の積が小さい世界だけの法則だった。

10. 糸の輪は置換の指紋。増殖率は土台の拡大率

ケルトの糸の縁に触れない輪は、ペンローズでも Hat でも飛び飛びのサイズ階層をなし(ペンローズ {10, 40, 50, 90…}・Hat {14, 108, 786})、各種類の輪の個数は置換1回ごとに「その土台の置換の面積拡大率」倍で殖える。ペンローズは ×φ²(サンの輪 16→40→111)、Hat は ×φ⁴(鏡映帽子の輪 22→147→1009→6912→47377・全世代で鏡映帽子と1対1)になる。しかも輪はどこにでも立つのではない: Hat の3回対称なH1三つ組301個のうち輪を持つ78個は「階層の中の席=住所」で完全に決まり(3枚とも F1#{0,9} の席・例外ゼロの完全同値)、786の輪は4世代分の住所 P2#6/H1#3/H0#1 を言い当てる。糸は局所の編み規則しか知らないのに、閉じた輪は置換階層の深い住所を読む。指紋リーダーどころか、住所の読み取り機だった。

11. パターンの一部は、目の中で完成する

モアレは縞を1本も描かず、Glass パターンは円弧を1本も描かない。見えている構造の半分は視覚系の計算結果だった。錯視の4作品はその極端で、カフェウォールの傾きもフレーザーの渦もオートステレオグラムの奥行きもペンローズの三角形の3Dも、紙の上には存在しない。ここで機械検査の役目が反転する: いつもは「見えている性質が本物か」を証明するが、この棚では「実物はまっすぐ・同心円・2値の間隔・ただの多角形」を証明する。実物を固定して初めて、差分=目の仕事量が測れる。フレーザーなら「目の主張は1周6.8倍、実物は1.0倍」となる。錯視は視覚系のバグ表ではなく、視覚が普段こなしている推論(境界の定位・局所から大域・対応点探し・2Dから3D)の実力測定になっている。

12. 模様の中に結び目が隠れている。そして土台が結び方を決める

ケルトの糸を1本だけ抜き出してジョーンズ多項式にかけると、どの輪も「中心のまわりを w 周する n 花弁のロゼット」で、自己交差はちょうど n(w−1) 個、結び目型はトーラス結び目 T(w, n) になる。幾何(点の位置)と多項式(上下の編み方)という独立な2経路が、274本すべてで同じ答えを出した。ここから土台の性格の差がくっきり出る: アンマン–ビーンカーと Hat の糸は巻き数1しか作らないので、どれだけ長くても抜き出せばただの輪になる。ペンローズだけが2周・3周を作り、五葉結び目 T(2,5) と T(3,5) を編む。発見10で「輪は置換階層の住所を読む」と分かったが、輪はさらに結び目の名前という形でも土台の対称性を持ち歩いていた。ペンローズの5が、結び目の第2指数にそのまま現れる。

13. 曲率は総量が先に決まっている。設計の自由は「配り方」だけ

発見2「六角形は平均の必然」・発見9「平均6は平坦の特権」の続きである。閉じた面では角の欠損の合計が位相だけで決まる(Σδ = 2πχ・デカルト=離散ガウス・ボネ)。球なら必ず 720° になる。だから測地線ドームを何回細分しても5次の頂点はちょうど12個で、そこに配られる欠損が 60° → 6.35° → 1.38° と痩せても総量は 1e-12 の精度で動かない(サッカーボールの五角形が12枚、ウイルスの殻が20面体、フラードームに五角形が混じるのは全部これ)。Resch のタックと裁縫のダーツは、同じ 720° を好きな場所に好きなだけ配るための装置。平らな紙は δ=0 しか作れないので、余りを裏に隠して「見えている面」に曲率を持たせる。オイラー標数が総量を決め、設計者が配り方を決める。

14. 遠い言葉で説明できたことは、たいてい近くにも書いてある

探索の作法として、今回2つの場所で同じことが起きた。Hat の輪は「置換階層の住所 F1#{0,9}」で完全に説明できていた。が、住所を一切使わず近傍を実距離で分類し直すと、輪の有無は半径6以内の帽子33枚だけで決まり、輪が立つ景色は世界にただ1種類だった。半径5まではどの席も完全に同じ景色で、差は距離5.7に置かれた帽子2枚だけ。遠い階層の言葉は、目の前の2枚の言い換えだった。Krinkle でも同じ形の答えが出ている: 剰余数列 j·m mod k は「発見者が使った道具」に見えていたが、下端を順列の外まで開いて15万通り総当たりするとそれ以外は一つも平面を閉じない。道具ではなく必要条件だった。「なぜそこなのか」という問いは、たいてい局所に落とせる。落ちないうちは、まだ言い換えの段階にいる。

15. 黄金比が選ばれる理由は「最強」ではなく「落ちやすさ」だった

発見1では φ を「分数のリズムを最も強く拒む数」として説明した。黄金角の生まれ方で角度を入力から出力に変えたら、その説明が半分だったと分かる。拒む数は φ ひとりではなく一家いる。360°/(m + 1/φ)、連分数で書けば [0; m, 1, 1, 1](1 が続く)、尻尾がぜんぶ1で終わる「貴金属数」である。押し合いだけの模型では m=2,3,4,5 の4つとも安定な固定点で、それぞれフィボナッチ・ルーカス・(1,4,5,9,14,23)・(1,5,6,11,17,28) という別々の数列を螺旋の本数として持つ。φ はその一家の m=2 の席にいるだけだった。

では、なぜ自然界は 137.5° ばかりなのか。答えは「最適だから」ではない。素直な初期条件がどれも m=2 の枝に落ちるからである。芽1枚でも、180°の2枚でも、でたらめでも、成長を遅くしていけば全部が同じ角度に着地する。他の枝は、その角度を最初から置いてやらないと現れない(実際ルーカス葉序は稀な型として知られている)。「最適化されている」という説明が、「転がり落ちる先がそこだった」という力学の説明に置き換わる。

おまけに、型を決めているのは角度そのものですらない: 阻害が直前1枚しか届かなければ厳密に180°(互生)、2枚なら120°(三輪生)、8枚以上でようやく黄金角になる。葉序の分類は「何枚ぶん覚えているか」の分類だった。チューリング×フィロタキシスのかけ算は、模様を1枚増やすのではなく親の作品の入力を1つ奪った。手で入れていた数を計算結果に降格させると、検査できることがまとめて増える(発見6の一番強い形)。

16. 模型の粒度が、作れる葉序を決めている

かけ算第13号は同じ問いを2つの模型で解いた。軽い方(原基が1個ずつ生まれる+阻害場)は、初期条件8通りが全部 137.637° に 0.01° の再現性で落ちる。黄金角を1点に選び切る。重い方(親の Gray-Scott をそのまま成長する茎に載せる。帯とコンベアを外すと親と浮動小数まで完全一致・差0.0=発見8の最も強い形)は、互生 180.0°と十字対生 90.0°を厳密に出し、ゆっくり育てれば1個ずつ生まれる螺旋にもなるが、その発散角は 131〜145°(2/5=144°・黄金角137.5°・3/8=135° が並ぶ帯)の中を茎の長さ次第で動いた。この「1点を選ばない」は交絡だった=発見17で訂正(帯の高さを茎の長さの割合で決めていたので、茎を伸ばすと帯も広がる作りだった)。

面白いのはできないことの非対称だ。1個ずつ生まれる軽い模型には、対生・輪生が原理的に作れない(発散角を1つずつしか定義できない)。連続場の重い模型は同時に複数を立てられるので作れる。実際、同じ行に立つ原基の高さのばらつきは行間隔の3%未満、つまり本当に同時だった。どちらが正しい模型かではなく、粒度が違えば届く葉序が違う。

道具の側の注意も1つある。turing.js から受け継いだ9点ラプラシアン(0.2×4隣接 + 0.05×4斜め − 中心)は ∇² ではなく 0.3∇² を近似する。阻害の到達距離 ℓ=√(0.3·Du/F) の 0.3 はこれで、∇² のつもりで書くと3割強ずれる。ソルバを別の作品へ持ち出すときは、係数まで一緒に持ち出さないと数が合わない。

17. 記憶は「届く距離」ではなく「いま帯に残っている枚数」だった

発見16で「重い方(PDE)は黄金角のあたりまで来るが1点を選ばない」と書いた。これは交絡だった。原基が生まれる帯(competent zone)の高さを、コードでは茎の長さの割合で決めていた。茎を伸ばすと帯も一緒に広がる。帯を絶対セル数で固定して茎だけ70→140セルに伸ばすと、発散角は 140.4〜141.6° で動かない。重い模型はちゃんと選び切っていた。動かしていたのはいま帯の中に残っている原基の枚数(=帯の高さ ÷ 原基の縦間隔)だった。

この枚数は、軽い模型の「阻害が届く枚数」とちょうど同じ物差しになる。並べると: 帯が波長より狭いと原基すら立たず輪になる/2〜4枚では定まらない/5枚で136.3°±0.3・7枚半で137.3°±0.6・11枚に増やしても137.3°±0.3。軽い模型は3枚で143.9°・8枚で137.7°。別々の模型が、同じ横軸の上で同じ階段を踏み、同じところで黄金角に入る。「選び切るか」も枚数で決まる。素直な種3通り(種の形を5×5/4×4/6×6に替える)で、7枚半は0.1°以内で一致し、2〜3枚は 124°/142.8°/134.8° とばらける。かけ算第13号に節を足した。

記憶を担っているのは化学的な到達距離ではない。Gray-Scott の阻害が届くのは原基0.16枚ぶん(ℓ=2.86セル vs 間隔18.7セル)なのに記憶は効き、原基どうしの最近接距離は帯の幅を24→90セルに変えてもほぼ波長のまま(17.3〜20.8セル・波長18.7セル)。つまり立入禁止円の半径は模様自身の波長が決め、その円が帯に何枚居残るかが「記憶」だった。逆側の対照=阻害だけ遠くへ届かせる系(Gierer・Meinhardt)では、線形化から λ=2π√(ℓaℓh)(相乗平均)と記憶 R=ℓh/λ=√q/(2π) が出て、模様が出る境界 q>1+√2 での記憶は0.247枚。記憶は q の平方根しか伸びず、8枚ぶんには拡散比 7.7×10⁶・波長474セルが要る=格子では払えない。実際に払える範囲(0.48枚)で成長する茎に載せると、帯を広げても厳密180.0°(互生)=軽い模型の「記憶1枚」と同じ答えになった。黄金角は「阻害が遠くまで届くこと」では買えない。

ただし「選び切るか」と「どの角度か」は別の話だった。帯を十分に広げたまま円周だけ変えると、周48セル→137.4°・51セル→121.7°・54セル→126.9°(どれも種2通りが0.2°以内で一致=選び切ったまま値が飛ぶ)。円筒に円板を詰める格子の族の話で、黄金角がここで特別扱いされている証拠は、周48〜49セルに平坦部があること以上にはまだ出ていない。軽い模型が黄金角を選ぶのは「半径が伸びる」幾何を持っているから。円筒は半径が伸びない。この違いを詰めるところには、まだ手をつけていない。

道具の話を2つ書いておく。①ゲージ記録: 帯の外は不活性なので、捨てられる直前の1行を成長のたびに控えると、茎を高くしなくても時間方向に長い記録が取れる(費用が茎の長さの2乗から1乗に落ち、原基14枚→95枚に増えた)。②短い窓は「きっちり一定」に見える: 帯28セルは窓を110セルに取ると 142.8°±0.1 と読めるが、記録を3倍長くすると別の状態に入る。ばらつきの小ささは「選び切った」証拠にならない。記録の長さと初期条件を替えてから言う。おまけに、輪(全周に回った帯)の重心角を発散角として拾わないために、塊の角度方向のまとまり具合 |Σw·eiθ|/Σw を出して点と輪を分ける必要があった。

18. 格子は成長の向きを与える。非周期でも、ただし弱い

DLA(歩いてきて触ったら凍る)に格子を差し替えて枝の向きを測った。まず測り方に注意がいる。1つのクラスタの腕は、たいてい偶然にできる。2本腕・3本腕が格子と無関係に |ck|=0.5 近くまで出る。格子由来なら位相が固定(軸に揃う)なので、種を変えて ck=Σeikθ/N を複素数のまま平均し、さらに同じデータをわざとランダムに回した対照(床)を作る。この2つがないと何も言えない。

結果は次のとおりである。4近傍(正方格子)は、乱数を薄めると(同じマスに3回当たってから凍らせる)A₄=0.705=床の3.3倍、腕の向き0.4°=格子の軸そのもの。薄めないと床すれすれ=偶然の腕に隠れて見えない。6近傍(三角格子)では6回対称が立たなかった(hits=1/3/6 で床の1.1〜1.5倍)。実物の雪が六方なのは界面の異方性が効くからだという文献の説明があるが、この模型にその項はない。

そしてかけ算第14号: 並進対称性のない格子でも枝は向きを持つ。アンマン–ビーンカー(8回)の頂点を格子にすると A₈ が床の2.2〜2.5倍で立ち、腕の向きは −2.2°〜−0.1°=辺の8方向(薄め方を3通り変えても位相が動かない=偶然でない証拠)。いっぽうペンローズ P3(10回)では A₁₀ を検出できなかった。絶対値では正方格子の 0.705 に対しアンマン–ビーンカーは 0.090=非周期の異方性は8倍弱い。「向きはある。ただし弱い」。

道具の罠も1つある。三角格子の座標を軸座標のまま四捨五入すると、丸めのセルが平行四辺形で60°回転に対称でないため6回対称の格子に偽の4回対称(A₄=0.475・向き23°)が立つ。立方座標で丸めると消える。手がかりは設定を変えても位相が同じ値だったこと。偶然の腕なら位相はばらける。偶然より、道具の癖のほうが危ない。

19. 同じ「剰余ずらし」が、布の規格と非周期タイリングを同時に決めている

Modulo Krinkle で成立する順列は {jm mod k} に完全一致し、gcd = 1 かどうかが「非周期になるか、周期に退化するか」の分水嶺だった。組紐の糸の本数も gcd で決まる。そして織りの数理。繻子織りの飛び数が成立する条件も gcd(k, n) = 1(かつ k ≠ 1, n−1)で、成立する飛び数の個数は φ(n) − 2。この式のせいで、四枚と六枚は正則の繻子としては組めない(互いに素な飛び数が 1 と n−1 しかないから)。⚠️ ただし「四枚繻子・六枚繻子という織物が存在しない」ではない。飛び数をひとつに決めない変則繻子としては実在し、Watson の教科書(1921)は 4 本を 1・2・4・3、6 本を 1・3・5・2・6・4 の並びで示し、ISO 9354 の表 4 にも「6-end cross warp satin」の名と符号がある。「規格が五枚・七枚・八枚に限られる」も支えきれなかった(Watson は 10 も、ISO は 5〜12 を挙げる)。数論が決めているのは正則かどうかまでである。

面白いのは「使えない」の理由が3つの棚で同じ形をしていること: gcd ≠ 1 なら、Krinkle では風車が止まって周期になり、組紐では糸が gcd 本に分かれ、織りでは上点が同じ列に二度乗る。剰余算術が「同じ場所に戻ってしまう」ことを禁じる装置として働いている。布と非周期タイリングと組紐は、遠い親戚ではなく同じ規則の別の使い道だった。

20. 同じ装置に、葉と音は正反対の注文をしている

かけ算第15号。円周に一定の角度で点を置く。この1つの装置が、フィロタキシス(種を 137.5° ずつ)と音階(完全5度を 210.587° ずつ)の両方である。注文だけが正反対だ。葉は「どの2枚も重なりたくない」=近似しにくい角度がほしい。音階は「少ない回数で戻りたい」=よく近似できる角度がほしい。だから黄金比(連分数が 1 ばかり=最も近似しにくい)と log₂(3/2)(連分数に 2,2,3,5,23 と大きな数が出る=よく近似できる)が、同じ物差しの両端に立つ。q²|x − p/q| は黄金角では 0.4377 より下がらず(Hurwitz の下限 1/√5 に張り付く)、音階では 0.042 まで下がった。

ここで「最良」の意味が書き換わった。n = 12 では音階の角度のほうが均等(最小間隔 7.52% > 黄金角 5.57%)。12音が使いやすいのは偶然ではない。ところが13点目で音階は 1.96%(=ピタゴラスのコンマ)に潰れ、黄金角は 5.57% のまま動かない。n=2〜200 で min(n × 最小間隔)を比べると 黄金角 0.450 > √2−1 0.356 > 音階 0.163 > 1/π 0.065。黄金角の強さは「ある枚数で勝つこと」ではなく「どの枚数でも負けないこと」だった。発見15の「最適でなく吸引域」に続いて、黄金比の「最良」がまた一段ほどけた。

おまけの発見が2つ。記録更新列と連分数は同じものではない。音階の記録列には収束分数のあいだに中間分数 2/3・4/7・17/29 が挟まるが、黄金角には1つも挟まらずフィボナッチだけが並ぶ(連分数が 1 ばかりで挟まる余地がない)。「近似しにくい」の正体はこの余地の無さである。そして和音のかたちで図形として見えた平均律のずれ −1.955 セントが、こちらでは連分数の 7/12 から出てくる。周波数比の道と対数の道が同じ数に着いた。

21. 協和は「粗さ」だった。古代の定義が、縞の出方として出てきた

かけ算第16号。音のうなり |f₁−f₂| とモアレの縞 |1/d₁−1/d₂| は同じ式で、時間か空間かの違いしかない。だから2枚の格子の周期の比を音程の比にすると、和音が模様になる。周期比が既約 p:q なら厳密な超格子 D があり、1セルに入る線は p+q 本。少ないほど粗く、そしてこの数の順が協和度の順だった(オクターブ3 < 5度5 < 4度7 < 長3度9 < 短3度11 … 長7度23)。

核心は縞の間隔 Λ = D/|q−p| のほう。|q−p| = 1 のときだけ Λ = D=縞が超格子そのままの粗さで出る。当てはまるのは オクターブ2:1・5度3:2・4度4:3・長3度5:4・短3度6:5 。古代から協和と呼ばれてきた音程がちょうど全部(8音程で例外ゼロ)。音楽理論で epimoric(超特定比)と呼ばれる目印が、「格子を2枚重ねたとき縞が細分されずに出るか」という見える性質だったことになる。協和を整数比の小ささで測る Euler の gradus suavitatis を、模様の粗さとして測り直した形。

そして平均律は超格子を持てない(無理数比だから)。純正とのずれ ε がゆっくりしたうねりを作り、これが和音のかたちで見た「図形の一巡」「耳のうなり」と同じ ε である。3つの顔の比はちょうど 2 : 1 : 1(空間はずれを1回ぶん、時間と図形は倍音の対を見るので2回ぶん数える)。ひねった蜂の巣が角度で超格子の閉じ方を見た作品なら、こちらは周期の比で同じことを見ている。発見7「ずれた周期の重なりが新しい秩序を生む」の音楽版が平均律だった。

罠も同じ型がある。粗いサンプル(1500点)だと平均律5度が周期 1752 を持つように見える。無理数の「周期がない」を数値で示すには候補の周期に比例してサンプル密度を上げる必要がある。発見17の「短い窓はきっちり一定に見える」と同じ顔。

22. 対称性を決めているのは格子ではなく、成長の規則だった

異方性 DLA では、六角格子の上で乱数に歩かせても6回対称は立たなかった(A₆ は床すれすれの 0.219。正方格子では A₄=0.705=床の3.3倍で立ったのに)。そこでは、樹枝の先端には界面の異方性が要るという Libbrecht(2005)の記述を引き、模型の側は空欄にしてある。雪の結晶でその空欄が埋まる。同じ六角格子で、乱数を捨てて界面の規則(凍った縁が水蒸気を受け取る)にすると、6回対称が 10⁻¹⁶ で厳密に立つ。規則には対称化の操作をひとつも入れていない。

つまり格子は「向きの候補」を配るだけで、対称性を実際に立てるかどうかは成長の規則が決めている。同じ格子・同じ次元・同じ「枝が伸びる」現象でも、乱数で1粒ずつ当てると偶然の腕に食われ、界面をそろえて動かすと格子の対称がそのまま出る。種を2つ置く対照も効いていて、規則を変えずに種のかたちだけ崩すと対称は消えた。対称性は「規則 × 初期条件」の積である。

おまけに、形が似ていないのに統計は近い: 雪の箱数え次元 1.59〜1.74 は DLA の 1.71 と同じ桁に入る(発見6の統計的自己相似)。見た目の対称性と、太さ・隙間の配分は別の帳簿だった。

23. シャボン玉と血管は、重みの違うだけの同じ釣り合い

泡の法則で、膜3枚が出会う 120° は「等しい張力の釣り合い」から出た。葉脈と血管の分岐角の式 cos θ₁ = (r₀⁴+r₁⁴−r₂⁴)/(2r₀²r₁²) の正体も同じで、「張力 r² を持つ3本の綱の引き合い」の余弦定理だった。だから等径を入れるとちょうど 120° になる(10⁻¹² で確認)。泡は張力が等しいので 120°、血管は Murray 則で細るので 74.9° に開く。同じ式で、重みが 1 か r² かの違いしかない。

確かめ方も2経路になった: ①式に入れる ②分岐点の位置を動かして費用 Σr²L が最小になる場所を数値で探し、その角度を測る(重みつきシュタイナー点)。5通りの径の組で 3×10⁻⁶ 度以内で一致。このとき「内点が存在する条件」(各端点で他の2本の引きの合力がその端点の張力を超える)を満たさない配置だと分岐点が端に張り付いて別の答えが出る。この条件を書き足すと、数値と式が一致する。

おまけにレオナルドの法則(断面積保存 r₀²=r₁²+r₂²)は、この釣り合いの三角不等式の等号にちょうど乗る。すると分岐角が 0° に退化して、子が親の向きに重なり木にならない。断面積を保存する細り方は、枝の形としては境界ぎりぎりの規則だった(費用でも Murray の 5.4 倍かかる)。

24. 和柄は17種に収まり、非周期タイリングは収まらない

平面の繰り返し模様の対称性は17種類しかない(Fedorov 1891)。和柄の対称群で機械に対称操作を探させると、市松と七宝つなぎは同じ p4m(見た目は別物なのに骨格は同一)、麻の葉は p6m、青海波は cm だった。そして17種に現れる回転は 1・2・3・4・6 回だけで、5回の席が無い。和柄4種に 5/7/8/12回の回転を全中心で試して、ひとつも立たなかった。

ここでこのギャラリーの二つの棚が向かい合う。ペンローズは5回対称の見え方をするが並進対称をひとつも持たないので、17種類のどこにも入らない: 頂点1211個で40通りの並進候補を試し、一致率は最良でも 74.9%(市松なら 100%)。74.9% も一致してしまうのに決して一致しないのが準周期の正体である。「対称性で分類できる模様」と「分類の外にある模様」を、同じ物差し(並進の一致率)で並べられた。

ここでも罠は道具の側にある。麻の葉で上向き三角形の中心だけを点集合に入れると6回対称が3回に落ち(p31m)、青海波で弧の向きを落とすと 4回回転・4方向の鏡映が偽で立つ(弧の中心だけなら45°傾いた正方格子そのもの)。模様を点に落とすときに何を捨てたかが、そのまま答えを変える。三角格子の丸めが偽の4回対称を立てた件(発見18の罠)と同じ型である。3つ目の罠は窓の側にあった: 移した先が窓の外に出た点を「一致しない」と数えていたので、横長の窓(青海波は横19・縦9)で映進を見落とし cm が pm に落ちていた。窓の外は「違う」ではなく「見えない」=判定から外すのが正しい(発見76 で見つけて、和柄の道具を直した)。

25. 円で形を作ると、角では必ず 8.9490% 行き過ぎる。1次元の波と2次元の輪郭で同じ定数

周転円で描く角。矩形波を正弦波で組み立てると跳びのすぐ先が跳びの 8.948987% だけはみ出す(ギブス現象・(2/π)Si(π) から出る定数)。この同じ数字が、Hat タイルの13個の角にそのまま出た: 円 1024 個で13角の平均 8.952%、しかも 60°の折れと 90°の折れで分けても 8.962% と 8.941%。はみ出しの割合は角度にも跳びの大きさにも辺の長さにもよらない。

理由は「弧長でパラメータを取ると多角形の接線が階段関数になる」の一行で、だから階段関数のギブス現象がそのまま角に出る。横軸を「本数でスケールした跳びからの距離」に取ると、矩形波・タイルの角・解析解 Si(v)/π の3本が1本に重なる。波形が違っても、次元が違っても、着く場所は同じで、速さだけが違う(矩形波は 1/N²・ノコギリ波は 1/N・対称性のぶん速い)。発見14「遠い言葉で説明できたことは近くにも書いてある」の、いちばん短い実例になった。

ついでに「なめらかさ」がそのまま「係数の落ち方」だと確かめた: 角があると |c_k| ~ 1/k²(両対数で傾き −2・オクターブ比 1/4)、角がないと指数的。パラメータの取り方を変えても傾きは −2 のまま=落ち方を決めているのは角の有無だけ。ただしオクターブ比が 1/4 に落ち着くのは k ≥ 16 からで、k=8→16 の帯はまだ 0.181 だった(漸近域は先に宣言してから測る)。

26. 「丸いほど得」は、フーリエ係数の項ごとの不等号だった

閉曲線の面積は A = π Σ k |c_k|²、弧長パラメータなら周長は L² = 4π² Σ k² |c_k|² になる。引くと L² − 4πA = 4π² Σ (k² − k)|c_k|² で、k は整数だから k(k−1) ≥ 0 になる。右辺は項ごとに非負である。これで等周不等式 L² ≥ 4πA が出る(Hurwitz 1901)。100001 項を実際に数えて、負の項がないことと、和が実測に一致することを確かめた。等号は「k=0,1 以外がぜんぶ 0」=円だけ(実測で L²/(4πA) = 1.0000000000000)。泡や蜂の巣が丸くなろうとする理由が、係数の並びの中に不等号として書いてある。発見13「曲率は総量が先に決まっている」の面積版にあたる。

ここには罠もある。面積の等式はパラメータの取り方によらない(頂点等分でも 1e-12 で一致)のに、周長の等式は弧長パラメータでないと壊れる(頂点等分で真の L² の 1.0760 倍・壊れる向きはコーシー・シュワルツのぶん必ず上)。等周不等式の証明は弧長パラメータの上に乗っている。同じ形を測っているのに、パラメータを変えると片方の等式だけが死ぬ。「何を捨てたかが答えを変える」(発見24の罠)が、こんどは証明の側で出た。

等周比を並べると: 円 1.000 / 楕円1:0.6 1.100 / 正六角形 1.103 / 正方形 1.273 / 正三角形 1.654 / Hat タイル 1.943。平面を埋められる形でいちばん円に近いのは六角形(発見2・発見9と同じ場所に着いた)で、非周期モノタイルはこの表でいちばん円から遠い。

27. 部品は鏡を含むのに、全体は鏡に映せない。鏡映の帽子は 1/2 ではなく 1/(3φ²)

Hat の回折像。Hat タイリングは鏡映した帽子を必ず含むのに、タイル重心の回折像には鏡映線が1本もない。同じ物差し(ブラッグ点を写した先で強度を直接評価)で測ると 回転60° は 0.99、鏡映はいちばん良い向きでも 0.21。点数を6倍(964 → 5623)にしても動かないので有限サイズのせいではない。回転180° は厳密に 1(フリーデルの法則=道具の自己検証)、30°/90° は 0.005=12回も4回もない。点群は 6 であって 6mm ではない。

手がかりは割合だった。置換規則の漸化式から、鏡映した帽子の割合は 1/(3φ²) = 1/(1+φ⁴) = 0.1273220038 に収束する(漸化式30世代と、置換行列の左固有ベクトルへの射影が完全に一致)。これは 1/2 ではないので、鏡像を取ると割合が 87.27% になり、もとの配置とは統計が違う。部品に鏡映が入っていることと、全体が鏡映対称であることは別のことだった。「だから鏡像は Hat タイリングでない」と言い切るには hull の議論が必要で、文献での扱いは確かめていない。

おまけに帽子の枚数が奇数番フィボナッチ数の2乗にぴったり並ぶ(2², 5², 13², 34², 89², 233², 610²)。置換行列の最大固有値は φ⁴ = 6.8541019662。発見1「黄金比は二度あらわれる」の Hat 版で、こちらは四乗と平方で出てくる。
森竹ほか(Nature Communications 17, 6085, 2026)が Hat タイルの重心に穴を開けた膜で撮った「風車のように片回りする回折像」と同じ向きの結果(こちらは重心の点集合だけで、膜厚・穴の形・偏光は入っていない)。

28. 「非周期」には二種類ある。Hat は周期格子の上に乗っている

同じ作品でこれが出た。Hat のタイル重心は、間隔 1/4 の三角格子に厳密に乗っている(格子点までの距離は最大 7×10⁻¹¹・三角格子の基底で書いた係数の分母は 1・2・4 だけ。間隔 1/2 の格子では乗らないので 1/4 がちょうど必要)。だから回折像そのものが周期的で、逆格子ベクトル G について S(q+G) = S(q) が 9×10⁻¹¹ で成り立つ(周期 |G| = 16π/√3 = 29.0208)。

いっぽうペンローズは無理数比の格子から切り出すので、こういう周期を持たない。発見24で「Hat もペンローズも17種類の壁紙群に収まらない」と書いたが、収まらない仕方が違った: Hat は周期格子の上に乗った非周期で、回折像の1周期の中に非周期のブラッグ点が詰まっている。ピークは本物の点である(S/N² が点数を変えても一定=S ∝ N²=純点スペクトル・ピーク位置は動かない)。

ここでも罠は道具の側にある。逆格子の定数を手で計算して6桁目を違えると(29.02070 と 29.02079)、S(q+G) = S(q) が 1% ずれる。ピークが鋭いので、定数の 4×10⁻⁵ の誤りが強度の 1% の食い違いになる。発見23の罠(解析解の定数を写し間違えると答えがずれる)と同じ型である。定数は式から出す。

そして測り方そのものにも落とし穴がある。回折像を極座標グリッドでサンプルして相関を取る方法では、鏡映の一致度が θ の刻み次第で 0.23〜0.73 と3倍動き、世代を上げると 0.42 → 0.85 → 0.94 と 1 に近づくように見えた(回転は 0.986〜0.992 で動かない)。正体はブラッグピークの幅が π/R でパッチを大きくすると細くなるのに、グリッドの刻みは固定。大きいパッチではサンプルがピークを外し、粗いほど「同じ位置に丸められて」高い値を出す。世代を上げるほど嘘が大きくなる測り方だった。ここから作法を1つ足した: 解像度を2倍・3倍に振って答えが動かないことを確かめる。動くなら測っているのは答えではなく測り方である。

29. 「均等」には二つの条件があって、片方が個数を、もう片方が並べ方を決めている

ユークリッドリズム。k 個の音を n 拍に最大限均等に配ると、ボサノバやトレシーヨが出てくる(Bjorklund 2003 / Toussaint 2005)。この「均等」を総当たりで調べると、物差しが2つあって、しかも役割が違った: ①間隔のばらつきが最小=短い間隔と長い間隔の個数を決める(⌊n/k⌋ が k−n mod k 個・⌈n/k⌉ が n mod k 個。n ≤ 48 の全 1176 組で式どおり)②どの j でも j 個先までの距離が2種類(Clough・Douthett 1991)=その並べ方を決める。調べた12組では、両方を満たす配置はすべて E(k,n) の回転そのものだった(例外ゼロ)。

①だけで足りるかは n mod k で決まった: 2 ≤ n mod k ≤ k−2 のときだけ足りない(12組で予測と実測が完全一致)。長短の間隔が両方2個以上あるときだけ、多重集合が同じでも巡回の並べ方が複数あるためである。そして並べ方を選んでいるのは互除法の再帰だった: E(5,12) では①を満たす24通りのうち「長い間隔の位置が E(2,5) の回転」なのが12通りで、それがちょうど E(5,12) の回転になる。間隔列の長い方の位置がまた E(n mod k, k) になるのは n ≤ 60 の全 1569 組で成り立つ(不一致0)。

三つの手順が同じものだった: 「リズムを最大限均等に配る」「斜めの線を階段で近似する(ブレゼンハム)」「最大公約数を求める(互除法)」。527組すべてで回転を除いて同じ列を出した。周期は n/gcd(k,n) で、布の綜絖と同じ剰余ずらし(発見19)がリズムにも出ている。フィロタキシスの黄金角が「連続の最大均等」なら、こちらは「離散の最大均等」。枠があるかないかで、答えが有理数と無理数に分かれる。ソン・クラーベは最大均等でない(距離の種類に3が混じる)=有名なリズムでも互除法から出ないものがある。

30. 「なめらかさが落ち方を決める」は、測る道具の側にも出る。そして測れない量がある

時間と周波数。音を分析するには窓で切り取るしかなく、Δt·Δf ≥ 1/(4π)(ガボール 1946)。ガウス窓だけが等号に乗った(相対 2.3×10⁻⁵)。ここで発見25と同じ規則が道具の側に出た: 窓の端で値が跳ぶと裾は 1/f(矩形 −0.944・ハミング −0.689)、端で0 になると 1/f²(三角 −1.952)、値も傾きも 0なら 1/f³(ハン −3.043)。ガウスは指数的で両対数の直線に乗らない。Hat タイルの角で測ったのと同じ一行。窓の端が「角」の役をしている。

そしてこの連鎖が「幅が定義できるか」まで決めていた: 裾が 1/f だと f²|W|² が定数になって分散の積分が閉じない。実際、矩形窓とハミング窓は Δt·Δf が点数の √N で増え続ける(N を16倍にすると矩形はちょうど 4.0002 倍)。端で 0 になる4つの窓は 1.0000 倍で動かない。発散する窓の集合と、裾の傾きが浅い窓の集合はぴったり同じだった。不等式を語る前に、その量が定義できるかを確かめないといけない。

ここには落とし穴が二段ある。ゼロパディングなしで測ると矩形窓の Δf がちょうど 0 になり(DFT が直流だけになる)、ハミング窓は下限の 0.992 倍=不等式を破って見える。パディングを足すと直り、さらに点数を振ると発散が見える。発見28で足した作法(解像度を振る)がそのまま効いたが、今回は「測り方が悪い」のではなく「測ろうとしている量が存在しない」ケースだった。動くときは、測り方だけでなくその量が定義できるかも疑う。
おまけに実用の数字: 分離できる最小の周波数差は窓長に反比例し(N·Δf が一定)、4Hz のうなりを「2つの音」として分けるには 1 秒以上かかる。和音のモアレで計算した平均律5度のうなり周期 0.671 秒と同じオーダー。「うなりとして時間で聞く」と「2音として周波数で分ける」は同じ限界の裏表。

31. 等周不等式に「向き」を入れると、角が立つしきい値が 1/(n²−1) になる

結晶のかたち。発見26(同じ周長なら円がいちばん広い)には「どの向きの境界も同じエネルギーで作れる」という前提があった。結晶では表面エネルギー γ(境界を単位長さ作るのに要するエネルギー)が向きで変わるので、面積一定で ∮γ(θ)ds を最小にする形は円でなくなる(Wulff 1901)。等方に戻すと円に戻り(半径のばらつき 4.4×10⁻¹⁶・等周比 1.0000003)、∮γds は周長そのものになる=発見26 が片親(発見8の作法)。

γ(θ) = 1 + ε cos(nθ) で ε を振ると、ε* = 1/(n²−1) を越えた瞬間にちょうど n 個の角が一斉に立つ(手前では 0 個)。式(γ + γ'' が負になる条件)と数値の二分探索が n = 3・4・6・8 で相対 2×10⁻⁴ 以内に一致。しかもε/ε* を横軸に取ると 4本の曲線がしきい値の近くで 1.9 ポイント以内に重なる。角が立ちはじめる振る舞いは n によらず、しきい値の位置だけが 1/(n²−1) で動く(ε/ε* ≥ 5 では 10.6 ポイント開くので「完全に重なる」とは書けない)。細かい異方性のほうが、弱くても角を立てやすい(6回なら 2.9%、3回なら 12.5% 必要)。

向きが形より効く: 同じ面積で ∮γds を比べると、正六角形は向きが合っていれば円より良い(Wulff の 1.0075 倍 vs 円の 1.1287 倍)が、30° 回すと 1.3630 倍。円よりずっと悪くなる。形は同じ正六角形なのに、円を挟んで反対側に行く。雪の結晶の成長形(樹枝)に対して、こちらは平衡形(六角板)。同じ六角対称から、規則が決める形と値段が決める形の二つが出る。

32. 樹形の分岐比は「木であること」では決まらない。川は自分の通る地形を作っている

川の分岐。次数ごとの枝の本数が等比で減る(Horton 1945・片対数の R² = 0.98〜0.9997)。ではその比 R_B は何が決めているのか。対照を置くと、完全二分木もランダムに対を作った二分木も R_B = 2.000(厳密)だった。いっぽう川は 5 前後。分岐比を決めているのは「枝分かれの形式」ではなく「どこに水が集まるか」。

「地形の上を流すだけ」と「川が地形を削る」を比べた(stream power law を回す)。削ると①窪地が 74% 減る(川が自分の水路を掘るので水の行き止まりが消える)②R_B が 6.16 → 5.09 に下がる(文献の値の上端へ。Horton 1945 は 2〜4、Strahler 1957 が引く Coates は 2.8〜5.1)③種ごとのばらつきも縮む(1.20 → 1.07)。DLA(乱数に歩かせる)とも 誘電破壊(場を解く)とも違う三つめの仕組み=水が地形を作り、地形が水を導く循環が形を決めている。

限界を3つ書いておく。①水の9割が海まで届かない(窪地埋めを入れていない。水は保存する=海+窪地=全マスが 10⁻⁶ 以下で一致)②Hack の h が 0.44〜0.52 で文献の 0.57(Gray 1961)に届かない(流域が実測より丸い側。系の小ささと侵食の回し方のどちらが効いているかは確かめていない)③R_B が設定で 5.11〜6.46 と動くので「2 ではなく 5 前後」までしか言えない。そして道具の癖: D8 なので流れの向きが8種類しかなく、41 倍も偏る。図の流路が 45°・90° に見えるのはこのせいで、実際の川の蛇行は出ない。

33. 接合の角度を決めるのは材料ではなく時間割。そして泥の「四角」と蜂の「六角」は同じ帳簿

乾燥亀裂と柱状節理。泥のひび割れは90°のT字、玄武岩の柱状節理は120°のY字。同じ60個の種から①順に割る②同時に割る(ボロノイ)③順に割ってから釣り合いへ緩めるの3通りで網を作ると、接合角の分布は①90°と180°の二山/②120°の一山/③山が90°から120°へ移動になった。順に割ると90°になるのは、開いた亀裂の面がせん断を伝えない=あとから来た亀裂が直交して当たるためである(Goehring 2013 の p.4・規則として実装し、規則を切った対照ではずれが 6.6°→27.2° に散る)。釣り合えた接合点では、42個の角がすべて120°に10⁻¹²°で一致する。泡の Plateau と同じ式(和が0 ⟺ 互いに120°)である。

面の統計に意外な帳簿が出た: 順に割った網の面は「角」(180°でない頂点)が平均 4.03個なのに、「辺」(接合点の数)は平均 5.64個でボロノイの5.65個とほぼ同じ。つまり泥が「四角く」見えるのはT字の180°を角に数えないからで、オイラーの帳簿(亀裂1本=接合2つ+辺3本、V−E+F=2 が厳密)はどちらの網でも同じ「平均6」側にある。緩和すると角の数だけが 4.03→4.98 に増え、辺の数は完全に不変(形だけ動いて帳簿は動かない)。

亀裂は履歴を持つ: 同じ種(位置も向きも同一)で入れる順序だけ変えると接合点の一致は 3%。ボロノイは順序を入れ替えても辺集合が完全一致する。「履歴を持つ分割と持たない分割」の違いがそのまま機械検査になった。そして全部は釣り合えない(釣り合えたのは14/100点): 内角の和の恒等式から、直線の辺のまま全接合120°にできるのは6角形だけの網で、この網に辺6本の面は3%しかない。泡は辺を曲げて(発見13の ∮κds)、柱状節理は何層もかけて網を組み替えて(柱の併合は Goehring と Morris 2005 の観察。ただし完全な六角格子には向かわない)この帳簿を払う。緩和だけでは六角にならないという失敗の形が、実物が時間をかける理由を説明している。

34. 壁紙の「17種」と麦畑の「音程」は同じ一行に縛られている。cos が特別な値を取る n は5つしかない

畑の円の面積比。正n角形の外接円と内接円の面積比 1/cos²(π/n) が分数になるのは n = 3, 4, 6 だけで、値はちょうど 4(二重オクターブ)・2(オクターブ)・4/3(完全4度)。Hawkins が麦畑の図形から立てた面積比の定理(Science News 1992 年 2 月 1 日の記事にある正三角形 4:1・正方形 2:1・正六角形 4:3)の芯は、この初等幾何だった。3つの独立経路(式/作った多角形の実測/多角形どうしの面積比)が n = 3〜24 で 10⁻¹² 以内に一致。協和の王様の完全5度 3/2 だけは、この装置からは決して出ない。

なぜ {3, 4, 6} か。比が分数か⟺ cos(2π/n) が有理数か、で決まり、Niven の定理 (1956) からそれは n = 1, 2, 3, 4, 6 だけ(値は −1, −1/2, 0, 1/2, 1)。この集合には見覚えがある。和柄の対称群(発見24)で「壁紙に許される回転は 1, 2, 3, 4, 6 回だけ」だった。あちらは 2cos(2π/n) が整数になる条件(結晶学的制限)、こちらは cos(2π/n) が有理数になる条件。同じ cos の特別な値が、模様の分類と畑の音程を同時に縛っている。5回対称が壁紙に入れないことと、正五角形の入れ子が音程を作れないことは同じ一行の帰結。そして協和は粗さ(発見21)の側から見ると、幾何が作れる比 {4, 2, 4/3} は全部そのリストの上位にいる。

35. 「非周期」は3つの家系に割れる。格子に乗るかはスカラー1つで測れて、兄弟の Hat と Spectre は別の家系だった

回折の動物園(かけ算第19号)。発見28「非周期には二種類ある」を収蔵品全員で一般化した。道具の発明は完全コヒーレンス max S(q)/N: S(q)/N = 1 になる q がある ⟺ 全点の位相がそろう ⟺ 点が格子に乗る。「格子に乗るか」という構造の問いがスカラー1つの走査に変わり、見つかった2本の G の双対格子への実空間距離が独立の第2経路になる。Hat は 1.000000 で、双対格子は最近接距離のちょうど 1/4 の三角格子(残差 10⁻⁸)。実空間から見つけた発見28が、回折だけから自動で再発見された。

家系は3つ: ①格子の上の非周期(Hat・コヒーレンス 1.000000)/②真の準周期(ペンローズ 0.48・AB 0.85・ドデカ 0.50・Spectre 0.52。窓を2倍にしても頭打ちで1に届かない)/③縫い目の秩序(Krinkle: ウェッジの中は1種類のタイルの平行移動だけ=ただの結晶(1.000000・構成からの残差 10⁻¹²)で、非周期性は回転の接ぎ目に集中。中心を含む窓では22回対称=実空間の11回×フリーデル・対照の5/6/7回は立たない=剰余算術が結晶学的制限の完全な外の回転を作る)。兄弟の分かれ道: 同じ族のモノタイルなのに Hat は格子に乗り Spectre は乗らない。カイラル(鏡映線なし)という性格だけが兄弟で共通。

おまけが2つ。ドデカゴナルはピークの位置は12回(54/60)なのに強度は 0.74 に崩れる=多重格子のオフセット位相は位置でなく強度だけを壊す。1未満のコヒーレンス値は窓の取り方で動く(ペンローズで 0.48〜0.76)。不変なのは「1.000000 か、届かないか」だけ。用語の対応づけ(極限周期など)はせず、測れる3本の物差し(回転・鏡映・コヒーレンス)の値だけで家系を分けた。

36. 直そうとした欠陥は答えに効いていなかった。帳簿の穴は形の法則を動かさない

川の分岐。前回「Hack の指数 h が実測の 0.57 に届かないのは、窪地埋めを入れていないので水の 93.6% がどこかの窪地で止まっているせいだろう」と書いた。窪地埋め(Priority-Flood + ε)を実装して測った。仕組みとしては完全に効いた(窪地 277 → 0・溜まる水 93.6% → 0.0%・海に届かないセル 0)。それでも h は 0.507 → 0.506。動かなかった。ほかの3つも同じで、系の大きさ(面積 4.8 倍)0.484 → 0.462、侵食の回数(0 → 300 回)0.548 → 0.432、海の出口の幅(200 分の1)0.484 → 0.441。4つのつまみのどれも 0.57 に近づけない。いちばん近いのは何もしない設定だった。

理由は測る前から言えたことだった。「水が海に届かない」は流量の帳簿の話で、Hack の法則は流域の形の話である。あるマスの上流面積 A とそこまでの流路長 L は、その水がやがて海に着くかどうかとは関係なく決まる。欠陥が本物であることと、それが答えに効いていることは別。直す前に「その欠陥はこの量に触れるか」を通す一行が要る。窓と分解能(発見30)で「解像度で動くとき、測り方が悪い場合とその量が存在しない場合がある」と学んだのと同じ家系で、こちらは第三の型=つまみが量につながっていない。

では何が決めているのか。面積は長さ×幅である。平均の幅を W = A/L と置き W ∝ L^w とすると、h = 1/(1 + w) という恒等式になる。つまり h > 1/2 ⟺ w < 1 ⟺「大きい流域ほど相対的に細い」=流域が育つときに伸びる。文献の 0.57 が要求するのは w = 0.754。この模型は w = 0.835(流すだけ)〜1.375(侵食300回)で、削るほど 1 を超えて太くなる=流域は伸びずに丸くなる。恒等式は独立に検算し(1/h vs 1+w の相対差 0.6〜2.5%)、h は3通りで出して揃えた(流路長・直線距離・上流域の外接箱=流路長を一切使わない・0.05 以内)。そして蛇行の寄与 L ∝ D^1.07 は侵食を 0→300 回に振っても動かない=効いているのは川の曲がり方ではなく流域の形。

副産物として測り方も直った。帯の両端は飽和していた。小さい側は幅が1セル(L ≤ A という幾何の床)・大きい側は L が箱の高さに当たる(天井)。漸近域を宣言してから測るという作法をここでも踏んでいなかった。窓を「幅 ≥ 3 かつ L ≤ 0.4N」に絞ると系の大きさへの依存が縮む(0.39〜0.48 → 0.45〜0.48)=前回「設定で 0.44〜0.52 と動く」と書いたのは、飽和した帯を混ぜていたぶんが大きい。

37. 「文献値に合わせられる」は「合っている」ではない。自由なつまみ1つで一致は作れる

川の分岐を見る。発見36 が「h > 1/2 には流域が伸びることが要る」と言ったので、伸ばせる箱を作った(格子を正方形固定から横×縦の一般形へ。数を渡せば1ビットも変わらないことを検査で固定した)。面積を保ったまま縦横比だけ 1 → 16 に振ると、h は 0.411 → 0.597 まで上がって 0.57 を素通りする(幅の指数 1.42 → 0.66)。縦横比 8 あたりで文献値をぴったり通過する。予言は当たった。だが当たったのは予言のほうだけだった。

交絡を2通りに外すと超えない。①箱の壁から離れた流域だけで測ると 0.459〜0.490 で縦横比 16 倍でも動かない。②どの箱でも同じ面積帯だけで測ると 0.454 → 0.513 で0.52 を超えない(窓なしの上がり幅の3分の1)。そして細長くなるのは大きい流域だけ(2.69 → 4.41)で小さい流域は逆に丸くなる=伸ばしているのは箱の横壁で、模型の中に流域を伸ばす仕組みはない。

だから一致は証拠にならない。自由に選べるつまみが1つあれば、文献値はいつでも出せる。DLA の異方性で「は目安のふるいで有意水準ではない。設定を変えても残るかが実質の判定」と書いたのと同じ話が、こちらでは文献値との一致について起きた。太鼓の節線でも同じ日に同じ形の間違いを見つけている(節領域の数を、値が跳ぶただ1点で測っていた)。合った数字を見たら「どのつまみを固定したか」を先に言う。

2つの外し方はどちらも完全でない(①は縦横比が上がると見る流域のスケールが下がる/②は細い箱ではその面積でも壁に触れうる)。だから結論は「この面積ならどちらの外し方でも 0.52 を超えない」までで、「模型の真の値は 0.47 だ」とは書かない。実際、面積を 25,600 に落とすと②は 0.615 まで上がる。横 40 セルの箱では 1500 セルの流域が壁を避けられず窓が壊れる。窓が壊れる条件が「壁に触れるとき」と一致すること自体が、壁が効いている側の証拠になっている。

38. しきい値が「ある」かどうかは、なめらかさが決めている

結晶のかたちを見る。発見31 で「境界のエネルギー γ の異方性が ε* = 1/(n²−1) を越えると角が立つ」と書いた。ところが角が立った形をよく見ると、辺は平らではない。cos 型の γ はどこまでもなめらかなので、厳密な平面が出る理由がない。そこで γ にとがった極小(cusp)を入れた(γ = 1 − ε + ε|sin(nθ/2)|)。

とがりがあると、ε がどれだけ小さくても即座に n 個の厳密な平面が出る。しきい値が要らない。面の長さは γ' の跳び εn ぴったり(ε=0.02 で測定 0.1211 vs 式 0.1200・ε=0.1 で 0.6010 vs 0.6000)。しきい値 ε* の3分の1(ε=0.0095)でも、なめらかな γ は角ゼロなのに、とがった γ は長さ 0.0582 の面を出す(式 0.0571)。つまり ε* = 1/(n²−1) は「なめらかな γ」に限った話だった。

決め手は刻みを振ることである。Wulff 構成は半平面 M 枚で切るので、なめらかな形にも「辺」は出てしまう。M を 720 → 11520 に16倍すると、とがった γ の最長辺は 0.1285 → 0.1205 と残り(式 εn = 0.12 に収束)、なめらかな γ の最長辺はちょうど 16 分の1になった(2π/M に比例)。窓と分解能(発見30)や Hat の回折像では「刻みで答えが動く」ことが問題だったが、ここでは動くかどうかが答えそのものになった。「γ' の跳びが面の長さになる」は Miracle-Solé の定理(arXiv:1206.3736 の式 62)で、こちらで確かめたのは「測った長さが εn に一致する」と「刻みを振っても残る」の2点である。

39. 「なめらかさが落ち方を決める」は、2次元では1つの数に収まらない

時間と周波数を見る。この一行は3つの舞台に出る。①輪郭の角(周転円で描く角・発見25 の家系): 角があると係数は k−2.08(式 −2)②窓の端(発見30): 値が跳ぶと 1/f0.92・傾きが跳ぶと 1/f1.93・曲率まで連続で 1/f3.06(式 −1/−2/−3)。1次元では、連続な導関数が何階まであるかが指数を1つ決める。測った値は式とすべて 0.1 以内で合う。

3つめの舞台で様子が変わった。2次元の領域そのもののフーリエ変換(形状因子)を厳密式で測ると、なめらかな境界を持つ円板は |F|² ∝ q−3.03 でどの向きでも同じ1つの指数なのに、角を持つ正方形は指数が向きの関数になる。辺の法線方向で 2.02、斜め30°で 3.93 になる。角は「なめらかでない」だけでなく「向きを選ぶ」。1次元にはこの自由度がなかった。

そして全方位を平均すると 3.01 になり、なめらかな円板の 3.03 と区別がつかなくなる(差 0.013)。平均が、区別していた情報そのものを捨てている。三角格子を軸座標で丸めると偽の4回対称が立つのと同じ家系で、こちらは丸めではなく平均が情報を落とす型である。「なぜ向きで決まるか」は発見48 で導いた(稜線は辺の法線に立ち、平均は 2×周長/q³ で形によらない)。

この測定の途中で、共有しているベッセル関数のコードが x ≳ 40 で桁落ちして発散していることが分かった(太鼓の節線と共有・出荷している図の範囲 x ≤ 20.4 は正しかったが、範囲を広げた瞬間に壊れる型)。漸近展開を足して直し、独立3経路(McMahon の漸近式・隣り合う零点の間隔が π へ・返した零点で |J| ≈ 10⁻¹⁶)で固定した。このとき最初に持ち出した「文献値」が間違っていた(33.7758 は j(1,10) ではなく j(0,11))。記憶に頼った突き合わせは経路にならない。

40. 1本の木に、帳簿が3つ要る。そして輸送の帳簿は、枝の角度を決められない

木はどこまで高くなれるか。葉脈と血管の分岐角の式(張力 r² の余弦定理)に細り方の指数 n を入れて畳むと、対称分岐なら cos θ = 2(2/n − 1) の一行になる。すると、これまで別々の事実として書いていた3つが同じ曲線の3点になった。血管(Murray n=3)で 74.93°、泡(n→∞)で 120°、そして木(レオナルド n=2)で 0° になる。

木がいるのは曲線の端だった。張力の三角形が閉じる条件 r₀² ≤ r₁² + r₂² に対して、レオナルドの法則はその等号そのものである。三角形は線分に潰れ、釣り合う分岐点が存在しない。しきい値の指数を二分探索するとちょうど 2.000000000 が返る。葉脈の記事は「レオナルド則を入れると角度が 0° になって木にならない」という不都合として書いていたが、族として見るとそれは不都合ではなく位置だった。つまり輸送の帳簿は、木の枝の角度を決められない。

では長さは何が決めているか。自重による座屈で、限界の高さは半径の 2/3 乗(実測の指数 0.666666667)。臨界 λ = w h³/(EI) = 7.837347439 を、常微分方程式のシューティングと分数次ベッセル J−1/3 の零点の独立2経路で 9 桁一致させた。形をそのまま拡大すると λ はちょうど比例して増える=大きくするほど必ず座屈に近づくので、木は相似では育てられない。目安の木4つ(半径が60倍ちがう)はどれも安全率 2.30〜2.82 に収まった。

まとめると1本の木に帳簿が3つ要る。太さの比は運ぶこと(n=2 なら流速が落ちない。しかも n=2 だけは左右の分け方によらず総断面積が変わらない)、長さの限界は支えること(2/3 乗)、そして角度はそのどちらでもない何か(光の取り合いなど・こちらでは扱っていない)。実在の樹木の寸法・分岐角と突き合わせたわけではない。

ここでもまた記憶にやられた。J−1/3 の最初の零点を 1.8663895 と覚えていて書いたら、経路①と5桁目で食い違った。自分で級数から出し直すと 1.866350859 で、そちらなら9桁合う。発見39 の末尾とまったく同じ型で、3度目である。

80. 縄を転がした押型は表面の展開図の鏡像。条の角は転がりの半径で決まり、節の間隔は内側のピッチを副縄の弧長で割った値。押型だけから原体が読み戻せる

縄文の縄目(古代文明の棚 第 3 弾)を見る。縄を螺旋の入れ子(各段の芯線は親の芯線のまわりの螺旋・素線は半径 r₀ の管)で作り、球の鎖で表面の高さ場 H(θ, z) を取り、転がした押型を θ 方向の展開図の鏡像とした。無節(1 段)は螺旋対称(最大差 0.9%)で押型は条だけになる。条の角は tan α = 2πR/p(R は転がりの半径・溝の深さではない)に 0.1° で合い、R/L で符号が逆になる。単節(2 段)で螺旋対称が破れ(84%)、主軸まわりの n₂ 回対称とねじ対称が残る。ねじの送りが節の間隔 δ = p₁/(n₁κ₂)(κ₂ は副縄の芯線の弧長の比・測 3.840 / 式 3.816)。

押型は常に斜めの格子(副縄の入れ替え × ねじ)だが、軸方向にまっすぐ周期が戻るのは p₂/n₂ と δ が通約するときだけ(1/3 なら送り 9.99 で残差の相関 0.997・1/φ² なら最良 0.295)。和音のモアレと同じ型の話が、縄の 2 つのピッチの間に出た。原体復元=押型だけから読む: θ の最強調和の次数(副縄の数)とその位相が z で進む速さ(向きとピッチ)、螺旋対称の残差(節の有無)、外側をぼかして引いた残差の周期と筋の符号(内側の間隔と向き)。無節 R/L・単節 LR/RL で全部が真値に戻る(ピッチ 8.00 / 20.01・節の間隔 3.81)。

複節(3 段)は 2 段の式から外れる(外側の面の節の間隔 11.1 vs 式 9.70・同じ外形の 2 段なら 9.69)。中段の副縄が外を向いていても中の素線が外を向いていなければ最も外に出ないので、内側の段がどの点を最外にするかを決め直す=「大きな節の中に小さな節」は節の位置を動かす仕組みでもある。復元は 2 段までを主張し、3 段は主張しない。結束(羽状)は折り返し点で鏡映になる。実物の写真は測っていない(模型の号)。

注意が 2 つある。①条の角を構造テンソルで読むと細かい筋に引っ張られる(単節で −5°・真値 −32°)→ 調和の位相の直線当てはめで読む。②残差の大きさで「節あり」を判定すると無節も節ありになる(溝の形が残差に残る)→ 螺旋対称が破れているかで判定する。

103. 協和は音程の性質でなく音色と音程の組の性質。倍音を n 本(n 奇数)もつ音の協和曲線の極小は、ちょうど odd-limit n の整数比に 0.3 セント以内で落ちる=Partch の「limit」は聞き取る倍音の本数だった。棒や膜では別の場所に落ちる

かけ算第36号|音色が音階を決める(太鼓の節線 × 倍音律)。Plomp・Levelt の粗さ(Sethares 1993・JASA 94 の当てはめ、定数は彼のプログラムの値)で協和曲線を引く。音階は一切入れず、部分音の周波数と振幅だけを入れる。弦(1 次元)だけが厳密に整数比 1:2:3:4 と続く。円膜は Bessel の零点比 1・1.593・2.136・2.295・2.653・2.917 で整数にいちばん近くても 1.47% 外れ、自由端の棒は cos x cosh x = 1 の根から 1 : 2.757 : 5.404 : 8.933(ガムラン)。★棒の根は (2n+1)π/2 に寄り、差は 1 つ進むごとに e^π = 23.1407 分の 1(cos x = 2/(e^x + e^{−x}) と書けば右辺が π ごとに e^{−π} 倍)。★調和スペクトル(倍音 7 本)の極小は 7/6・6/5・5/4・4/3・7/5・3/2・5/3・7/4・2/1 の 9 個で、すべて整数比に 0.10 セント以内=音階を仮定せずに純正律が出る。★★倍音の本数 n を振ると、n が奇数のとき極小の odd-limit は n ちょうど(5→5・7→7・9→9・11→11・ずれ 0.22¢ 以内)。倍音 4 本では谷が浅く 1 つが 19.56 セント外れる=倍音が足りないと音階が決まらない。

★棒のスペクトルでは極小が 5 個だけで最寄りの単純比から 7〜35 セント外れ、円膜は 11 個が 0.6〜25 セントでばらばら=音色が音階を決める(Sethares も、ガムランの音階は楽器の音色と関係していると書いている)。Partch の One-Footed Bride との突き合わせ: 彼が Power と呼ぶ 1/1・4/3・3/2・2/1 の粗さ順位は 1・6・3・2 番目で、1/1・2/1・3/2 は上位 3 つに出るが 4/3 は 6 番目(5/3 と 7/4 に先を越される)。和音のモアレの物差し(超格子 1 セルの線 p+q 本)では 4/3 は 3 番目で Partch に近い=整数比の側の 2 つの物差しは 4/3 を高く置き、唸りの側だけが低く置く。分かれる場所を記録する。偶然の一致: j₂,₂/j₀,₁ = 3.50015 は 7/2 と 0.073 セント(半整数は音高を作らない)。罠: 「極小が整数比に乗る」は倍音の本数つきでしか言えない。ティンパニの (m,1) 列 1 : 1.340 : 1.665 : 1.980 はよく言われる「1 : 1.5 : 2 : 2.5」と 195〜468 セント違い、差を埋めるのは空気の負荷(実物は 2 : 3 : 4 : 5 に近い=Christian ほか 1984 の要旨・ここでは未計算)。

続き(どんな形の膜なら倍音列になるか): 長方形膜 [0,1]×[0,b] の固有振動数 √(m²+n²u)(u = 1/b²)で縦横比を振ると、低い方から 2 個を 1:2 に合わせるだけでも最良で 407 セント外れる(最良は正方形)。3 個で 900、4 個で 1200 セント=長方形の膜はどう形を選んでも調和にならない。円膜も低い方から 40 個のうち整数にいちばん近いのは (10,1) の 6.0194(6 と 5.6 セント)。★ただし正方形膜の対角モード (k,k) は f/f₁₁ = √((k²+k²)/2) = k ちょうど(誤差ゼロ・整数の恒等式)=完全な倍音列が膜の中に埋まっている。太鼓に音程がないのは、(1,1) と (2,2) のあいだに (1,2) = 1.581、(2,2) と (3,3) のあいだに 2.236・2.550・2.915 が挟まるからためである。m²+n² = 2k² の解は (k,k) のほか k = 5 の (1,7)・k = 10 の (2,14) で、(1,7) と (5,5) は違う形で同じ 5 倍音=作品 drumhead の縮退が倍音の上で起きている。

102. 純正律は素数の指数の格子を 1 次元に射影した切り出し射影=準結晶。コンマの落ち方が内部空間の次元を測り、段が 2 種類になる n が連分数の分母を呼び、回折の山が 12・41・53 平均律として立つ。1 には決して届かない

かけ算第35号|音階に光を当てると、平均律が出る(なぜ鍵盤は 12 個か・1 に届かない、いくらでも近づく × 回折の動物園)。音高を log₂ で測ると純正律の音は素数の対数の整数結合=格子 Z^d を 1 次元の円に射影したものになる。射影は単射(=素因数分解の一意性・違う整数比が同じ音になることは決してない)だが像は稠密=いくらでも近づく。その近づいた分がコンマである。★最小コンマ × (2N+1)^d が N によらず 500〜3000 セントに留まるのは正しい d のときだけ(1 減らすと 353 以下に潰れ、1 増やすと 4732 以上に走る)=内部空間の次元が測れる(第29号と同じ型)。★純正 5 度を n 回積んだ音階の段は 3 距離定理で高々 3 種類、2 種類になる n = 2・3・5・7・12・17・29・41・53・94 = α = log₂(3/2) の連分数の分母(1・2・5・12・41・53・306・665)と中間分数になる。段の語は Sturmian(41・53 音で k ≤ 10 まで p(k) = k+1=フィボナッチ・ワードと同じ。語が有限なので k が音数に近づくと頭打ち)で、5 の指数も振ると 6 種類・p(k) = 6・15・27 と伸びる。

★回折: コヒーレンス S(m) = |Σe^{2πimx}|²/N² の山は m = 12(0.833)・41(0.878)・53(0.996)・94・106 に立つ=その平均律に乗っている度合い。閉じた形 S(m) = (sin πNε / N sin πε)²・ε = ‖m·α‖ が直接和と 21 通りで 2e−14 一致(2 経路)。ε はその平均律のコンマで、m = 12 では 23.4600 セント=ピタゴラスのコンマちょうど(作品 temperament が連分数から出した 12・41・53 が、ここでは回折の山として独立に出た)。1 には届かない: m ≤ 50 で 0.877758(m=41)・200 で 0.995738(53)・1000 で 0.999998(665)・50000 で 0.9999999(31867)=記録更新の m はすべて連分数の分母である。★Partch の 43 音 = 11-limit ダイアモンド 29(6×6 = 36 マスが重複して 29)+ 窓の外 14で、外の 14 はすべて中央値 31.8 セントより大きい隙間(49・53・63・151)に入る=隙間埋めになっている。43 音の回折は m ≤ 100 で 72 平均律が最強(0.302・ダイアモンドだけなら 0.600)で、72 は 11-limit を 3 セント以内に出す(12 平均律は 7/4 を 31・11/8 を 49 外す)。罠: 「山が m に立つ」は m の上限つきでしか言えない(m ≤ 300 なら最強は 270)/コンマの比は手打ちせず指数から組み立てる。

101. 表面張力の平衡形(水の糸のくびれ・石鹸膜)は円錐曲線を線の上でころがした焦点の跡になる。放物線の跡は cosh=カテナリー、楕円の跡の周期は e → 0 で 2πa=Rayleigh の中立波長になる。玉の列は円柱より面積が大きく、円柱が負けるのは λ > 9a/2 の離れた玉=4.5a〜6.28a は準安定

かけ算第34号|ころがる楕円と、ころがる放物線(蛇口の水が玉になる長さ × カテナリー)を扱う。Delaunay (1841・JMPA 6 p.315 の定理)のころがしを数値で実行し、焦点の跡 r(z) を回した面の平均曲率 H = ½[1/(r√(1+r′²)) − r″/(1+r′²)^{3/2}] を断面 4,000 点で測ると 楕円 (1−e²)/2p・放物線 0・双曲線 −(e²−1)/2p が 1e−7 で一定になる。放物線の跡は r = (p/2)cosh(2z/p) ちょうど(3e−7)=電線のカテナリーと同じ cosh になる。楕円の跡(アンデュロイド)の周期は同じ体積の円柱で測って e = 0.3〜0.01 で 0.935 → 0.99992 × 2π r_cyl=作品122 の分散関係が ka = 1 で 0 になるのと同じ 2πa が別の理由で出る。e を上げると周期は短く(→ √6/2π = 0.390)面積は大きく(→ √(3/2) = 1.2247・触れ合う玉の列)=どのアンデュロイドも同じ体積・周期の円柱より面積が大きい平衡形である。円柱が負けるのは離れた玉で、比 (6a²λ)^{2/3}/(2aλ) が 1 を切る λ = 9a/2(厳密)。Plateau の 2πa = 6.28a より短く、4.5a < λ < 6.28a は準安定になる。カテノイド(2 つの輪)の限界 h/R = 1.32549(a/R = 0.55243)は黄金分割と停留条件 arccosh u = u/√(u²−1) の 2 経路で 1e−9。偶然の一致の記録: Rayleigh の x* = 0.6970 と 2π/9 = 0.6981(λ* = 9.014a と 9a)は 0.16% 違う別の数。続きでは平均曲率をそろえた族と衛星滴を足した。平均曲率を 1/2a にそろえると、円柱・アンデュロイド・半径 2a の玉の列・ノドイドが離心率 e だけで 1 本につながる。断面 1 周期の長さはどの e でも 2πa、周期は Z = 2a[(1+e)E(k) + (1−e)K(k)](k = 2√e/(1+e))で、e = 1 のつなぎ目の接線は縦に立つ。e → ∞ で面積はドーナツに寄るが、体積 π∫r²dz はドーナツの 1.5 倍になる。細い糸の 1 次元の模型を解くと、くびれは左右 2 か所に分かれ、最速の波 x = 0.697・Oh = 0.1 で体積の 1.81% が衛星滴として残る。割合は波が長いほど大きく、粘りが強いほど小さい。水道の水(Oh ≈ 0.004)にはこの解き方では届いていない。

100. 大円 2 本から編んだ球の等長の網の角は uv だけの関数(サイン・ゴルドンの相似解 z ω̃″ + ω̃′ = sin ω̃)で、潰れる場所は双曲線 uv = z*。z*(90°) = 1.8616 が作品119 の「対角 1.36・27.3%」を閉じた。kink はコンパス作図で編める厳密な網=潰れは直線

かけ算第33号|潰れるのは双曲線の上(浜辺の X 字が Y 字になるとき × 等長の網)を扱う。網の角 ω は ω_uv = −sin ω(球)、ω̃ = π − ω でサイン・ゴルドン。等長の網では u 線の測地曲率が −ω_u・v 線が +ω_v(ここで導いた)なので、大円 2 本から始めると軸の上で ω = w₀ 一定になる。方程式は u → λu・v → v/λ で不変 → 解は z = uv だけの関数(Painlevé III 型・Toda arXiv:math/0307270 p.9)。離散の網(作品119 のコンパス作図)の角を z で並べると 1 本の曲線に乗り、ODE との rms は ℓ = 0.04/0.02/0.01 で 0.0383/0.0192/0.0096(1 乗)。z* = 1.4840・1.6091・1.8616・2.3555・3.5126(w₀ = 30°〜150°)→ 対角の射程 √z* = 1.218・1.269・1.364・1.535・1.874 が離散の 1.22・1.27・1.36・1.53・1.87 に乗り、u 線ごとの潰れ点の i·j·ℓ² は 1.850 ± 0.013 で一定=双曲線になる。覆える量 ∫∫_{uv<z*} sin ω([0,3.2]²)= 9.25・18.41・27.36・35.69・41.92% vs 離散 9.35・18.52・27.36・35.61・41.79% になる。27.3% は箱に依る数で、z* は依らない。続きでは反った面(K = −1)に編んだ。双曲平面に交差角 w₀ で編んだ網は、球の π − w₀ の網と同じ双曲線の上で、目が開ききって潰れる。擬球の漸近線の網は 1-kink で、潰れる線は縁の円になる。kink-kink を a₁ → a₂ と寄せると Kuen 面の網になり、潰れる線は直線から |y| = cosh x に替わる。ブリーザーに ω = π の輪ができるのは μ が 45° より小さいときだけである。

逆向き: 1-kink ω = π − 4 arctan e^{au+v/a−θ₀} を初期曲線の測地曲率 2a sech・−(2/a) sech から編むと離散の角が rms 0.0740/0.0370/0.0185(1 乗)で乗る=ソリトンは厳密な網で、潰れる線は直線になる。2-kink(Hirota: f = 1 + e^{θ₁+θ₂}, g = c(e^{θ₁} − e^{θ₂})・双線形残差 3e−6)も編め(rms 0.0528/0.0266/0.0132)、潰れる 2 本の線は単独の線から ±ln c/a₁ = 0.586・±ln c/a₂ = 1.340 ずれる(実測 0.5863・1.3404)=KP の −ln A₁₂ と同じ型。罠: ①v 線の測地曲率の符号を −ω_v にしたら rms 1.9(+ω_v が正)。②2-kink を g = e^{θ₁}+e^{θ₂}, f = 1 + A e^{θ₁+θ₂} で書くと PDE 残差 0.9=暗記で書かず残差で選ぶ。

99. 航跡の縁とカップの光の縁は同じ折れ(Airy・指数 1/6)で、最初の縞の位置がどちらも閉じた形で出る。カップにだけ尖点(Pearcey・1/4)があって最も明るい。航跡の V の頂点は尖点ではなく直線の交わり

かけ算第32号|折れは 1/6、尖点は 1/4(船もカモも同じ V 字 × コーヒーカップの光)を扱う。火線の 2 つの型を同じ物差しで測った。カップは Kirchhoff 積分で波数 k を、航跡は kelvin.js の数値の場で距離 r を振る(点の船には尺度がないので k ↔ r)。折れ: 接線の族の位相差 (4√2/3)n^{3/2}/√ρ から最初の縞は n = 1.0188(ρ/2k²)^{1/3} になる。ネフロイドの φ = 135°(ρ = 0.530)で k = 100〜1600 の比 1.015・0.992・1.003・1.001・1.000、ρ = 0.340 でも 1% 以内に収まる。振幅は k^{0.163}(1/6)、火線から離れた点は k⁰ になる。尖点: 最も明るい点は尖点から 0.567/√k、振幅の指数は 0.269 → 0.255 と 1/4 に上から寄る=カップで最も明るいのは尖点である。航跡: 縁 φ = α で θ_c = −35.26° が退化した停留点(g_θ = g_θθ = 0)で、3 次の係数 b = 3.674 と g_θφ = 2.598 から ε = 1.0188(|b|/2)^{1/3}/(|g_θφ| r^{2/3}) = 0.480·r^{−2/3} になる。r = 40〜640 の数値の場と比 0.965〜1.040(作品121 の「2^{2/3}」が係数まで閉じた)。縁の振幅 r^{−0.359}・進路の上 r^{−0.530}、差 0.171 = 1/6 になる。続きで光源を縁の点に移し(カージオイド)、水を浅くした。折れの式はどちらでも同じ形で通る。尖点は光路長の展開の係数 a・b と Pearcey の山(位置 2.1986・高さ 2.6351)から、最も明るい点が 2.1986·(√a/b)/√k と閉じ、平行光 0.5497・点光源 0.4886 で比は 8/9 になる。浅い水でも縁は直線で折れのまま、係数は臨界へ 1.0188·√2·(1 − F_h²)^{−1/6} で伸びる。

形の側: ネフロイド・カージオイド・航跡の波紋の尖点はどれも半立方(接線の枠の指数 1.500・1.501・1.499)だが、航跡では尖点が波紋の上にあり火線は直線(V の頂点は角 38.94° で会うだけ・指数 1)。罠: ①縁の停留点を +35.26° で取ると閉じた形が 2.2 倍ずれる(φ > 0 の点に届く波は負の向き)。②θ の刻みが位相 r/cosθ で 1 rad を超えると r ≥ 160 で偽の山(N = 100r + 1 に)。③折れの Airy を見るには遠い壁からの第 3 の光線を外す(接点の近くの弧だけ・端は cos² で落とす)。

98. ムカルナスの平面図の頂点は AB と同じ加群 Z[ζ₈] に全部乗るのに、回折はアンマンの目盛り πM で暗い。8 回対称は厳密だが、内部像が窓に収まらず(最大 4.9・AB は 1.26)、格子のように比例もしない=同じ目盛りの第三の型

かけ算第31号|八回対称だが、アンマンの目盛りでは暗い(踏み面のない階段 × 回折の動物園)。八角形の丸天井(8 段)の平面図から頂点 273 点を拾い、同じ八角形(外接半径 7.39)で切った AB 192 点・正方格子 153 点と並べた。3 集合とも全点が M = Z[ζ₈] に乗る(残差 1e−14)。回折(コヒーレンス S(q)/N²)は、ムカルナスが 45° 回転で比 1.000・22.5° で 0.19 の 8 回対称、正方格子は同じ窓で 4 回のまま(45° の比 0.02)=窓のせいではない。だが最強でも 0.075(AB 0.51・格子 1.00)で、山は πM の小さい点(|m| ≤ 3)から 0.10〜0.43 離れる(AB は 0.03 以内)。山の間隔 0.68・0.94 は段の間隔(平均 0.92)に近い=回折を決めているのは加群でなく段である。

理由は内部像にある。4 次元格子 Z⁴ の物理・内部の埋め込みが直交(長さ √2)なので双対は (1/2)Z⁴ → 山は πM にしか立てず、q = π·Σm_k e_k では点ごとに e^{iq·r} = e^{−iq*·r*}(恒等式)→ S(q)/N² = |⟨e^{−iq*·r*}⟩|²=内部像の特性関数(6 点 × 2 集合で 1e−14)。AB の内部像は辺 1 の正八角形の窓(外接半径 1.3066)に全部収まる(重心から最大 1.26)。ムカルナスは最大 4.91・平均 2.67 に散らばり、実空間の半径との相関 0.20(格子は |r*| = |r|)。だから AB の最強点 (1,1,0,−1)(|q| = π(1+√2)・|q*| = π(√2−1) = 1.30)でムカルナスは 0.007、|q*| = 0.54 の (3,2,0,−2)(|q| = 18.3)までいくと 0.27 になる。内部像の広がりを窓にした模型集合なら八角形に 2,865 点、ムカルナスは 273 点=1 割しかない。罠: πM は稠密なので「乗る」は係数の上限(|m| ≤ 3)を言わないと空文になる。AB の窓は位相 γ のぶん原点からずれるので広がりは重心から測る(原点からだと 1.79)。

出土板の実物(作品120 で写真から座標化した 115 点)に同じ物差しにも同じ物差しを当てた。内部像(座標化の格子 (Z + Z√2/2)² の共役)は平均 7.56・最大 16.1 で、同じ箱の平面図 2.49・AB 0.83・正方格子 2.50 より散らばる。だが証拠にならない: 58 点が M の外・90 点が √2 の係数 4 以上、座標 0.050253 = 5 − 3.5√2 の内部像は 9.95=実空間のゆれを 198 倍に拡大する。写真起こし(残差 4 px)では内部像は測れない。決着には実測の寸法が要る。

97. 水路の DLA を平均すると、先端付近の外側の等密度線だけが λ ≈ 1/2 の指に乗る。閾値を上げると λ は 0.6 → 0.3 と縮み、閾値のないスカイラインは指にならない=「雑音を平均すると指が戻る」は外側の輪郭の話

かけ算第30号|平均すると指が戻る、外側だけ(蜂蜜に吹き込んだ空気の指 × DLA)を扱う。同じラプラス成長の雑音ゼロと雑音だけの側である。幅 W の周期の水路で格子 DLA を M 個育て、先端で横に揃えて占有率を平均し、先端付近(奥行き ≤ 0.75W)の等密度線を Saffman・Taylor の指の族に当てた。W = 64・M = 300 で θ = 0.2 の輪郭は λ = 0.513(rms 0.022)、θ = 0.25 で 0.458 になる。W = 32・48 でも θ = 0.25 の λ は 0.49〜0.51 になる。Arnéodo らの「幅 1/2」(1989 の要旨では「占有の大きい領域」)はここに出る。だが θ = 0.15 で 0.60・0.35 で 0.32・0.5 で 0.17 と単調に縮む=平均の密度は幹に集中していて、どの高さで切るかが幅を決める。閾値のないスカイライン(列が先端から何段目で初めて占有されるかの中央値)は指の族に乗らず(rms 0.25)、|x|/W = 0.4 の列も奥行き 1.5W で埋まる=漸近の幅は DLA の平均にはない。

Arnéodo らとの違い: 向こうは壁のある帯・多数(要旨の範囲)。ここは周期・格子(4 回対称で先端が尖る)・300 個である。外側の輪郭が 1/2 に乗るところまでは同じ結果になった。罠: 奥行き W〜2W の「漸近の幅」を半値幅で測ろうとして行ごとに 0.1〜0.5 で暴れた(平均が疎)。指との比較は先端付近の輪郭でしか意味をもたない。

壁(反射)・オフ格子(直径 1 の円盤)を入れて W = 64・300 個で同じ物差しを当てた。先端で揃えて平均すると 4 つの設定は同じ絵=λ は θ で単調に縮み(格子・壁 0.59 → 0.15・オフ格子・壁 0.81 → 0.16)、1/2 に乗るのは θ ≈ 0.2 の外側だけ。壁の中央で揃えずに平均すると θ に鈍くなるが 0.6〜0.85 と太い=先端の横揺れ 0.18〜0.20W の畳み込みになる。「幅 1/2」はどの平均にもない。

96. 粘い液を押す界面は σ = Uk − Ck³ で崩れ、表面張力ゼロの指は幅の割合 λ の族が厳密解。写像の境界条件(1e−9)と格子のラプラス解(1e−2)の 2 経路で通り、先端の曲率半径は 2λ²/(π(1−λ))=λ = 1/2 で 1/π

蜂蜜に吹き込んだ空気の指(流体・波の棚 第 5 弾)を扱う。Hele-Shaw セル(隙間 b の 2 枚の板)では奥行き平均の流れが v = −(b²/12μ)∇p で、圧力はラプラス方程式を満たす(奥行き平均の式は Kälbermann・Wallach arXiv:cond-mat/0011151 の式 1)。粘度の低い流体が粘い流体を速さ U で押すとき、平らな界面の擾乱 e^{iky+σt} の成長率を導くと σ(k) = Uk − Ck³(C = b²γ/12μ)。長い波は押す力で育ち短い波は表面張力で消える。境は √(U/C)、最速は k* = √(U/3C)、そのときの成長率 (2/3)Uk*(黄金分割と 4e−9)。

表面張力ゼロの定常な指は Saffman・Taylor (1958) の厳密解(要旨は「λ を助変数とする族」。式は写像で自分で確かめた)で、幅 2 の水路に幅の割合 λ の指: x = ((1−λ)/π) ln[½(1 + cos(πy/λ))] で表される。本当に解かを 2 経路で確かめた。①指と一緒に動く座標の複素ポテンシャル W で z(W) = −W + (2λ/π)[ln(1 + i√(ζ−1)) − ½ ln ζ]、ζ = e^{πW/(1−λ)} が、壁 Im z = 1・中心線 Im z = 0・界面で x + φ = 0(圧力一定)・遠方の一様流(前方 −(1−λ)・後方 −1)を λ = 0.3/0.5/0.7 で 1e−8〜1e−11 で満たし、界面の像が上の輪郭に乗る。Newton で戻した物理平面の φ は 5 点差分で調和(2e−7)。②写像を使わず、指を固定境界にした格子のラプラス解(自前 SOR・Shortley・Weller・300×60)で、界面の法線速度 ∂Φ/∂n が指の速さの法線成分 n_x に 9e−3 で一致し前方の速さは 0.4999 = λ になる。界面は流線=指と一緒に動く。

先端で展開すると曲率半径 R = 2λ²/(π(1−λ))(2 階差分と 1e−8)で、λ = 1/2 なら R = 1/π ちょうどになる。指が幅 2λ を占めて U で進むと前方の流体は λU で流れるので、指は流体の 1/λ 倍=λ = 1/2 で 2 倍(Saffman・Taylor の要旨は、よほど遅くないかぎり λ は ½ に近いと書く)。どの λ が選ばれるかは族の中では決まらず、表面張力がどう選ぶかは McLean・Saffman 1981 が扱うが、要旨は「定性的には正しいが定量的には正確でない」とする=ここでは計算していない。DLA と同じラプラス成長の、雑音ゼロの側(数値比較はしていない)。

罠: 輪郭の傾き dx/dy = −((1−λ)/λ) tan(πy/2λ) の 2 を落とすと法線が倒れて「一致しない」が出る/境界から h の点で片側差分をとると補間のセルに指の内部(値 0)が入って 1 割ずれる → 2h・4h の点で/格子を 1/100 にすると SOR 6,000 回では収束せず粗い格子より悪い数が出る(反復の残差を必ず見る)/log・sqrt の主値の切れ目が帯の境界に来るので、境界は内側へ 1e−9 寄せて辿る。

95. 浅い水で交わる 2 本の波(KP-II)は、同じ振幅なら交差の係数が tan²φ/(tan²φ − k²)。tanφ が √(2A) に近づくと発散して X 字が Y 字に閉じ、共鳴した幹は振幅 4 倍・幅 1/2 で質量は 2 本の和のまま

浜辺の X 字が Y 字になるとき(流体・波の棚 第 4 弾)を扱う。浅水の波を弱い 2 次元性つきで書いた KP-II 方程式 (u_t + 6u u_x + u_xxx)_x + 3u_yy = 0(Kodama arXiv:1004.4607 は時間を 4 倍に取った形で書く)を、Hirota の双線形形式 u = 2(ln τ)_xx で解いた。1 本の線ソリトン τ = 1 + e^θ(θ = kx + ly + wt)は w = −(k³ + 3l²/k) で厳密解で、振幅 k²/2・質量 ∫u dx = 2k になる。2 本は τ = 1 + e^θ₁ + e^θ₂ + A₁₂e^{θ₁+θ₂}、A₁₂ = −P(k₁−k₂, l₁−l₂, w₁−w₂)/P(k₁+k₂, l₁+l₂, w₁+w₂)(P = kw + k⁴ + 3l²)。同じ振幅 A の対を ±φ に傾けると A₁₂ = tan²φ/(tan²φ − k²)(k = √(2A)・l = 0 なら KdV の ((k₁−k₂)/(k₁+k₂))²)。交差を境に各線が −ln A₁₂/√(k²+l²) ずれることを、山の位置を黄金分割で探して 4e−8 で確かめた。

★tanφ が k に近づくと A₁₂ が発散して X 字が閉じる(臨界角 φ_c = arctan √(2A)、A = 1 で 54.736°。それより浅いと A₁₂ が負で X 字の解は存在しない)。A₁₂ = 0 の組(k = p − q, l = p² − q² で (p₁, q)・(p₂, q))は τ = 1 + e^θ₁ + e^θ₂ の 3 項だけで厳密解=Miles の Y 字(Kodama の p.31 で臨界角の 4A₀)で、幹の振幅は (√A₁ + √A₂)²、同じ振幅なら 4 倍(実測 4.00000000)。質量 ∫u dx は腕の側も幹の側も 2(k₁ − k₂) で同じ=振幅 4 倍・幅 1/2 になる。交点の高さは φ = 90° の 2A(重ね合わせ)から φ → φ_c で 4A へ単調に上がる(55.5° で 3.24A)。残差は 2 経路(双線形は解析微分で 1e−14・u の 4 次精度差分を Richardson 外挿した PDE の相対残差は 1e−7〜3e−4)。浅水の実単位では共鳴角が tanψ ≈ √(3a/h)(Kodama による Miles 1977 の紹介・小角の近似)になるが、数は規格化で変わるので標準形だけを主張した。

罠: PDE の残差は u ≈ 0 の点で相対値を取ると 0 ÷ 0 で意味を失う → 線の山と交点の山で測る。山の位置の走査は半幅を「予想のずれ + 1」に絞る(広いともう 1 本の山を拾って 4.9 という嘘の値が出た)。差分の刻みは線の鋭さ(l)に合わせて縮める。

94. 12 の波の位相 6 つのうち 2 つは冗長(e₀ − e₂ + e₄ = 0・e₁ − e₃ + e₅ = 0)。平行移動で消せない Γ₁・Γ₂ が明るさの上限 3cos(2πΓ₁/3) + 3cos(2πΓ₂/3) を決め、内部空間は 4 次元でなく 2 次元になる。回折はドデカゴナルと同じ加群の別の目盛り

かけ算第29号|消せない位相が明るさを決める(半分の速さで立つ模様 × ドデカゴナル)。12 の波 f = Σcos(2π(e_j·x − γ_j)) と de Bruijn の 6 重格子は同じ 6 方向の線の族である。12 次の円分多項式 ζ⁴ − ζ² + 1 = 0 は e₄ = e₂ − e₀・e₅ = e₃ − e₁ と読め(1e−15)、残差 r_j = e_j·x − γ_j − n_j は x によらず r₀ − r₂ + r₄ ≡ −Γ₁・r₁ − r₃ + r₅ ≡ −Γ₂(Γ₁ = γ₀ − γ₂ + γ₄・Γ₂ = γ₁ − γ₃ + γ₅・mod 1)を満たす(乱数 2,000 点で 1e−12)。だから sup f = 3cos(2πΓ₁/3) + 3cos(2πΓ₂/3) になる。ドデカゴナルの位相では 5.2536 で、576 万点の格子の最高 5.2514 が下から押さえる。位相ゼロなら 6 に届く。

★これは「12 の波の模様は Z⁶ の切り出し射影」の Z⁶ が方向の数であって格子の階数ではないということである。格子は Z⁴ = Z[ζ₁₂]、内部空間は 2 次元になる。数えると出る: f > 6 − η の山は η < η_min = 6 − sup f = 0.746 で 0 個、上では (η − η_min) に比例(直線から 7% 以内・N(1.5)/N(0.9) = 5.38、2 次元の窓の予言 4.91、4 次元の η² なら 2.78)。周期の 4 方向は 810 のまま変わらない。回折(コヒーレンス |Σe^{iq·x}|²/N²)は、明るい点が 2π e_j で 0.885 以上・2π(e₀+e₁) で 0.968・15° ずらすと 0.01 以下になる。タイリングの頂点は 2π e_j では 1e−3 以下で暗く、最強の山は (2π/3)|e₀+e₁+e₂+e₃| = 7.008 にあり (2π/3)·整数結合で書ける(Σe_j⊗e_j = 3I の双対=1/3 の目盛り)。同じ加群の別の目盛り・別の窓(丸と多角形)。双対の帳簿: 6 重格子の交点の数 = タイルの数(1263・2846・5063)、タイルの比 1 : √3 : 1 になる。

実験の 12 回対称は二周波駆動 m:n で立つ。2 つの駆動が立てる波どうしの三波共鳴では角が 60° を下回らない(k_n/k_m > 1)。文献が指すのは駆動の積から二次で駆かれる差の振動数 (n − m)Ω の調和モード k_d(Topaz・Silber 2002 の要旨)で、三波の角は θ = 2 asin(k_d/2k_s) になる。表面張力の極限で ρ = k_d/k_s = (2(n − m)/m)^(2/3)、重力の極限で (2(n − m)/m)² になる。2:3 は差のモードが立つ波そのもの(ρ = 1)でどの液体でも 60°=六角になる。水の 4:5 は f₀ = 10.97 Hz でちょうど 30° を跨ぐ(3:4 は 4.96・5:6 は 32.6 Hz・6:7 は 27.8° 止まり)。三次の結合係数(Zhang・Viñals 1997 は共鳴の角で大きな正の山と書く)は自前で出していない=「だから 12 回対称」はここでは示していない。

罠: η² の 4 次元の窓を予言に置き、η = 0.5 で山がゼロなのを「格子が粗い」と読みかけた。格子の最高(5.25)が 6 に届かないことから位相の拘束に気づいた。

93. 振動する水面の各モードは Mathieu 方程式。不安定域の縁で Floquet 乗数は −1=駆動の半分の振動数で揺れる。減衰の閾値は q_c = 2β ちょうど。12 の波を足すと山の高さが全部違う

半分の速さで立つ模様(流体・波の棚 第 3 弾)を扱う。上下に揺する水面のモードは y″ + 2βy′ + (a − 2q cos 2τ) y = 0(Benjamin・Ursell 1954 の p.505「Mathieu 方程式の系」。a = (2ω_k/Ω)²・q = 変調の深さ)。1 周期の基本行列(RK4・400 分割)の固有値で不安定域(舌)を描き、第 1 の舌の縁を二分法で追うと Mathieu 関数の級数 a₁ = 1 + q − q²/8 − q³/64 ⋯・b₁ = 1 − q − q²/8 + q³/64 ⋯ と q = 0.05〜0.4 で 3e−6 以内(2 経路)に収まる。縁での乗数は −1(周期 2 倍=駆動の半分)、第 2 の舌(a ≈ 4)では +1 になる。減衰 β を入れると閾値 q_c(a) の最小は a = 1 ちょうどで、そこで q_c = 2β(β = 0.01〜0.1 で比 2.000〜2.004)。水(σ = 72.8 mN/m)を 50 Hz で駆動すると 25 Hz の波・λ = 9.93 mm(重力 25%・表面張力 75%)。

12 の波(30° おきの 6 方向・往復)を足した模様は位相ゼロなら 30° 回転で厳密に不変(1e−12)。周期の模様(4 方向・6 方向)は山の高さが全部同じ(幅 1e−5)で、12 方向は山 36 個の高さが全部違う(幅 1.15)=整数関係 e₀ − e₁ + e₂ = 0 の有無。この「全部違う」の内訳は発見 94 で開けた。罠: 舌の縁では乗数が重根で判別式の符号がぶれる → 乗数は跡の半分で読む。

92. 水の糸は直径の 4.51 倍の波長でくびれて玉になる。細い糸の近似では最速の波数がちょうど 1/√2 で波長は π√2·d = 4.44d。「π√2·d ≈ 4.51d」は 2 つの模型の数を混ぜた書き方

蛇口の水が玉になる長さ(流体・波の棚 第 2 弾)を扱う。半径 a の円柱の水に波数 k のくびれをつけると、表面積が減るのは波長が円周 2πa より長いとき(ka < 1)だけで、これが Plateau の条件(Eggers・Villermaux の総説 §3.1)である。どの波がいちばん速く育つかは Rayleigh (1878〜79) の分散関係 ω² = (σ/ρa³)·x(1−x²)·I₁(x)/I₀(x)(x = ka・Rayleigh の式 (12))で決まり、I₀・I₁ を級数で自前実装して黄金分割で最大化すると x* = 0.6970・λ* = 2πa/x* = 9.014a = 4.507d・ω* = 0.3433√(σ/ρa³)(Rayleigh の p.364 の 0.6970・表の 0.3432 に一致)。1 波長分の円柱がそのまま 1 つの玉になるなら D = (6a²λ*)^{1/3} = 1.891d(よく言われる 1.89d はこの計算の値)になる。

別経路は細いジェットの長波近似 I₁/I₀ ≈ x/2(Eggers・Villermaux の総説の式 (29)〜(31))。ω² ≈ (σ/2ρa³)·x²(1−x²) の最大はちょうど x = 1/√2で、ω* = 1/√8、λ = 2π√2·a = π√2·d = 4.443d、玉は 1.882d になる。★2 つの模型の波長は 1.45% 違う。「λ = π√2·d ≈ 4.51d」と書くと式は長波近似・数値は Bessel の厳密解で、同じ行に別の模型の数が同居する。どちらも正しいが混ぜてはいけない。ベッセル関数の実装は既知の値と I₀' = I₁ の恒等式の 2 経路で確かめた。衛星滴の大きさは計算していない(カードの小さな玉は模式)。

91. 船の後ろの V 字は 2·arcsin(1/3) = 38.94° で速さにも大きさにも依らない。決めているのは水の分散関係。浅い水では F_h → 1 で 90° まで開き、超えるとマッハ角 arcsin(1/F_h) に乗り換える

船もカモも同じ V 字(流体・波の棚 第 1 弾)を扱う。一定の速さ U の船と一緒に動く波は、向き θ ごとに波数 k(θ) = g/(U² cos²θ) が決まる。位相 k(θ)(x cosθ + y sinθ) を θ で停留させると波紋は x = nλ₀ cosθ(1+sin²θ), y = nλ₀ sinθcos²θ(λ₀ = 2πU²/g)で、点の方向 y/x = sinθcosθ/(1+sin²θ) は n にも λ₀ にも依らない。最大は sin²θ = 1/3 で √2/4 → 半角 arcsin(1/3) = 19.4712° になる。そこで波紋は尖り(接ベクトル 0)、横波(θ が小)と縦波(θ が大)が接ぎ合わさる。尖点の縦波の波長は横波のちょうど 2/3 になる。

別経路として波の場 η = ∫ cos(k(θ)(x cosθ + y sinθ)) k dθ を数値で積み、半径 r の円周上の包絡線(複素振幅)を測った。山は焦線の内側(r = 40/80/160/320 で 17.21°・18.02°・18.55°・18.89°)に立ち、外では10分の1以下に消える。山の焦線からの距離は r を倍にすると 2^(−2/3) 倍(実測の比 1.56・1.57・1.58 が エアリの尺度 1.587 に寄る・指数 −0.65。山の高さは r^(−1/3))=コーヒーカップの光と同じ火線の数学。

角が変わるのは分散が変わるときである。有限深さ ω² = gk tanh kh では深さフルード数 F_h = U/√(gh) が 0.5 まで 19.47° と 0.01° も違わず、0.8 で 24.3°・0.9 で 34.6°・0.99 で 67.9° と開いて F_h → 1 で 90° になる。1 を超えると横波が消え(U cosθ < √(gh) の向きしか静止できない)、縁はマッハ角 arcsin(1/F_h)(F_h = 2 で 30.0°)。F_h = 3 では同じ 19.47° が別の理由で出る(深水は分散から、F_h = 3 は分散が消えた長波の速さから)。船の大きさ(幅 L のガウス圧力・重み k·e^(−(kL)²/2)・こちらの仮定。Rabaud・Moisy は k_x² e^(−(kL)²/4π²))を入れると、速い船ほど振幅の山が縁の内側へ寄る(Fr = 1.5 で 17.75°・3 で 9.0°)が、縁そのものは動かない=動くのは「どこが明るいか」。

罠: 数値の場の振幅は実部 1 点で読まない(波の山と谷の間に落ちる)。「半径方向に何点か掃いて最大」も物差しにならず、点数・幅・角の刻みで山が 0.1° 動いて距離の比は 1.5〜1.8 で暴れた(r = 160 を θ の刻み 4001 で読んで 18.60° と出したのも刻み不足の偽の山)。包絡線=複素振幅の大きさなら 1 点で読め、刻みを倍にしても 0.01° 動かない。

90. ムカルナスは踏み面のない階段。1427 年の石工の板から係数 2 − 2√3/5 + 2π/15 が閉じた形で出て、al-Kashi の六十進と 4 桁で合う。外れる 1 行は √3 の読み違えで戻る

踏み面のない階段(建築の棚 第 5 弾)を扱う。ムカルナス(イスラム建築の鍾乳石飾り)を al-Kashi『算術の鍵』(1427)の定義から組み直した。定義は「面と平らな屋根をもつ階段のような天井。面どうしは直角か、その半分か、その和で交わる」(Dold-Samplonius 1992 の英訳 p.202)。平面図の要素は正方形・半正方形・45° 菱形・半菱形・アーモンド・二脚・壺の 7 種で、法(正方形の辺)を 1 とした面積は 1・1/2・√2/2・√2/4・√2−1・1−√2/2・√2/2 になる。al-Kashi の 6 桁がすべて再現する。面の底は 4 種だけで、八角形の辺 √(2−√2) だけが Q(√2) の外(x⁴−4x²+2 の根・次数 4)。

石工の板(幅 1・長さ 2 の長方形に 30° の線・五等分・正三角形の頂点を中心とする弧)を作図どおりに引くと、胞の断面は 鉛直 GH → 半径ちょうど 4/5 の弧 → 30° の斜線 で、GH = 2 − 3√3/5・弧 = 4π/15・曲げ因子 = √3/5 + 2π/15・係数 = 2 − 2√3/5 + 2π/15 = 1.726059 になる。al-Kashi の六十進(AE 1;9,16,55,18・AZ 0;41,34,9,11・弧 0;50,15,55,44・曲線 1;31,50,4,55・因子 0;45,55,2,27)は 4 桁すべてで一致し、外れるのは GH の 1 行(彼 0;57,38,43,14・作図 0;57,38,46,12)だけである。「√3 = 1;43,55,22,58 を 1;43,55,27,58 と読み違えた」という Dold-Samplonius の仮説を入れて計算し直すと、和 2;29,28,48,9 と係数 1;43,33,45,41 が彼の転記に 4 桁で戻り、GH は 3 桁で戻る。★輪郭に角がないのは 30° のため: 弧の中心角が 60° なので接弦角が 30°、弦は頂角 120° の二等辺三角形から水平と 60° をなす。だから弦を 30° 回した先が一方は鉛直・他方は 30° の斜線にちょうど乗る。∠BAE を振ると折れは |∠−30°|/2 で、0 になるのは 30° だけである。

平面図は「輪郭に胞を立て、隣の胞の稜のあいだ(45° か 90°)を中間要素で埋め、先端を次の輪郭にする」の繰り返しで組める。辺 4√2 の八角形から始めると 8 段・高さ 16 で先端が中心の 1 点に集まり、要素の面積の総和が八角形の面積に 1e−9 で一致する(隙間も重なりもない)。どの要素も後ろが一段下・前が一段上で、平面図に水平な面が 1 枚もない=踏み面のない階段になっている。胞は頂点 3 つが下の輪郭・1 つが上の輪郭なので、高さを平面図の 4 次元持ち上げ(ロザンジュの de Bruijn の階段=菱形の 4 頂点は 1-2-1 に分かれる)の一次式では書けない。段を決めるのは高さの関数ではなく「向き」(後ろ→前)である。屋根を「断面 z(x) を面と平行に押し出した面」(先端に集まる母線の束と同じもの)とした模型では、胞の表面は al-Kashi の規則(底 × 係数)の 1.06 倍になる。面は規則どおり厳密で、屋根が「底 × 曲線/2」より 1〜2 割大きい(三角形の幅が水平方向に比例し、弧の急な部分ほど曲線が長い)。屋根の面積は 1 次元の押し出し積分と 2 次元の扇の中点則の 2 経路で 1e−4 まで一致する。

罠: 弧の中心 T は弦 ZH の長方形の内側にとる(外側にとると弧が逆に膨らみ、断面が 2 を超えて屋根の面積が 2.5 倍に出た)/面の上端で断面の接線が鉛直になるので 2 次元の中点則は 1/√N でしか収束しない(600 分割で 2% 小さい値を「扇の模型は規則に近い」と読みかけた)=v = 1 − (1−u)² で特異点を消す/六十進の突き合わせは丸めと切り捨ての両方で見る(最後の桁の ±1 は転記と丸めの幅)/al-Kashi の曲がった中間要素の値(0.567129 など)は出し方が論文でも不明で、この模型はどれとも一致しない=主張しない。

①Dold-Samplonius が試みた「平面の面積 ÷ 主対角線 × 曲線 AZH」の 4 つの試算はどれも 6 桁で再現するが、うち 2 つ(アーモンド・三角形)は割った主対角線が幾何と食い違う(1.0420108 は sec22.5° = 1.082392、0.903689 は cos22.5° = 0.923880)。幾何の値で計算し直すとアーモンド・三角形・小二脚の 3 つが同じ 0.585726 になる(直交する対角線の図形では 面積 ÷ 主対角線 = 横対角線 / 2 で、3 つとも横対角線が √(2−√2))。al-Kashi の 4 値は全部違うので、彼の出し方は「横対角線 × 曲線/2」ではない。②板と要素に現れる 50 個の量の積・商・和・差と 3 項の組 276,675 通りを総当たりしても、4 値に 6 桁で一致する式はゼロ(最も近くて 8e−6)=出し方は当たらない。③出土板の角(90°)を規則で組むと第 1 段は Dold の読みと一致(角に正方形・両脇に半正方形 2・あいだに半菱形 2)するが、第 2 段は 3 つの方針のどれでも出ない(角の壺は出るが「正方形の 2 辺に立つ胞 2+二脚 6」にならない)=板は 90° の隙間を規則にない形で埋めている。④Harb の復元図(fig. 2)を機械で座標化した(8 方向の線分オープニングで点描を消す → 交点の塊 240 → 壁の角を原点に格子の辺を育てる)。得られたのは頂点 115・辺 175 の部分で、辺の長さは 6 種だけだった。★格子への残差(平均 4.1 px・法 92 px)は篩にならない: 乱数の点を同じ規則で丸めても 4.8 px になる。|b| ≤ 3 の格子 a + b/√2 は最小の刻みが 16 px で手描きのずれと同じ桁だからである。面の帳簿で示す: 平面グラフの閉じた面 57 のうち 53 が 7 種の要素かその半分(主対角線で割った形)の面積に 1e−3 で一致(半正方形 17・半菱形 17・アーモンド半分 10・二脚半分 9)。残り 4 は辺の欠けによる合併(正方形+二脚 ×2・正方形−半菱形)と細片=手で辺を補えば消える。出土板は al-Kashi の帳簿で閉じている。

罠(続き): 短い刻み √2−1 は線上のどこにでも乗る → 頂点を交点の塊で受けないと 1 万点に爆発する/1 px 太らせてから開口すると点描が融合して塊になる → 太らせずに開く/「格子に乗る」を残差で言いたくなる → 乱数の基準を必ず横に置く([[feedback_fingerprint_is_not_a_sieve]] の型)。

89. 棒の長さが全部同じ網が覆える「曲がりの総量」は四隅の角だけで決まる。角は 0 と π のあいだにしかいられないので、天井は 2π。球は 1 枚では覆えない

等長の網(建築の棚 第 4 弾)を収蔵した。どの目の辺も同じ長さの網(シェボレフ網)を、球の上に実際に編んだ。作り方はコンパスで 2 円を交えるだけでよい(棒 840 本がすべて弧長 ℓ に 1e−13 で一致)。目ごとの曲がりの総量はジラールの定理(内角の和 − 2π)で近似なしに出る。

その総和は、四隅の網の角だけで書ける: ∫K dA = ω(a,0) + ω(0,b) − ω(a,b) − ω(0,0) が成り立つ(Hazzidakis 1880・Ghys の論文 p.9)。実測すると離散では厳密ではなく、差は棒の長さの 1 乗で消える(比 2.099・2.050・2.026・2.013)。角そのものは ω_uv = −K sin ω(サイン・ゴルドン)を満たし、離散の残差は棒の長さの 2 乗で縮む(比 4.023・4.006・4.001・3.998)。等長というだけの網が、ソリトンの式をそのまま持っている。

0 < ω < π だから、四隅の交代和は 2π を超えられない。潰れていない長方形を総当たりで調べても超えるものは 1 つも無かった(最大 2.5173)。=曲がりの総量が 2π 以上の面は等長の棒 1 枚では覆えない。閉じた凸曲面はどれも 4π なので、必ず切って継ぐことになる。実際にはもっと早く潰れる: 大円 2 本を直角に交わらせて編むと対角へ弧長 1.36 で角が 0 になり、覆えたのは球の 27.3% だった。交差角を変えると 30°→9.3%・60°→18.5%・90°→27.3%・120°→35.5%・150°→41.7% と深く交わらせるほど掛かるが、半分(2π)には届かない。

罠: 網の角は符号つきで測る。acos だけで測ると、角が 0 を切って網が折り返したあとも正の値が返り、潰れを見逃して「球の 60% を覆えた」という嘘の数字が出る(発見88 で符号つきの ω を使ったのと同じ手)。潰れた先は、各 u の線ごとに「最初に 0 を切る場所」で打ち切る(目ごとに独立に判定すると折り返しが通る)。

88. 梁がたがいの上に乗る相持ちの格子は、どんな周期もとれない。閉じる条件はただ 1 本「交点の段差の総和がゼロ」で、全部の端が上に乗るかぎり満たされない

相持ちの屋根(建築の棚 第 3 弾)を収蔵した。梁が順ぐりに相手の上に乗って輪を閉じる骨組み(レシプロカル構造・nexorade)である。まず輪ひとつでは、内端が正 n 角形をなすとき係合長は η = 2r sin(π/n)、外半径は R = √(L² + r² − 2rL sin(π/n)) になる(式と実測が 15 桁一致)。梁に厚み d があると内側は必ず h = dL/η だけ持ち上がる=平らな相持ちの輪は作れない。梁は一葉双曲面の直線族に乗り、そのくびれは真ん中の穴の内接円 r cos(π/n) ちょうどになる。

格子にする(三角格子の辺を中点まわりに θ 回す)と、頂点にできる穴は θ によらず正六角形(外接半径と一辺の差が 1e−16 台)で、材長は θ=30° で最大 2/√3 = 1.154701、θ と 60°−θ が同じ長さを与える。材の長さが格子の目 1 つぶん(+最大 15%)で止まるので、「短い材で大屋根」が効くのは輪ひとつではなくここである。

そこに高さを入れると、未知数(梁ごとに 中点の高さと傾きの 2 つ)と式(交点ごとに「上 − 下 = 段差」1 本)の数がちょうど同じになる。ところが周期を仮定すると解けない。階数の不足は 三角・正方・六角 × 周期 1〜3 のすべてでちょうど 1 になる。その 1 本を与える左零ベクトルは全成分が等しい(幅 1e−15 台)=条件は「全交点の段差の総和 Σd = 0」だけである。相持ちでは端は相手の上にしか乗れない(下から支えるものが無い)ので段差は全部同じ向き、総和は交点の数ぶん正になり、ゼロにならない。段差の振り方を 3 格子 × 4 通りで振ると、12 件すべてで Σd=0 のときだけ解けた。θ を 5°〜55° に振っても、辺の類ごとに違う角で回しても変わらない。

理由は 2 回対称にある。梁 1 本に付く交点は 4 つ(自分の端が乗る 2 点・自分の体で相手の端を受ける 2 点)で、中点から測ったその 4 点の位置の総和は厳密に 0 になる(どの θ でも 1e−16 台)。梁も乗り方も自分の中点まわりの 2 回対称だから ± の対で並ぶ。だから式を全部足すと傾きの項が消え、右辺の段差だけが残る=傾けても逃げられない。有限のパッチなら縁が引き受けて解けるが、交点は面積に比例して増え、縁の材は周にしか増えないので、いちばん寝かせた解でも材の傾きは半径に比例して増える(半径 2・3・4 で 0.4030・0.6417・0.8821・増分 0.2387 と 0.2404)。平らな相持ち屋根には大きさの限りがある。罠: 上下の割り当ては「自分の中点から遠いほうの交点が自分の端」で、逆に取ると梁の端が自分の体の内側に来て破綻する/掃き出しに残る食い違いの値は行の正規化に依存するので、条件を言うなら左零ベクトルを出す/六角格子の辺を書き間違えると辺長が 1 でなくなり左零ベクトルに ±1 が混じる(発見83・発見84 と同じ建築の棚)。

87. 縄文の押型から節を読むのに足りないのは、解像度ではなくコントラスト。無節と単節を分ける量は S/N に効きすぎる

縄文の縄目の実物写真(ColBase の公開画像・J-37467 深鉢形土器)で、問いを 2 つ確かめた。まず測り直しは再現した(右上がり λ⊥ = 2.508mm・α = +59.9° / 左上がり λ⊥ = 3.126mm・α = −53.1°・比 1.2465)。

λ⊥ の比が 1 からずれる原因として「器の軸の傾き」を疑って潰した。シルエットの中央線を当てると軸は画像の中で −1.62° 傾いている。画像を −3° から +3° まで回して測り直しても、比は 1.236 から 1.267 のあいだで動かない。軸の傾きは犯人ではない。いっぽう帯ごとに見ると、同じ右上がりの族の中でも高さで λ⊥ が 8% 動く(上から 2.485 → 2.581 → 2.677mm・左上がりは 3.112 と 3.119 で平ら)。他の器で見えた「比が 0.95〜0.97 とわずかに 1 未満」は、2 つの族が別の高さにいることで説明できる大きさである(この器の 1.25 は説明できない)。

節(無節/単節/複節)は読めなかった。読めない理由が分かったのが収穫である。判定量は「条に沿った向きへずらしたときの自己相関の谷」を使う。無節は螺旋対称なので条に沿ってどれだけずらしても相関が落ちず、節があると δ ごとにしか戻らないので谷ができる。模型(発見80)に当てると 無節 0.968・単節 −0.290・複節 0.013 と綺麗に分かれる。実物の写真は 0.001 で「節あり」の側に見える。ところが模型に雑音を足して、主峰の卓越度を実物と同じ 17 まで落とすと、無節でも谷が −0.01 になる(雑音 3.0 で主峰 27・谷 −0.0095)。つまりこの写真では無節と単節が同じ値を返す。足りないのは分解(8.26 px/mm)ではなくコントラストで、分けるには主峰の卓越度が 100 以上(実物の 6 倍)要る。

罠: 「2 次元フーリエの 2 番目の峰があるか」では判定できない。無節の押型も 2 次元の構造を持つので峰は立ち、その卓越度は窓の大きさで 1.8 から 63 まで動く。発見80 の罠②(残差の大きさで判定すると無節も節ありになる → 螺旋対称が破れているかで判定する)と同じ形が、写真の側にも出る。

86. 論文の本文が言う「六角形:蝶ネクタイ → φ」は、この族のどの分割規則からも出ない。頻度も篩にならない

帯では絞れないの追記(第 3 の篩)。発見77 では「載っている 2 規則からは φ が出ない」までしか言えなかった。発見78 の道具は六角形の候補だけを論文の十角形・蝶ネクタイ規則と組ませて漸近比を出していたので、そこで見えていたのは 2 通りだけだった。今回は発見78 で数え上げた候補(十角形 342・六角形 589・蝶ネクタイ 48 通り=組み合わせ 9,669,024 通り)を三つとも振って頻度で見た。列は「大タイルを σ = 2φ³ 倍して分割したときの中身の枚数」で、辺の中点をまたぐタイルは隣と半分ずつ分けるので辺 1 本あたり 十角形 1/2・六角形 1 として数える。

列は 4 種・2 種・2 種しかなく、900 万通りが頻度の上では 16 通りに潰れる。16 組すべてで最大固有値は面積の拡大率 σ² = 4φ⁶ = 71.777088 になる(面積は保存されている)。そして六角形:蝶ネクタイ の漸近比は 0.843918 〜 1.322348 にしか散らばらず、φ = 1.618034 を出す組は 0 だった。比がちょうど 1 になるのは論文の 3 規則の組だけだった。

=本文の φ は「この族の規則の選び方」では説明できない。別の作り方の話か、規則ではなく実際の模様の数え方の話である。篩としても空振りで、発見81(帯)に続いて 2 本目の失敗になった。候補を 1 つに絞れているのは今のところ頂点図鑑だけである(六角形 589 → 1)。全探索の要約は generators/data/darb/census.json に収蔵し、論文の 3 規則の列は検査のたびに生の規則データから数え直して突き合わせる。

85. 完全コヒーレンスの「1 に届かない側の値」は点集合の性質ではなく、どこまで遠くを走査したかの目盛り。近づき方は連分数が決める

かけ算第28号|1 に届かない、いくらでも近づく。発見28 で作った物差し max S(q)/N は「1.000000 なら格子に乗る」までは不変量だが、届かない側の値(ペンローズ 0.48・ダルベ 0.83)には意味づけをしていなかった。切り出し射影で作った点集合なら、これが厳密に書ける。加群の点 q には相棒 q⊥ がいて、どの格子点でも q·x + q⊥·x⊥ ∈ 2πZ が成り立つ。つまり点ごとに e^{iq·x} = e^{−i q⊥·x⊥} になる(近似ではなく恒等式・加群 40 点で 2.5e−16)。コヒーレンスは「窓の中に散らばった x⊥ を q⊥ で見た平均位相」で、加群は垂直空間で稠密だから |q⊥| はいくらでも小さくできる。ただし小さくするほど |q| は遠のく。

フィボナッチ鎖では階段がフィボナッチ数のところでだけ上がる(19 段・例外 0)。振幅は窓 [0,1) の sinc で書け、20,000 点の直接和と 1.6e−5 で一致する。近づき方は連分数の最良近似 |hφ−k| ≈ 1/(√5h) と q ≈ 2πh から (1−C)·Q² → 4π⁴/75 = 5.195152 になる(実測 5.195151)。アンマン–ビーンカーでは銀比が同じ役をする: 段の Q の比は 2cos(22.5°) = 1.847759 と 1/(2sin(22.5°)) = 1.306563 の 2 値だけで、かけると 1+√2 になる。階段に乗る点では |q|·|q⊥| が π²·{1, √2, 2} の 3 値しか取らない(1 次元の |hφ−k|·h → 1/√5 に当たる最良近似の質)。1 − C ≈ σ²|q⊥|² で、σ² は窓の 2 次モーメントである(実測 0.3818)。

測り直すと、ペンローズは Q≤30 の 0.486 が Q≤120 で 0.953、ダルベは 0.832 が 0.970 になる。三角格子は最初の逆格子点で 1.0000 に達し動かない。「1 に到達するか、しないか」だけが点集合の性質だった。発見79 で「主張は 1 に届かないまでにとどめた」と書いたのは結果として正しい。ただしこの 2 つは最強のピークから当てた基底なので、頭打ちの値そのものは道具の限界を含む(読むのは「上がる」ことだけ)。

84. 板の主応力線の特異点は、正方形では中央にただ 1 つ。縦横比を 1 から外すと 2 つに割れ、離れ方は √(縦横比−1)に比例する

主応力線のリブ(建築の棚 第 2 弾)を収蔵した。四辺単純支持の長方形板に等分布荷重をかけ、Navier の二重正弦級数から曲げモーメントの行列(Mx, My, Mxy)を組み、その固有方向をつないでリブの割り付けを描いた(P. L. Nervi の 1951 年のガッティ羊毛工場の天井・Iori と Poretti 2019)。道具の答え合わせは既知の 2 つで、最大たわみ 0.004062 qa⁴/D(既知 0.00406)・中央モーメント 0.047887 qa²(既知 0.0479)にそれぞれ 0.06%・0.03% で合う。

等方点(Mx = My かつ Mxy = 0)ではどの向きも主方向になり、そこだけリブの向きが決まらない。正方形の板では対称性どおり中央にただ 1 つで、2 次元のニュートン法で板じゅうを探しても他に無い。ところが縦横比を 1.005 にしただけで 1 点が 2 点に割れる。割れた 2 点は長辺の中心線に乗ったまま両側へ離れ、縦横比 1.1 で 0.254 と 0.846、1.4 で 0.071 と 0.929、2 で 0.010 と 0.990 になる(長辺を 1 とした位置)。

中心からのずれを √(縦横比−1)で割ると 0.9286・0.9290・0.9297・0.9317・0.9348 とほぼ一定で、ピッチフォーク分岐を示す。正方形は 2 つの等方点がちょうど重なった特別な形だった。ただし比例定数の 3 桁目は主張しない: 級数を m,n ≤ M で打ち切ると縁から a/M より細かい構造は表せず、定数は 0.928〜0.941 まで動く。分岐の局所展開から定数を出す道は、2 階微分の級数の収束が遅くて使えなかった(発見28 の作法=解像度を振ると答えが動く型)。縦横比 2.5 以上では等方点が分解の限界より縁に近づき、消えたのではなく読めなくなる。

83. 測地線ドームで切る棒の種類は、対称から数えた種類より少なくなることがある。減るのは刻みが 3 の倍数のときだけ

測地線ドーム(建築の棚 第 1 弾)を収蔵した。正二十面体の面を ν 等分して球へ押し出す(Class I)。頂点 10ν²+2・辺 30ν²・面 20ν² が実測と一致し、5 本しか集まらない頂点はどの刻みでもちょうど 12 個(発見13 の角の欠損の総量 720° をドームの側から確かめ直したもの。双対は五角形 12 枚+六角形 10ν²−10 枚で、他の形は出ない)。

新しいのは棒の側である。球に押し出すと辺の長さは揃わず、ν=6 では 1,080 本が 9 種に分かれ、最長/最短は 1.3325 になる(ν とともに単調に増える)。この「種類」を長さで数えたものと、正二十面体の対称 120 個の軌道で数えたものを突き合わせた。軌道が同じなら長さも同じなので、長さの種類は軌道の数以下になる。両者が食い違えば「形は違うのに長さがぴたりと同じ棒」があることになる。

ν=1 から 15 まで数えると、食い違うのは ν が 3 の倍数のときだけだった(ν=3 は 4 軌道が 3 種・ν=6 は 12 が 9・ν=9 は 25 が 18・ν=12 は 42 が 30・ν=15 は 64 が 45)。丸めの産物ではなく、ν=3 では 60 本の軌道と 30 本の軌道の長さが小数 15 桁まで同じ数(0.403548212335198)になる。なぜ 3 の倍数なのかは追っていない(ν が 3 の倍数のとき面の中心が格子点になる、という事実はあるが、それが理由だと確かめてはいない)。作る側から見ると、対称の勘定より少ない種類の棒で済むという得だけが残る。

82. 帽子は 1 枚 13 辺なので、しきい値を 13 にするだけで砂山がそのまま乗る。非周期でも群と帳簿は壊れず、1 タイルあたりの位数の対数は 1 つの数に落ち着く

かけ算第27号|非周期の上の砂山。アーベル砂山(発見52)を Hat タイルのグラフ(タイルが点・辺の共有が線)に乗せた。正方格子のしきい値 4 が 13 になるだけで規則は書き換えない。走行距離の帳簿 z = z₀ + Δu は非周期でも厳密に成り立つ(崩れは「13 粒出て隣から 1 粒ずつ入る」だけだから)。単位元 e =(2c − (2c)°)° は e ⊕ e = e・e ⊕ r = r を満たす。

群の位数は縮約ラプラシアンの行列式=全域木の数で、分数なし消去で厳密に出すと 25 枚で 27 桁・169 枚で 181 桁になる。二経路の照合: その桁数の回数だけ再帰的配置を足すと単位元に戻る(繰り返し二乗・600 回ほどの足し算)=行列式の側と砂山の側が独立に合う。

1 タイルあたりの位数の対数(木のエントロピー)は 2.434574 である。縁の効きは √n に比例するので 1/√n で外挿し、パッチの取り方を 4 通りに振っても幅は 0.0009 に収まる。道具の答え合わせは正方格子で、極限が既知の 4G/π = 1.166244(G はカタラン定数)に 0.22% で合う。しきい値 13 に対する log 13 = 2.5649 より少し小さいが、しきい値も次数の散らばりも違うグラフどうしなので意味づけはしていない。

81. 分割規則の候補は帯では絞れない。判定は候補ぜんぶを通し、粗い量は枚数の言い換えで、細かい量は候補を全部区別する指紋になる

帯では絞れない。発見78 で数えた候補(十角形 342 通り・蝶ネクタイ 48 通り)に、発見54 の帯(辺の中点から辺に 54° で内側へ 2 本)を全部引いて測った。① 連続は候補ぜんぶで成り立つ(落ちる解 0/342・0/48)。辺の中点で帯は両側とも 54° なので、どちらの側に何が来ても片方ずつが一直線になる。3 種のタイルを辺で貼る全組合せ 372 通りすべてで確かめた=並べ方でなくタイルの形だけで決まる。

② 粗い量は枚数の言い換えにすぎない。直線区間の本数・小区間の数・節点の数・共有辺の中点の数はどれも、内側のタイルの枚数の類と両向きに単射になる(十角形 4 類・蝶ネクタイ 2 類)。③ 細かい署名は指紋になる。帯の経路(輪と鎖)の長さの多重集合は候補を全部区別する(342/342・48/48)ので、「論文の規則はその類でただ 1 つ」は真だが何も選んでいない。

枚数と食い違う量は最長の直線区間だけで、論文の 2 規則はどちらもその最小にいる(十角形も蝶ネクタイも同じ値 1.7634)。ただし同値が 12 通り・17 通りあり、枚数と帯の輪を重ねても 6 通り・7 通りまでしか絞れない。頂点図鑑(589 → 1)には及ばない。罠: φ² を環の対で書くと 1+φ(ζ 基底の 2+ζ²−ζ³ と混ざる)/縁の辺の中点は次数 2 でも折れ点ではない(折り返すと「帯は全部輪」という嘘が出る)。

79. 自作の 3 規則で敷いたギリの模様は、回折の上でペンローズの家系。ブラッグ点は同じ 10 回の加群に載る

かけ算第26号|ダルベの置換 × 回折の動物園。発見78 で 3 規則がそろい、置換を何回でも繰り返せるようになったので、その模様のタイル重心を回折の動物園の 3 本の物差しで測った。10 回(相関 0.96)・鏡あり(1.00)・完全コヒーレンス 0.83=格子に乗らない。種を蝶ネクタイ(D2 だけ)にして σ³ まで育てても 10 回が立つ(0.93)ので、対称性を運ぶのは種ではなく規則である。発見35 の 3 家系ではペンローズの列に入る。

ブラッグ点の位置は、36° ずつ回した 4 本の基底(ζ₁₀ の冪)の整数結合(|n| ≤ 2)に誤差 0.03 で乗る割合で比べた。ダルベは上位 60 点の 7 割・ペンローズも 7 割、8 回や 12 回の加群では 1 割、向きを乱した対照は 1 割未満だった。アンマン–ビーンカーは逆に 8 回の加群に 10 割乗る。菱形 2 種の置換と、ギリ 3 種の辺をまたぐ置換は、回折の上では同じ加群に載っている。

罠: 「ピーク同士の位置が一致する割合」で比べると、同じダルベの窓違いでも 6 割しか一致しない。窓が変わると上位ピークの顔ぶれが変わる。加群への指数づけで比べないと、窓の違いを家系の違いと見間違える。コヒーレンスはペンローズ(0.48)より高い 0.83 で、窓を倍にしても動かないが、主張は「1 に届かない」までにとどめた。

78. 論文に無い六角形の規則は、論文の流儀のまま探すと 589 通りあり、論文の頂点図鑑だけで埋まるのはただ 1 つ。3 規則がそろって置換が回り、比はやはり 1

六角形の分割規則。発見77 で測った形(σ = 2φ³・辺は φ²|2φ|φ²・辺の中点に十角形が半分・両側に六角形が半分)をそのまま六角形に当て、またぐタイルの内側半分を切った「欠けた領域」を Z[ζ₁₀] の厳密探索で埋めた。論文の 2 規則がどちらも大タイルの全対称(D10・D2)を持つので六角形にも D2 を課すと、解は 589 通りになる(全探索・9,350 歩)。全部 T 字なしで、枚数は 6/34/26 が 576・10/22/22 が 13 通りある。

選ぶ基準は頂点図鑑にした。論文の 2 規則に出る「完全な頂点のまわりの角の並び」は 8 種ある。72° の頂点の内側では両隣の六角形が 288° を占め、残り 72° には六角形の先しか入らない(589 解すべて)ので星 H144·H144·H72 だけは避けられない。それを除いて 8 種だけで埋まる解はただ 1 つだった(10/22/22・中に十角形 7 枚が 2・3・2)。同じ基準を蝶ネクタイに当てると 48 解が 6 解に減って論文の規則を含む=基準は論文を落とさないが、1 つに絞る力は六角形の制約の強さから来ている。十角形は D10 で 342 通りあり論文の規則(36/80/80)は少数派の 38 通りに入る。多数派の 16/140/100 なら六角形が蝶ネクタイの 1.4 倍=「繰り返したときの比」は規則の選び方で動く。

3 規則の置換行列の固有値は σ² = 4φ⁶ ≈ 71.777 と共役 4/φ⁶ ≈ 0.223 と 0 で、ピゾ数になる。十角形・六角形・蝶ネクタイから 2 回繰り返して 15,781・4,907・3,419 枚、枚数は M² の予言と厳密に一致し重なりも隙間もない(座標は最後まで環の整数)。六角形 : 蝶ネクタイ は 3 規則とも 1 : 1 なので漸近比は 1 になる。発見77 の「本文の黄金比は載っている規則から出ない」は、六角形を足しても変わらない。

罠が 2 つある。①鏡映の像は頂点の順が逆になるので、境界との突き合わせの前に反時計回りに戻す(戻さないと「解 0」)。②探索器は同じ分割を重複して数えやすい(144° の楔に 72° のタイルを 2 枚入れる順序)。署名で潰すと 589 と 48 になる。「出る辺に接するタイルは頂点を楔の先に置き辺を揃えている」ので、揃えない置き方は要らない。数え上げの結果は署名で一意性を確かめてから書く。

77. Darb-i Imam の分割は辺の中点でまたぐ。拡大率は 2φ³ で、面積の帳簿は Z[φ] の中で閉じる。それなのに本文の黄金比は、載っている 2 つの規則から出てこない

ダルベ・イマームの分割規則。発見66 で「またがない分割は無理数倍に存在しない」と決めたので、次はまたぐ型そのものだった。Lu・Steinhardt(Science 2007)の Fig.3 D/E は本文に数値をひとつも書いていないので、図そのものから測った。図はベクタなので、描画パスの塗りの色でタイルを分け、単位辺をたどって Z[ζ₁₀] の厳密座標を伝播させた(Z[ζ₁₀] は平面に稠密なので最寄りの格子点に丸めることはできない)。別の道で同じ頂点に着いたときの食い違いは 0(480 頂点と 90 頂点)=座標を得る手続きが、配置が本当にギリの格子に載っていることの確かめを兼ねている。

拡大率 σ = 2φ³(実測 8.4710・8.4712 / 2φ³ = 8.47214)。またぎ方は予想と違い、頂点に十角形は来ない。どの辺も φ² | 2φ | φ² の 3 つに割れ、真ん中に十角形が長い対角線(2φ)を重ねて半分だけ、両側に六角形が長軸(φ²)を重ねて半分だけ乗る。φ² + 2φ + φ² = 2φ³ が拡大率をそのまま決めている(発見66 の続きで出した下限 σ ≥ 2φ³ の等号ちょうどだが、理由は違う)。枚数は大十角形 → 36/80/80・大蝶ネクタイ → 6/14/14で、蝶ネクタイの面積を 1 とすると六角形 = φ・十角形 = 3φ+1、帳簿は Z[φ] の中で厳密に一致する(520+840φ・88+144φ)。単位辺が 3 枚以上に使われる箇所は 0=重なりもない。

合わないところ: 本文は「繰り返すと六角形:蝶ネクタイが φ に近づく」と書くが、測った 2 つの規則はどちらも 1 : 1 だった(80:80・14:14)。六角形の分割規則は本文にも SOM(19 ページ)にもない。しかも置換行列の最大固有値は面積の拡大率 σ² でなければならないので、仮に足しても h − b = σ²(1−1/φ) = 4φ⁴ = 8+12φ ≈ 27.42 が要り、無理数なので枚数では作れない。第 2 経路=実際の模様(Fig.3B・231 枚)を数えても 89.2 : 87.3 = 1.021 になる。分かるのは「合わない」ということまでで、どこから φ が出るのかは開いたままにした(論文自身、この敷き詰めが厳密には自己相似でないと断っている)。

罠: 大蝶ネクタイのパネルは中央の十角形が同じ位置に 3 重に描かれている。潰さないと面積が 16% 過大になり「タイルがはみ出す」という偽の結論が出る。輪郭の復元でも、中にある十角形の対角線が同じ形で候補に挙がる(25 本)ので「少し外へ出るとタイルが 1 枚もない」で本物だけ残す。大蝶ネクタイは凹んでいるので「中心から遠い順」では頂点を拾えない。

76. 天井の 6 つの型は 6 つの壁紙群に落ち、3 回対称はない。渦は手を持つので鏡映を持てず、渦の模様は p4 と p2 にしかなれない

テーベの墓の天井。メトロポリタン美術館の模写 8 点(第 18 王朝・TT181/TT93/TT71・パブリックドメイン)に見える型を規則で作り直し、印の集合の対称操作を総当たりして判定表に落とした。渦の格子 p4・菱形の格子 p4m・ジグザグとロゼット pmg・ロゼットの敷き詰め p6m・掌状葉の渦 pm・輪と渦 p2で見立てと 6/6 一致、和柄 4 文様(p4m・p4m・p6m・cm)で判定表を答え合わせした。渦は鏡に映すと手が変わるので鏡映を対称に持てず、同じ手の渦の印だけなら鏡映は 0 になる。手を市松に入れ替えると隣が鏡像になって p4g になる。Spectre の片手性と同じ理屈が、天井の模様の群を制限している。

道具の罠: 和柄の検査機の isSymmetry は内側の点の半径を窓の 0.55 倍に取るが、この半径はいちばん遠い隅までの距離なので、横長の窓(青海波 19×9)では上下の端まで内側に入り、送りつきの映進の像が窓の外に出て「対称でない」と誤答する(青海波が pm・手のラベル cm が正しい)。和柄の道具そのものを直した。移した先が標本の外枠を出た点は判定から外す(窓の外は「違う」ではなく「見えない」)。

111. 江戸小紋の角通しと行儀は同じ正方格子を 0° と 45° に置いたもので、群も鏡の向きの集合も同じ p4m。着物の縦軸に鏡を持てる向きは 0°・45°・90° だけで、送り 2a 以下で継ぎ目が消えるのも 0°(a)と 45°(√2a)だけ。30° の格子は送りを伸ばしてもずれが送りに反比例してしか減らない。鮫は 1 周期に点 36 個で格子ではないが cm に入り、いちばん近い点の向きは 12 の箱のうち 10 に散る

江戸小紋三役と格子の向き。角通しを間隔 a の正方格子、行儀をそれを 45° 回した格子、鮫を青海波の扇の並びに弧長 s ごとの点を置いた模型にして、3 つの点密度をそろえた。点集合に回転と 1° 刻みの鏡を総当たりすると、角通しと行儀はどちらも 4 回回転・鏡 0°・45°・90°・135° の p4mで、違うのはいちばん近い点が乗る鏡(0°・90° か 45°・135°)と回折の 1 次の山の向きだけである。見立て「群が違う」は外れた。格子を 191 の向きに回すと、縦の鏡を持つのは 0°・45°・90° だけで、式 θ + k·45° と一致した。tan θ = q/p の格子の最短の型送り a√(p² + q²) は整数ベクトルの総当たりと 7 つの向きで一致し、送り 2a 以下は 0° と 45° だけになる(次は 26.57° の √5a で縦の鏡がない)。★30° の格子は送り 1000a まで継ぎ目が閉じず、ずれの最小を更新する (i, |j|) は √3 の近似分数 2/1・5/3・7/4 から 362/209 まで、i² − 3j² は 1 か −2 で、ずれ × 送りは 1/(2√3) か 1/√3 に寄る。★鮫は回転なし・鏡は縦 1 本・最短の並進 (0, 1) と (±1, 1/2)・1 周期に点 36 個で、並進対称を持つので cm になる。いちばん近い点の向きは 15° の箱 12 個のうち 10 個に散り(格子は 2 個)、点の目の回折は 12 の向きすべてに山がある(強さ 0.16〜0.57)。扇の目の強さは最大 0.053 で点の目の 1 割未満、有限の 7094 点の構造因子と 1 周期の和が 0.0241 と 0.0240 で一致する。弧の本数を 4〜8 に振ると扇の目は 0.065 から 0.050 へ弱まる。1 周期の点の数が K² にちょうどなるのは K ≤ 8 までで、K = 10 では 104 になる(偶然)。遠目の距離 D* = d/(2 tan 1′) は点密度が同じなら角通しと行儀で同じ=和柄の対称群と同じく、群は向きを見ない。実物では、東京国立博物館の裃で鮫の点の周期が 1.31〜1.39mm(2.3m 前後で無地になる)、小宮康助の技術記録(1952)では行儀の点の間隔が通しの 1.46 倍で、密度は約半分だった。模型の「同じ点密度」は、この見本には当てはまらない。

112. 麻の葉の線を折り目にすると、格子点(次数 12)は前川・川崎とも満たすが、重心(次数 3)で畳めない。重心に 1 本だけ足すなら角は 60° に決まって隣の重心まで続き、最少の足し方は菱形の敷き詰めと 1 対 1 に対応する(周期 2・3・4 で 9・42・417)。1 つの規則の山谷がどの敷き詰めでも通り、畳んだ形は敷き詰めによらず 30°・30°・120° の三角形

麻の葉の平坦折り。麻の葉(三角格子+重心から 3 頂点への線)をそのまま折り目にし、1 頂点の山谷が平らに畳めるかを「層の順番の総当たり」と「クリンプ」の 2 経路で判定した(割り当ての集合が一致)。格子点は前川を満たす 1584 / 4096 がすべて畳めるが、重心は線が 3 本で、どう選んでも畳めない。線を抜くなら重心の 3 本は全部抜くしかなく、麻の葉は三角格子に戻る。重心に 1 本だけ足すと、川崎の定理で角は x = 60° だけ、辺の中点でも 90° だけに決まり、線は隣の三角形の重心まで続く=三角形 2 つを対にする。★最少の足し方は菱形の敷き詰めと 1 対 1(周期 2 で 9・周期 3 で 42 を 3 経路、周期 4 で 417)。三角形ごとに 1 本か 3 本の足し方は 2^(L²+1) 通りある(32・1024、総当たりと GF(2) の階数)。見立て「中線を全部延ばすのが最少」は外れた。重心+垂線 1 本の頂点は 8 通りのうち 6 通りが畳め、3:1 の「1」を遠い頂点への線に置くと畳めない。周期 1 の山谷は麻の葉 0・三角格子 6・平行な垂線 192・中線を全部延ばすと 5700 になる。★上向きの葉は谷・下向きは山・垂線は逆・辺は向きごとに 2:1 という 1 つの規則が、周期 2〜4 の敷き詰め 468 通りすべてで全頂点を通る(3 本の三角形が混ざると通らない)。面の鏡映を合成すると、三角格子は正三角形、中線を全部延ばすと 30°・60°・90°、★菱形の敷き詰めは 42 通りとも同じ 30°・30°・120° の三角形に層 162 で畳まれる。紙全体の層の順番と実物の折りは確かめていない。

110. 淡路結びの端を閉じると 8 交差の交代結び目 8₁₈。V(t) = V(1/t) なので左巻きと右巻きの淡路は同じ結び目。リードが奇数のターク・ヘッド(3・5)は全部鏡像と同じで、偶数(2・4)は左右がある。5 本並行の水引はどの 2 本も絡み数 0

水引の結び。淡路結びの道筋を 3 リード 4 バイトのターク・ヘッド r = R + a cos(4t/3) の影で作り、道筋に沿って上下を交互にすると自己交差 8 の交代図式になる。端を閉じた V(t) は t⁴ − 4t³ + 6t² − 7t + 9 − 7t⁻¹ + 6t⁻² − 4t⁻³ + t⁻⁴ で、平面図と組紐 (σ₁σ₂⁻¹)⁴ の閉包の 2 経路が一致し、辻野の卒業論文(関西大学)と Knot Atlas の 8₁₈ とも一致した。幅 8 = 交差数、|V(−1)| = 45 はテイトグラフの全域木の数(上下を使わない経路)と一致する。V は t ↔ 1/t で対称=鏡像と同じ結び目で、見立て「淡路には左右がある」は外れた。★ターク・ヘッド (L, B) を 11 本並べると、リードが奇数なら全部 V(t) = V(1/t)、偶数なら全部違う(鏡像を Δ で裏返して語を逆に読むと元に戻るのは L が奇数のときだけ)。三つ葉 (2, 3) は左右がある。(3, 2) は 8 の字結び目になる。梅結び((3, 5) と見た)は交差 10・|V(−1)| = 121 になる。★見立て「(3, 4) と (4, 3) は同じ結び目」(トーラス結び目 T(3,4) = T(4,3) からの類推)は外れで、交差 8 と 9・行列式 45 と 75 の別の結び目=交代の織りにはトーラスの対称がない。2 橋結び目の表(Conway 記法から有理タングルを組んで 14 本を自前で計算・全部で行列式 = 連分数の分子)のどれとも一致しない。5 本並行にした淡路は成分 5 の絡み目で、どの 2 本も絡み数 0(三つ葉なら 3)で、絡み数はもとの図式のライズに等しい。結び目の不変量の道具をそのまま使い、ケルトの糸と同じ平面図の経路で確かめた。

109. 丸台で玉を移す 2 手の規則 16 通りの置換は 16 通りすべて別だが、巡回型は (4,4)・(3,3,1,1)・(2,2,1,1,1,1) の 3 種しかなく位数は 4・3・2 になる。金剛組は (0 5 4 1)(2 7 6 3) で、色の周期は位数の約数になる(縦縞 1・渦 4)。1 周期の閉包は 16 規則とも自明な絡み目で、位数だけ重ねた閉包で金剛組は 28 対すべてが ±1 で絡み、鏡映の規則は V(t) ↔ V(1/t)=右巻きと左巻きは別の絡み目になる

丸台の組紐と置換の位数。丸台の 1 手を「上の左か右の玉を下の左か右の外側へ・下の左か右の玉を上の左か右の外側へ・寄せ直して 90° 回す」の 2⁴ = 16 通りの規則にし、北南と東西の 2 手を 1 周期として玉の位置の置換 σ を出した。σ は 16 通り全部別で、巡回型は 3 種、芯(動かない玉)は 0・2・4 個になる。金剛組(上の左を下の左外へ・下の右を上の右外へ)は 4 巡回 2 つで位数 4、組ごとに同色なら周期 1 の縦縞、組の中で 2 色なら周期 4 の渦、2 色の置き方 256 通りは周期ずらしで 70 種になる(バーンサイド (2⁸+2²+2⁴+2²)/4)。玉の動きを傾けた軸へ射影して組紐語にすると、傾きで語の長さは 22・16・14 と変わるが置換・指数和・絡み数・ジョーンズ多項式は変わらない。★1 周期の閉包のジョーンズ多項式は 16 規則とも成分数の自明な絡み目と同じ=1 周期だけでは何も絡まない。位数だけ重ねた純組紐の閉包(8 成分)では、金剛組の 28 対すべてが絡み数 ±1(同じ組の 12 対は全部 −1・別の組の 16 対は +8/−8)、芯の糸はどの糸とも絡まず、同じ巡回型 (4,4) の LRLR は 20 対で別の絡み目になる。鏡映の規則は 8 対すべてで V(t) ↔ V(1/t)、金剛組は V(t) ≠ V(1/t) になる。16 規則の閉包は 10 種で、鏡映で 5 対になる。交差が 64 まで増えるので Kauffman ブラケットは Temperley-Lieb 代数で計算し、22 交差以下で状態和と突き合わせた。16 玉の金剛組は 8 巡回 2 つ(位数 8)で 120 対すべてが絡み、8 玉を 2 組にすると 8 巡回 1 つで閉包は自明な結び目になる(回転の組紐)。見立て「16 規則の σ は鏡映で対になって 8 種以下」は外れた(対になるのは閉包の絡み目のほう)。平織りの組紐の「糸の本数 = gcd」と同じく、手順の整数論が紐の見た目を決める。

160. トンボの羽の脈の区画(Hoffmann ほか 2018 の分割データ 525 枚・244 種・区画 193,485)は、区画の重心を中心にしたボロノイと IoU の中央値 0.798(トンボ 0.819・イトトンボ 0.762)で重なり、重心をボロノイの重心へ 1 手動かしても平均間隔の 7% しか動かない(乱数の点は 24%)。抑制の場(中心ごとのガウス関数の和)の谷線は、幅が隣の中心までの距離の 4 割以下ならボロノイと同じ画素が 92% 以上だが、5 割では中心の 95% が極大でなくなり IoU は 0.23 に落ちる。中心を乱数から置いて実物の大きさの分布だけを借りた模型 M1 は、円形度の中央値 0.842(実物 0.796)・面積 CV 0.49(実物 0.61)で、隣が 4 の矩形は実物が M1 の 0.99 倍

トンボの羽の網目。画素ごとの区画の番号から区画の面積・重心・分岐点の多角形を取り、最も近い中心で区切る経路 A と、抑制の場の分水嶺で区切る経路 B を実物と突き合わせた。二次脈の区画の 8 割は中心からの距離だけで切れる形で、中心はすでに等間隔に近い。外れるのは羽の縁に接する区画(IoU 0.790・内側 0.806)と、付け根の一次脈で囲まれた大きな区画である。円形度は境界の読み方で 0.388 から 0.784 まで動くので、分岐点だけを頂点にした多角形(頂点の平均 5.67)で 0.796 と取った。イトトンボの円形度の中央値 0.719 はトンボの 0.815 より低い。まっすぐ続く脈の区間をつないだ長い脈は羽の長さの 61% で切れ、一次脈の領域は閉じなかった。補足資料と左の羽は開けなかったので、原典の模型の領域と成長は入れていない。ボロノイ図・距離を変えたボロノイ・双曲ボロノイの親戚。

159. コイルドコイルの中で α らせんは 7 残基でちょうど 2 周するが、実験室系では 1 残基 99.29° しか回らず 7 残基で 2 周に 25.0° 足りない。この食い違いが超らせんの回り ω0 で、金星の内合 5 回が 8 年に 2.44 日足りず五芒星が 2.41° 回るのとまったく同じ式になる。PDB の 10 本の束に Crick の式を当てはめると、ω0 は −3.62 から +2.78°/残基まで 6.40° 開くのに、実験室系のねじれ ω0 + ω1 は 98.91〜101.27°/残基の 2.36° に収まり、右巻きの束でも、ひねりを 0 に設計した束でも、機械学習が作った束でも同じ帯に入る

コイルドコイルのピッチは金星の五芒星と同じ算術。RCSB の生物学的組み立て 10 件の Cα に、Crick の式を束ごとに当てはめる経路(Nelder-Mead・論文と同じ方法)と、7 残基の移動平均で軸を作って円の最小二乗で測る経路の 2 通りで出した。2ZTA は R0 4.99 Å・ω0 −3.62°/残基・α −12.07°・Cα RMSD 0.283 Å で、論文の中央値(4.85・−3.5・−11.9)に近い。束をどれだけ巻くかは設計で変えられるが、らせん自身のねじれは変わらない=ひねりを 0 に設計した 4TQL は ω0 −0.03°/残基でも和は 99.92、右巻きの 1USE は ω0 +2.78 でも和は 98.91 になる。ω1 は配列の繰り返しが縛り、ヘプタドの 8 件のうち 7 件が 102.86°/残基と 0.46 以内、15 残基で 4 周の 1USE は 96.00 と 0.13 で合う。食い違いの式は作品 183 で測った金星のずれを 3.3×10⁻⁴° まで再現した。ただし素のねじれを 1% 振るとピッチは 35% 動くので、教科書の「3.6 残基で 1 周」ではピッチを当てられない。R0 が論文の直線 R0 = 1.24n + 2.4 と 0.5 Å 以内で合うのは 10 件中 5 件で、6 本・8 本のバレルは直線より内側に外れる。金星の五芒星・アナレンマの親戚。

158. 孔雀の羽枝の 2 次元格子(メラニンの棒 r/a = 0.4・空気孔 r/a = 0.25・ケラチン 1.54・メラニン 2.0)を平面波展開すると、面に垂直な Γ-X 方向の第 1 ギャップは E 偏光で a/λ = 0.268〜0.316(中央 0.292)、H 偏光で 0.277〜0.337。中央の波長 a/0.292 は青 479・緑 513・黄 565 nm、茶の長方格子(150 × 185)は 617 nm で、原典の測定ピーク 472・528・570・610 nm と 15 nm 以内。層を 10・10・6・4 にした 1 次元の透過行列の山の中央は 473.5・507.5・549・591.5 nm で、層が少ないほど短くなり、原典の 2 次元の計算より 20〜44 nm 短い。空気孔を 0.25a から 0.2a に縮めると、原典の図 3 の中央 0.287 とグリセリンのずれ 12 nm が同時に合う

孔雀の羽の構造色。Zi ほか 2003 の値(格子定数 140・150・165 nm と 150 × 185 nm・層 10・10・6・4)で格子を組み、ε の逆行列を使う平面波展開でバンド図を、面内で平均した屈折率の層を積む透過行列で有限の層の反射率を出した。原典の図 2〜4 は本文に数値がないので、画像の曲線を色で分けて枠の目盛りで波長に直し、目盛りの検算は 3 nm 以内。★格子定数から出したギャップの中央は 4 色とも測定のピークと 15 nm 以内で合い、層を有限にした 1 次元の近似は層が少ないほど短くなる(緑の格子で 4 層 486 → 12 層 508.5 nm)。見立て 9 本(ギャップの中央・偏光差・側ピーク・グリセリンのずれ 8〜14 nm・茶の 630 nm 前後)は全部外れで、どれも「こちらの格子は原典の図より屈折率の差が強く効く」向きにずれている。空気孔の半径を 0.25a・0.2・0.15・0.1・0 と振ると中央・偏光差・グリセリンのずれが全部縮み、0.2a で原典の図 3 の 0.287 と測定のずれ 12 nm が同時に合う(偏光差 3.8%)。ジャイロイド・回折の動物園の親戚。

157. 周期ゼミの暦を、年を 17 と 13 で割った余りの升目に置くと、Marlatt のブルードの番号がそのまま列と行の順になり、221 年がちょうど 1 マスずつ埋まる。どこかで出る年は 171(77.4%)、17 年と 13 年の群れが同じ年に出る年は 36(12 × 3)。周期のある天敵と始まりがそろうと、素数 11・13・17・19 は出会う割合が 1.829 で並び、これは始まりをならした値と同じ=素数は得をするのでなく損をしない。群れの始まりをならすと、P と Q の群れが同じ年に出るのは P と Q によらず PQ 年に 1 回

セミの素数周期。コネチカット大学の表の 17 年のブルード 12・13 年のブルード 3 の出る年を、(年 − 1893)を 17 と 13 で割った余りで置き、2000〜2220 年を 1 年ずつ数えた。天敵にも周期があった場合の出会う割合は、最小公倍数の年数を 1 年ずつ数える経路と gcd(P, p)/p の式の 2 通りで一致し、天敵の周期の上限を 5〜15 年に振ると、上限が 11 を超えると 11 が、13 を超えると 13 が後ろへ下がる。見立て「最小は 17 か 19」は、4 つの素数が同じ値に並んだので外れた。10〜20 年の群れを同じ年に始めると、ほかの周期と重なる出現の割合は素数が 0.420〜0.443、合成数が 0.584〜1.000 で、包除原理と 232,792,560 年の数え上げが一致した。見立て「13・17 は合成数の半分以下」は、半分以下になる相手が 20 だけだったので半分当たりとした。★始まりの年をならすと、重なりやすさは周期が素数でも合成数でも同じで、Toivonen・Fromhage 2020 の「素数の利点は出る年がそろう仕組みがあるときだけ」と合う。Tanaka ほか 2009 の交雑の模型は、式 1〜5 から 2 通りに読んで組み直しても素数だけが残る結果は出なかった。金星の五芒星・アナレンマの親戚。

156. 源氏香の図は 5 つのものの分け方で、52 通り(ベル数)ある。横線が入り組まない図は 42(カタラン数)で、入り組む図は 10 になる。左右を裏返して同じ分け方に戻る図は 12 だった。入り組まない 42 の図の横線の高さは入れ子の規則で決まるが、入り組む 10 の図には 1 つの規則が通らない(先の香で決める規則と 5 つ、後の香で決める規則と 4 つが合う)。後の巻ほど同じ香が多い(組の数と巻の順の順位相関 −0.343・並べ替えで 0.013)。25 包から 5 包たくと全部ちがう帚木が 5.88%、全部同じ手習は 10626 回に 1 回

源氏香の図。分け方を成長列で作る方法と、5 種の香の出方 3125 通りをまとめる方法の 2 通りで作り、本数 3〜8 でベル数・スターリング数・カタラン数と照らした。巻との対応は、Commons の香の図を画像から機械で読んだものと、フォント Quivira の字の名の 2 通りで確かめた。2〜53 帖のうち 51 帖が一致し、違うのは若菜下だけで、残りの分け方は 1 つに決まる。国会図書館の国貞改豊国『源氏香の図』を目で読むと、51 帖のうち 41 帖が香の図と同じで、10 帖は別の巻の図と同じ形だった。

155. 一目刺しの糸はどの点でも曲がり、輪の長さは 8 で割って 4 余る(Defant・Kravitz の定理 1.2)。部屋は 2 色で塗れ、色は Pete の高さ関数 ⌈(X + Y)/2⌉ の偶奇で決まる。縦と横をフィボナッチ語にすると、輪は正方形の枠に収まり、幅の半分は奇数のフィボナッチ数 F と F − 1 だけで、番号が 3 つ進んだ輪どうしが似る

刺し子の一目刺し。輪を糸をたどる経路と union-find の経路の 2 通りで数え、乱数の盤 400 枚・輪 59,472 個で一致した。長さはすべて 8 で割って 4 余り、面積は 4 で割って 1 余り、幅と高さは奇数。外枠いっぱいの輪の形を全部のラベルで数えると、幅と高さの和 16 までの 120 組で Pete の対応(同じ高さの Dyck 路の組)と一致し、期待値は 8 つの小さい盤で式 (2) と小数第 6 位まで一致、1024 目で 0.07233 ± 0.00048(式 0.07234、極限 (π² − 9)/12 = 0.07247)。周期は lcm(p, 2) で、塗り分けは 378 通り中 132 通りで 2 倍にのびる。回文の列が鏡になるのは幅が奇数のときだけ。Seaton・Hayes の表 1 は 6 柄中 5 柄が一致し、井桁だけは 1 目ずらして読むと合う。ペル柿の雪片は周長 4F₃ₖ₋₂・面積 P₂ₖ₋₁ で 5 次まで一致した。見立て「輪の平均の長さは盤によらない」は外れで、9.63 から 10.52 へ伸び続ける(無限の盤では 1/c = 13.80 のはず)。Pete の指数を当てはめると γ は 0.206〜0.216(理論 0.219)、δ は 1.240〜1.258(1.281)になった。罠: 乱数を線形合同法にすると期待値が 2.1σ ずれる。

154. 小惑星 895,910 個の軌道の大きさを数えると、3:1・5:2・7:3 の空隙の中心は、ケプラーの第 3 法則で出した共鳴の位置と −0.056%・+0.073%・+0.037% で重なる。谷の幅は次数の低い順に 2:1 0.090・3:1 0.048・5:2 0.032・7:3 0.009 au。3:2 と 1:1 は山になる。カークウッドの 1867 年の 91 個でも、極小の区切りは今と同じ所に出ていた

小惑星帯の隙間は木星との整数比に開く。JPL SBDB の接触軌道要素(895,910 個)と AstDyS の合成固有要素(1,152,208 個)を 0.0005 au ごとに数え、谷の両側の肩の半分の高さを切る 2 点の中点を谷の中心とした。共鳴の位置は、木星の a(5.20288700 au)と質量比 1/1047.35 から出す式と、木星の平均運動と GM☉ から出す式の 2 通りで、差は 19.3 ppm。見立て「2:1 は 1% 以上ずれる」は外れ(−0.232%)、ただし底が平らでビン幅を振ると中心が 0.0205 au 動く(ほかの 3 つは 0.002 au 以内)。★共鳴を知らずに機械で探した深い谷 5 つのうち 4 つが共鳴の 0.3% 以内(4:1 だけ −0.612%)で、比べた共鳴の ±0.3% は区間の 7.8% しか覆わない。離心率が大きいほど谷が 2 倍以上広がる見立ては外れ(3:1 は 1.77 倍、5:2 は 0.79 倍)。平均運動の比 n/nJ では 3:1・7:3 が 0.1% 以内、5:2・2:1 は外れた。固有要素では共鳴の中に小惑星が細く集まり(3:2 の 0.02 au に 5,353 個)、その頂は n/nJ で p/q より 0.09% 大きい。カークウッドの本(1867)の 0.1 刻みの数の極小 2.46〜2.56 と 2.86〜3.06 は今の数でも極小(今は 2.86〜2.96)で、共鳴の距離から逆算した木星の a は 5.2026〜5.2029 au、同じ章に 1/3 の距離が 2.5012 と 2.4935 の 2 通り書かれている。アナレンマ・原子核の魔法数の親戚。

153. 金星の内合は 5 回で 2919.607 日=地球の公転 8 回より 2.44 日短い。内合の向きは 1 回ごとに約 144° 戻り、時の順に結ぶと五芒星になる。8 年ごとに星は 2.409° 手前へ回り、239 年で 72° 回って重なる。内合 152 回(243.001 年)あとの向きは 1.10〜1.42° しか違わず、これが太陽面通過の 243 年の組になる

金星の五芒星。金星と地球の位置を、Standish の軌道要素(1800〜2050 年)でケプラー方程式を解く経路と、Horizons の DE441 を 2 日刻みで補間する経路の 2 通りで出し、1800〜2049 年の内合 156 回・逆行 156 回を二分法で詰めた。内合の時刻の差は −17.2〜+20.5 分。会合周期は平均 583.931 日で 579.79〜587.73 日にばらつき、5 回ごとにそろう。金星 13 周は地球 8 周より 0.94 日短いだけだが、内合 5 回は 2.44 日短い(Espenak の 2.45 日と一致)。2020〜2026 年の 5 回は黄経の順で 1 つおきに飛び、5 点のあいだの角は 66.8〜78.0°。8 年のずれは 2.245〜2.599°(見立て 1.5〜2.5° の上をはみ出す)。逆行は 40.9〜43.2 日・15.28〜16.53° で、見立ての 40 日・15° より少し大きい。地球からの距離は 0.2641〜1.7360 au で 6.57 倍。★内合ごとに光の遅れを入れて金星と太陽の中心の離れの最小を出すと、太陽の半径より内側は 1874・1882・2004・2012 年の 4 回だけで、最小の離れは Espenak のカタログと 0.06″ 以内、時刻は 2 分以内で合った。組の前後の 1996・2020 年は 1804″・1732″ で外れる。アナレンマ・日時計に引く不定時法の刻の親戚。

152. 太陽系の元素の多さは、両隣がそろう奇数の元素 38 個のうち 36 個で両隣の偶数より少なく、外れるのはリチウムとホウ素だけ(2 つの表で同じ)。同位体を中性子の数ごとに足すと魔法数 82 と 126 は山になるが、20 と 28 は 36Ar と 56Fe の山に埋もれ、50 は 84Kr の値しだいで表により答えが分かれる。H と He を除くと偶偶核が 92% を占め、奇奇核はほぼ 14N だけ

元素の多さのギザギザ。Lodders の総説(arXiv:1912.00844)の表 8・表 9 を PDF から座標つきで読んだ経路と、Asplund・Amarsi・Grevesse 2021 の表 2・表 B.1 を TeX ソースから読んだ経路を、同じ関数に通して比べた。2 つの表は 83 元素のうち 71 が 0.1 桁以内で合う。奇数の谷の深さの中央値は 0.84 桁と 0.93 桁、いちばん深いのは F、浅いのは Ir。原子番号 15 から先の最多は鉄で、硫黄の 2.00 倍と 2.19 倍。H から Zn までで少ないのはベリリウム・ホウ素・スカンジウム・リチウムの順で、リチウムはスカンジウムより多い。質量数ごとの山(前後 5 つより多い所)は 74・80・120・130・138・164・174・180・195・208 で、130 と 138、195 と 208 は組になるが、88 は 84 の 84Kr に負ける(窓を前後 3 つにすると出る)。★作品 180 の安定核種の数は中性子 20・50・82 で山になったが、多さでは 20 が消えて 126 に山が立つ。Lodders の表 9 には 152Gd と 156Dy の行がなく、Asplund の表 B.1 の TeX は原子番号の欄が 6 か所ずれていた。

151. 黄鉄鉱の五角十二面体 {h k 0} の面は正五角形になれない。{210} の屋根の辺はほかの辺の 1.309 倍で、内角は 108° から 13.588° 外れる。h/k をフィボナッチの比で φ に近づけると、ゆがみは 1 段ごとに φ² ≈ 2.618 分の 1 に縮み、屋根の長い・短いが入れ替わる。対称の数は有理数の h/k なら 24、φ のときだけ 120

黄鉄鉱の五角形は正五角形になれない。12 枚の面 (±h, ±k, 0) の巡回で囲まれた形を、面を 3 枚ずつ交わらせる経路と、頂点の閉じた式 (±1, ±1, ±1)/(h + k)・(±1/h, 0, ±(h − k)/h²) の経路の 2 通りで出し、17 通りの形で頂点の差は 1.1×10⁻¹⁶。見立て「{210} の辺の比は 1.3 くらい、角は 10° 以内」は、辺の比 1.309 は当たり、角の外れ 13.588° は外れた。フィボナッチの比 2/1・3/2・5/3 … のゆがみは 13.5881°・5.4058°・2.0379° … と縮み、前の段との比は 2.618 に落ち着く。h/k を振ったゆがみの谷の底は黄金分割探索で 1.618033988750 だった。頂点を自分に移す直交行列は {410}〜{850} で 24、φ で 120。格子の回転は整数の行列になるので位数は 1・2・3・4・6 に限られ、成分 −2〜2 の行列 135,408 個でも 5 は 0 個だった。★立方体の面にいちばん寄りかかる {210} の面との交わりを筋とすると、(100) は [001]・(010) は [100]・(001) は [010] で、面と向きの組は Arrouvel・Eon 2019 の positive の筋と 3 つとも一致した。指数 3 以下でいちばん正十二面体に近いのは {320}(外れ 5.41°)で、同じ論文の面のエネルギーの順 (310) < (210) < (320) では、最初の 3 つに限って安定な面ほど正五角形から遠い。結晶のかたち・ペンローズ・タイリング P3の親戚。

150. 原子核の魔法数 2・8・20・28・50・82・126 は、調和振動子の井戸だけだと 2・8・20・40・70・112 になり、スピン軌道の項を足すと 7 つがそろう。そろう係数は狭く、閉じた式では 1281 通り中 23 通り(μ 0.4 で κ 0.0585〜0.0675)、ふちのぼけた井戸(質量数 208)では λ 0.22〜0.38。実際の核の二中性子分離エネルギーの落ち込みは 28・50・82・126 で両隣の 2 倍を超えるが、8 では山にならない

原子核の魔法数がそろう細い帯。準位を、振動子の殻に l·s と l² の 2 項を足した閉じた式と、ウッズ・サクソン型の井戸にスピン軌道の項を足して差分で解いた準位の 2 経路で出し、下から詰めて間隙の大きい 7 か所を殻の閉じとした。井戸の定数(50 MeV・1.25 fm・0.65 fm)は文献から取らずに置いた値。弱いほうに外れると 28 の代わりに 40 が残り、強いほうに外れると 126 の代わりに 14 が入る。差分の刻みを 800 から 1600 にしても端の答えは同じ。質量数 100 の井戸は束縛される準位が 94 個分しかなく、126 に届かない。28・50・82・126 の閉じは 1f7/2・1g9/2 と、1 つ下の殻へ降りた 1h11/2・1i13/2 の上で起きる。AME2020 の 2550 核種で、落ち込みの山の高さ(両隣の大きいほうとの比)は N = 20: 1.35・28: 2.14・50: 4.10・82: 7.12・126: 3.96、振動子の 40・70・112 は 0.86・0.92・0.93、8 は 0.77 だった。NUBASE2020 の安定核種 253 個では、中性子 82 が 6 個でいちばん多く、両隣より多いのは中性子の 20・50・82 と陽子の 50(Sn の 10 個)だけ。★メイヤーの 1963 年の講演の数(中性子 50 に 6・82 に 7・Sn に 11)は今の表で 5・6・10 に減った。87Rb(49.7 Gy)と 136Xe(2.18 Zy)が放射性核として載っているためで、講演の Sn の数は小さな字の「II」で刷られている。

149. 立方体を平面で切った破片は、形がばらばらでも面と頂点の数の平均が 6 と 8 に近づき、平面 50 枚で 6.003 と 8.006 になる。二面角の平均はどの枚数でも 90° にある。いちばん多い破片は三角柱で、立方体と同じ形は 3.6% しかない。破片を 1 つずつ割ると面の平均は切り口の辺の平均 + 2 に落ち着き、重心を通す割り方で 6.561、長い向きに垂直な割り方で 6.211 と、6 まで下がらない

岩は割れると平均して立方体。Domokos ほかの PNAS 2020(arXiv:1912.04628v2 の本文と補足資料)の cut model を再実装し、凸多面体を面の多角形の組で持って平面で切った。面と頂点の数は、切った多面体をそのまま数える経路と、半空間の交わりの 3 枚ずつの交点から数え直す経路の 2 通りで出し、308 個で食い違い 0。平面の選び方 2 通り(一様な点を通る・中心からの距離が一様)と始まりの形 2 通り(立方体・正四面体)で、平面 50 枚の面の平均は 5.972〜6.003、見立て「3% 以内」は当たった。平面では、全体を横切る直線(n̄ = 4・p = 1)でも 1 つずつ割っても(n̄ = 2・p = 0)頂点の平均は 4 で、式 v̄ = 2n̄ / (n̄ − p − 1) が節点だけから同じ値を出す。蜂の巣を割ると 6・5・4.5・4.25 と 1 世代ごとに 4 との差が半分になった。★見立て「立体でも 1 つずつ割れば 6 と 8」は外れた。平面が k 個の面を横切ると 2 つの破片の面の数の和は f + k + 2 になるので、面の平均は切り口の辺の平均 k̄ + 2 に落ち着く(重心を通す割り方で k̄ = 4.570、長い向きに垂直で 4.209)。平面なら切り口はいつも 2 点なので 4 に向かうが、立体の k̄ は割り方で決まる。★いちばん多い破片は面 6・頂点 8 ではなく三角柱(7,091 個中 1,819 個)で、面 6・頂点 8 の 1,567 個のうち面がすべて四角形なのは 255 個。二面角の平均は、立方体から切るとどの枚数でも 90°(辺のまわりで θ と 180° − θ が対になる)、正四面体からは 78.8° から 89.92° へ近づいた。

148. 毎日同じ時計の時刻の太陽は 8 の字(アナレンマ)を描き、東京の 2026 年では空の上で下の輪(冬)が上の輪(夏)の 6.60 倍、水平な日時計の盤では 19.2 倍になる。結び目の 2 日は夏至をはさんで 69.48 日前と 70.05 日後。均時差は年 1 回と年 2 回の 2 つの正弦では 46 秒外れる。離心率を上げると輪が 1 つ消え、いちばん消えやすいのは近日点が至点にあるときで、cos ε = √(1 − e) / (1 + e)^1.5 の 0.04350

アナレンマの上の輪と下の輪。太陽の位置を NOAA の表計算の式、ケプラー方程式を解いて黄道傾斜で回す計算、国立天文台の東京の南中時刻と南中高度の 3 通りで出した。NOAA の式とケプラー方程式の差は均時差 2.9 秒・赤緯 0.0016°(赤緯の差は光行差と章動の補正を足すと 2×10⁻⁶° まで小さくなる)。均時差の最初の 2 項(振幅 7.65 分と 9.86 分)の和は 5 項の式から 10 月 2 日に 0.764 分外れ、見立ての 30 秒は外れた。毎日 12 時の点は 4 月 12〜13 日と 8 月 30〜31 日のあいだ、赤緯 8.92° で交わる。輪の面積は空の上で 23.78 と 157.05 平方度(東西は時角のずれ × cos 赤緯)で、見立ての 2 倍は外れた。軌道を 365・2000・8000 に刻んでも 6.60 倍は動かない。離心率 0 なら上下は同じ面積(差 3×10⁻¹⁵)、傾き 0 なら ±7.65 分の線になる。★見立て「近日点が春分・秋分の向きだと輪が消えやすい」は逆で、春分・秋分から 27.1° 以内なら離心率 0.5 でも消えず、至点の向きで 0.04350 がいちばん小さい。至点で赤経の進みが傾きで 1/cos ε 倍に速まり、遠日点で √(1 − e) / (1 + e)^1.5 倍に遅くなって打ち消し合うと、折り返しが尖って輪がつぶれる。地球の向き(283.4°)では 0.0448=今の離心率の 2.68 倍で、消えるのは上の輪。日時計に引く不定時法の刻の九つは南中そのものなので、影で読む時刻には均時差が入らない。

147. 水面に落とした滴 P → C + (P − C)√(1 + r²/|P − C|²) も、針で引く P → P + z·u^d·M も、面積を保つ。逆も閉じた式で書ける。同じ所に落とした 2 滴は半径の二乗を足した 1 滴になる。それでも北・東・南・西に櫛を引く 1 周ごとに、色の境目の長さは 2.6〜3.2 倍に伸び、回数に比例しない。画素の絵を逆にたどると、筋が 1 画素より細くなった所から戻らなくなる

墨流しと面積を保つ写像。式は A. Jaffer の「Dropping Paint」と「The Mathematics of Marbling」から取った。ヤコビアンの行列式を閉じた式と数値微分の 2 通りで出し、4000 点で 1 からのずれは滴 3.2 × 10⁻¹⁴・1.1 × 10⁻⁷、針 8.9 × 10⁻¹⁶・3.0 × 10⁻¹⁰ だった。同じ所に同じ量を落とすと k 番目の縁は半径 r√k に来て、外の輪ほど細い。半径 0.2 の 12 滴の輪に 7 本の歯の櫛で 1 周ずつ引くと、境目の長さは 36.76・98.12・258.50・780.40・2532.10 だった。長さは、微分を積分する経路と折れ線の経路(1.3〜3.6% 短い)の 2 通りで出した。見立て「長さは回数に比例」は外れた。1 辺 240 画素の絵を 1〜4 周引いて逆にたどると、輪の中の 11.5〜25.8% が元の色に戻らず、筋が細い所では 25〜43%、そうでない所では 6.7〜8.5% だった。見立て「細い所から戻らない」は半分当たった。

146. ソーマキューブの 7 片で 3 × 3 × 3 を組む方法は、向きのままで 11,520 通り、立方体の回転と鏡映で重なるものを 1 つとして 240 通りである。踊るリンクと若い空き升から埋める総当たりの 2 通りで、解の中身まで一致する。どの解も自分に重ならない。真ん中の 1 升に最も多く入る片は 2 つのねじれた片(31.5% ずつ)で、ell と tee は一度も入らない。240 の解を 3 片以下の置き直しで結んだ Somap の次数の並びは Knuth の前刷りと同じになる

ソーマキューブの 240 通り。片の番号と置き方は Knuth の前刷り 5c(2019 年)に合わせ、置き方は 144・144・72・72・96・96・64 の 688 になった。1 つ目は ペントミノと同じ Algorithm X、2 つ目は 27 ビットの盤で最も若い空き升を覆う片だけを試す総当たりである。2 通りとも 11,520 の解が出て、48 の対称でそろえると 240 になった。tee を 1 か所に固めて claw を半分にすると 240、ell を回さないと 480(鏡像の対が 240 組)で、どちらも同じ集合だった。Guy・Conway・Guy(1961 年)の色分けで 200 の置き方が消え、残り 488 だけで全部の解が出る。強い Somap(2 片だけ)の次数 7¹ 6⁷ 5¹⁹ 4³¹ 3⁵⁹ 2⁶³ 1⁴⁵ 0¹⁵ と 25 の連結成分、3 片までの Somap の重なった辺 14 組・直径 8 も前刷りと一致した。見立て「真ん中に最も入るのは claw」と「入れ替わる 2 片は平らな片どうしが過半」(140/307 = 45.6%)は外れた。

145. ペントミノ 12 枚を 6 × 10・5 × 12・4 × 15・3 × 20 の箱に詰める組み方は 2339・1010・368・2 通りである。踊るリンクの厳密被覆と先頭の空き升を埋める総当たりの 2 通りで、解の集合まで一致する。どの解も箱の対称で自分に重ならない。6 × 10 で縁に触れない回数が最も多い片は X ではなく W(997 回)で、X の中心は箱の真ん中より短い辺の側に多く、どの解にも出ない置き方は 2032 のうち 568 個ある

ペントミノを長方形に詰める組み方。1 つ目は Knuth の Algorithm X(候補の最も少ない項目から枝を張る)である。2 つ目は、升を短い辺に沿って並べ、最初の空き升を覆う片だけを試すビット盤の総当たりである。置いた向きのまま 9356・4040・1472・8 の解が出た。箱の対称で最小の書き方にそろえると 2339・1010・368・2 通りで、2 通りの集合は 1 つ残らず一致した。3 × 20 の総当たりの節 71,191 は Knuth の前刷りの数と同じだった。置き方は 2056・1936・1696・1236 で、前刷りの片ごとの表と合う(6 × 10 の U だけ前刷りは 1152 と書く)。6 × 10 の全片が縁に触れる 2 通り(Potts 1960)、縁に触れる片の最小 8 枚の 207 通り、内側 1 片の片ごとの数は前刷りと一致した。5 × 12 の割れる 264 通りと 4 × 15 の 40 通り(Bouwkamp 1970)も同じだった。8 × 8 の真ん中 2 × 2 抜きは 65 通りで、X の置き場所ごとの 19・20・26 も Scott(1958)の数と同じだった。割る線をまたがない置き方は前刷りの 1507 に対して 1514 で、差の理由は突き止めていない。見立て「縁に触れない 1 番は X」「X は真ん中ほど多い」「出ない置き方は 470 個未満」は外れた。続き(Dudeney の盤): 2 × 2 の正方形を足した 8 × 8 は 16146 通りで、Dudeney の図の塗り分けに合わせて裏返さないと 4 通りになり、どちらも前刷りと同じだった。解答の図は 4 通りの 1 つと境目 112 本がすべて合う。片の塗り方を替えると、黒が 32 になる 660 通りのうち 276 通りには詰め方がなく、Dudeney の塗り方の 8 は多い側だった(見立て「真ん中あたり」は外れ)。

144. 地球の上の小さな円は、どの地図でも楕円に写る(ティソーの指示楕円)。楕円の軸を教科書の縮尺の式と、地図の式を数値で微分した行列の特異値の 2 通りで出すと 10⁻⁸ で重なる。日本の中でもメルカトルの面積の倍率は北と南で 1.79 倍違い、正積円筒は東京で角を 23.6° ゆがめる。メルカトルは立体射影の対数で、平面直角座標系の 0.9999 から読める縁(中央の子午線から 127.4 km)を、15 の系のうち 3 つで県の端がはみ出す

地図のゆがみを楕円で見る。メルカトル・ランベルトの正積円筒・東京を中心の正距方位・横メルカトルを球の式で書き、経緯度 15° ごとの格子で楕円の長半径・短半径・面積を 2 通りに出した。相対差は 3.4×10⁻⁸ 以内に収まった。メルカトルの面積の倍率は択捉島で 2.040、沖ノ鳥島で 1.139 になる。正積円筒の東京は a/b = 1.515・ω = 23.62° だった。メルカトルと立体射影の対数は 4,680 点で 2.2×10⁻¹⁵ 以内で一致した。平面直角座標系は縁の縮尺係数 1.0001 が中央の子午線から 127.42 km で、IV 系 1.000136・IX 系 1.000109・XVI 系 1.000165 が超えた。見立て「日本の中なら面積の狂いは 1 割」「東京の角のゆがみは 10° くらい」は外れ、「県の端は縁に収まる」は 15 の系のうち 12 で当たった。2026-09-26 の追記では UTM を調べた。中央の 0.9996 と帯の縁の狂いがそろうのは北緯 40.3° だけで、日本の陸地の 3.8% が 1.0004 を超える。楕円体で出し直しても、平面直角座標系の判定は変わらなかった。

143. 16 枚の直角二等辺三角形でできる凸多角形 20 個のうち、清少納言知恵の板は 16 個、タングラムは 13 個を組める。組み方は知恵の板が 531 通り(Beelen・Verhoeff の表と一致)、タングラムが 142 通りある。両方で組める 13 個では知恵の板が 2.73 倍多いが、六角形 1 つだけはタングラムが 6 通り・知恵の板が 4 通りと逆になる。16 枚の 20 個に凸な八角形はなく、八角形が現れるのは 14・20・22 枚

清少納言知恵の板とタングラムの凸多角形。候補は、8 方向の辺の長さを振って閉じる多角形と、外に接する長方形から四隅を落とす多角形の 2 通りで数え、どちらも同じ 20 個になった。升を対角線 2 本で割った三角形の格子の上で 7 枚の置き方をすべて試すと、組めるのは知恵の板 16 個・タングラム 13 個で、Fox-Epstein・上原と Wang・Hsiung の値に合う。タングラムが組めない幅 1 の帯 3 つには大三角形の置き方がなく、どちらも組めない 4 つには等脚台形の置き方がない。組み方の刻みを半分にしても数は変わらなかった。真ん中に穴のあいた 3 × 3 の正方形は、知恵の板で 9 通り、タングラムで 0 通りになる。見立て「知恵の板はどの形でも組み方が多い」は形 17 の六角形で外れた。

142. 水平な日時計に不定時法の刻を引くと、日の出と日の入りで昼を 6 等分した線はほぼまっすぐだが、太陽の伏角 7°21′40″ の明け六つと暮れ六つで割った江戸の刻の線は弓なりに曲がる。曲がりは夜明を待つ時間の季節変化から来て、1 年を通して同じ時間だけ外で割ればまっすぐに戻る。定時の時刻線は tan θ = sin φ tan H の直線、季節の線は離心率 cos φ / sin|δ| の双曲線

日時計に引く不定時法の刻。東京(緯度 35.6581°・経度 139.7414°)の 2026 年で、赤緯と時角だけの式と、NOAA の表計算の式で日付から太陽を出す計算の 2 通りで影の先を求めた。日付の計算は国立天文台の東京の日の出入り・南中の表と 0.64 分以内で合う。時刻線の角は 2 通りで 3×10⁻¹⁰° 以内、夏至と冬至の季節線の離心率は 2.0427〜2.0428 で一致した。五つの線の曲がり(弦に対するふくらみ)は、日の出入りで割ると 0.15%、二刻半(36 分)の外で割ると 0.36%、伏角 7°21′40″ で割ると 2.91% になる。夜明の長さは冬至 40.49 分・赤緯 0° で 36.29 分・夏至 43.01 分と変わり、平均の 38.9 分だけ外で割ると曲がりは 0.17% に戻った。昼の一刻は夏至 2 時間 38.5 分、冬至 1 時間 49.4 分。見立て「刻の線もほぼまっすぐ」は江戸の刻では外れた。

141. 布を畳んで板で挟んで染めると折り目はすべて鏡になり、広げた模様の群は畳んだ三角形の鏡の群で決まる。帯の上でそのまま折り重ねられるのは 60°・60°・60° と 45°・45°・90°(脚を縁に置く)だけで、30°・60°・90° は正三角形の束をもう一度半分に折って作る。染め方が三角形の中で鏡を持つとその鏡も群に加わり、角を 1 つ浸すだけで p3m1 は p6m に上がる

雪花絞りと畳み方の群。蛇腹で帯にした布を、帯をまたぐ辺で三角形を裏返しながら折り重ねる模型にした。角を 1° 刻みで 2700 通り、縁に置く辺 3 通りを総当たりした。転がせたのは 60°・60°・60° と 45°・45°・90° の 2 つだけで、見立て「角が 180° を割り切る 3 つ」は半分外れた。30°・60°・90° は裏返した頂点が y = 2・0.5・1.5 に、麻の葉三角形(30°・30°・120°)は y = 3・−1・2 に出る。万華鏡の引き戻しと折りを順にたどる引き戻しは、5 つの形で最大 1.9 × 10⁻¹⁴ の差で一致した。対称のない染めでは 正三角形 p3m1・直角二等辺 p4m・30°・60°・90° p6m・長方形 pmm になった。染め方を変えた 13 通りの組も見立てどおりで、3 辺を別々の色なら p3m1 のまま、角 1 つを浸すと二等分線が鏡になって p6m に上がる。群はどれも Yackel の 7 つ(p1・pm・cm・p6m・p4m・p3m1・pmm)に入る。麻の葉の板(底辺 15cm・高さ 4.4cm・頂角 119.20°)は正三角形を重心で 3 つに割った 1 つとほぼ同じ形で、正三角形の畳みに当てると p6m になる。ただし白と藍の境目に乗る麻の葉の線は、重心からの線の 3 分の 2(72 本のうち 48 本)だけで、三角格子の辺は 1 本も乗らない。120° が 180° を割り切らないことは、麻の葉の平坦折りで重心が畳めなかった理由と同じである。

140. 等角にふくらませた絵を見つめた点から粗くなる標本で拾うと、化けるかどうかは伸び |F′| を入れた比 q だけで決まる。化け方はトンネルで数えた q ごとの曲線に重なる(q は標本のナイキスト周波数 × 升 1 つの角度、升は 1/|F′| に比例)。二乗 K w² の中心を見つめると q は中心の近くで 1/r、外で 1/r² に寄って落ち、化けるのは縁から(トンネルの逆)。写像が折れる点では |F′| → 0 で升が大きくなるので、どこを見つめても化けない

かけ算第54号|ふくらませた雷文は、縁から粒に化ける(雷文の帯を、角を保ったままふくらませる × 見つめた点から離れると帯が粒に化ける)。20° の絵を最も近い標本の色で塗り直すと、トンネルの曲線との差は最大 0.042 だった(二乗と三次・3 通りの見つめ方)。二乗で中心を見つめたときの q = 1.5 の円の半径は、10°・20°・40° で 448.4・476.2・490.8 px になる。q が 1.5 を下回る画素は格子と式でともに 28.8% で、絵の幅を広げた極限の半径は 505.8 px である。化けた画素は中心で 0.9%、左上の隅で 34.9% になる。臨界点から 60 px 以内の q の最小は、どこを見つめても 8.2 以上だった。左上の隅を見つめると、化けた画素は左上の隅で 9.5%、右下の隅で 54.6% になる。第49号の組み立て直し(まわりをぼかしてから拾う)では、標本が作った分は 0.9〜1.3% だった。三次で離心率がほぼ同じ 2 つの枠のぼけの分は、|F′| が 24.1 と 9.2 で 26.9% と 10.0% だった。2026-09-26 の追記では、三次の絵で帯の比が開く所(ε が 0.3 以上)を調べた。そこは化けないのではなく、化けるのがいちばん遅い所だった。中心を見つめると、そこが化け始める絵の幅は 0.542° で、その幅では絵全体の 94.9% がすでに化けている。

139. 段を重ねた図案の鏡は、段ごとに向きを受け渡して言い当てられる(ふくらみ ζ = K w² は θ を 2θ に、トンネルは軸の向き arg α・ずれ θ|α|/s の模様の鏡に運ぶ)。左右の鏡で折った g = h∘fold に鏡 θ があれば h は 90° の鏡を持つので、h に 90° がなければ g に残るのは 90° と 0° だけで、あれば折っても 1 画素も変わらない

かけ算第53号|部品を段に重ねて、1 枚の図案にする(雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × 雷文の帯を、角を保ったままふくらませる × 回りながら縮む多角形を、布に刷る柄にする)。パネル 8 枚で予言と探索(400 点・0.05° 刻み)が一致した。ふくらみ × 六角 15° の 12 本は折ると 90° の 1 本になり、ふくらみ → トンネル (1, 1) は 22.5° ごとの 8 本になる。回を回る正方形に替えると雷文の対角の鏡は消える(4,000 点で 0 点が 482 点に)。平らな雷文を周期 32 の三角波で折ると 32 × 16(1 単位 5 mm で 160 × 80 mm)のリピートになり、2 × 2 の継ぎ目は 131,072 画素で 0、半分の送りでは重ならない。ふくらみとトンネルは縮尺 |dp/dw| が 2K|w|・|α|/(s|w|) と変わるので 1 枚柄になり、1 辺 900 mm ではトンネル (1, 1) の真ん中に帯が 0.5 mm より細い半径 28.8 mm の円が残る。2026-09-25 の追記で図案 G を原寸の入稿の形にした。刷れる太さの目安と比べると、インクジェットで細い三角形は 0 個、シルクでは生成の三角形 272 個が 1 mm に届かず、式と 400 dpi の画素は三角形の内心で食い違い 0 だった。段を減らした版で 0 個になる。

138. 絵の点 w を模様の点 F(w) に送る等角写像で帯の模様をふくらませると、帯の角は 90° のまま、帯の幅は 0.25/|F′| に比例する。帯の幅の対数 −log|F′| は F′ ≠ 0 の所で調和関数なので、帯がいちばん太い点も細い点も絵の縁に出る。真ん中をふくらませるには臨界点(F′ = 0)を置いて写像を折るか、角を捨てるしかない。鏡は F(e^{2iθ} w̄) = e^{2iβ} conj F(w) となる β で模様の鏡と噛み合う所だけに残る

かけ算第52号|雷文の帯を、角を保ったままふくらませる(雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × ハニカム × 和柄を版画画廊の写し方で巻く)。三次 K(w − 0.3w³) では 401 × 401 の格子で内側の極大も極小も 0、いちばん太いのは w = (−1, 0) の 0.5000、細いのは隅の 0.02428(比 20.59)。帯の角のずれは弦 h に比例して 0 へ(三次 0.254°・0.127°・0.063°)、等角でないレンズでは 90° が 43.6° になる。茜と山吹の幅の比は三次で 0.840〜1.080 まで開き、幅と式の差は ε = (0.75/|F′|)·|F″|/|F′| の 1.26 倍以下。三次の鏡は θ = 0° と 90° だけ、二乗はどの向きでも β = 2θ なので模様の鏡の軸が原点を通れば回しても鏡が残り、ハニカムでは 12 本になる。12 通りで予言と探索が一致。

137. 市松を ξ = A·log z でトンネルへ巻くと、どの升の像も互いに相似になり、縦横比は L·sinhc(L k_x/2)/(w·sinhc(w k_y/2)) でどこでも同じになる。それでもオオウチ錯視の模型の偏りの差 D は短い辺の絵の上の長さ w_pic = r/|A| で決まり、中心と外側で弱く間の輪で強い。長い辺は θ − arg A を向くので、一様な揺れへの見積もりのずれは −(D/2)(cos 2φ, sin 2φ) で、1 周で 2 回まわる

かけ算第51号|オオウチ図形をトンネルへ巻く(オオウチ錯視と引き伸ばした市松 × 雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く)。縦横比は ω = (32, 512) で 4.000398、カードの ω = (16, 96) で 4.010804 で、離れた 5 つの升のばらつきは 1.0×10⁻¹³ と 6.1×10⁻¹⁴。目のぼけを単位にすると D の山は w_pic = 2.41 で 0.5286、平らなオオウチ図形の 0.4663 と同じになるのは w_pic = 4 と 1.89 だけで、1.095 未満では 0.01 を下回る。巻いた絵を画素で測ると長い辺の向きは式と 0.89° 以内、w_pic = 3 の輪 24 点でずれの向きは式と 1.60° 以内、1 周でまわる回数は 2.000。渦なら 1 回で、輪に沿う成分は 0.133〜0.992 とばらついた。巻いた絵から 1 次近似を引いた D は w_pic ≥ 2 で負・1.5 で正になる。2026-09-25 の追記で、窓の中の縮尺と向きのばらつき(分散 (8/|A|)²)の 2 項で説明できると確かめた。向きの項はいつも負で、縮尺の項が 1.5 で勝つ。

136. 敷き詰めた入れ子の柄は、籠目・三角・正方の交互・六角のどれも段ごとに半分ずらすリピート(ハーフブリック)で繰り返し、籠目・三角・六角のリピートは縦横比 √3/2 になる。半分ずらしを整数の画素にすると横は偶数 2m なので、画素のずれ |H − m√3| = |H² − 3m²|/(H + m√3) を小さくするのは √3 の近似分数である。入れ子の角の三角形の内接円の直径は 2t(1 − t)·sin(2π/n)·a·q^k/(1 + q) で、刷れる段数は t の下限 t₀ ≈ w/(a·sin(2π/n)) の約 e 倍で最大になる

かけ算第50号|回りながら縮む多角形を、布に刷る柄にする(回りながら縮む三角形と六角形 × 籠目 × ハニカム)。図案 6 枚とも、格子のベクトルでずらした入れ子の頂点のずれは 2×10⁻¹⁵ 以下、でたらめな 3,000 点の色は 6,000 組すべて一致し、半分のベクトルでは 2,752〜3,980 組が一致しない。色は籠目 3 色、ほかは 2 色。籠目を画素で繰り返すと、縦を丸めた 192 × 166 は 1,836 画素、√3/2 の近似分数を 2 倍した 194 × 168 は 48 画素、√3 の近似分数 97/56 からの 112 × 97 は 26 画素が違う。横を偶数で総当たりした最小の更新は √3 の近似分数の 2m と一致した。1 辺 30 mm(決めた値)・最小の太さ 0.5 mm(2026-09-25 に刷り屋の入稿の目安と比べた。布のシルクは線 0.5 mm・ヌキ 1 mm。織りは WOVNS の 4〜10 画素=Talma で 1.21〜3.02 mm と比べ、4 画素なら段数の最大は 5・9・16)で、下限は 0.01934・0.01681・0.01953、段数の最大は 13・22・38 で近似 1/(e·t₀·(1 − cos(2π/n))) は 12.74・22.07・38.23。段数は閉じた式と多角形の作り直しで 147 通りすべて一致した。見立て「√3/2 の近似分数」「段数は t の中ほどで最大」は外れた。

135. 同じ標本でも、標本ごとにまわりをガウスで平均してから拾う(受容野で束ねる)と、標本が作った差は幅 0.25·S から 0.5·S で約 10 分の 1 になり、残るのは一様なぼけになる。点で拾ってからつなぐだけでは折り返しは取れない。巻いた絵の升の角度も離心率も中心からの距離に比例するので、中心を見つめると混み合いの比 κ = Δ·s/(|α|·b) は絵のどこでも同じになり、左上を見つめると κ ≥ 1 の場所はアポロニウスの円になる

かけ算第49号|見つめた点の外で、雷文の線が混み合う(見つめた点から離れると帯が粒に化ける × 周辺ドリフトと扇の弧)。20° で左上を見つめ、幅 0.5·S で比べると、q が 3〜6 の区間の差は最も近い標本の色で塗ると 10.2%、ぼかしてから拾うと標本が作った分が 0.8%。中心を見つめても、周辺では標本が作った分は 0.7% と 0.5% で、ぼけの分が 19.1% と 18.6% ある。混み合いは Pelli・Tillman 2008 の Bouma の法則(臨界間隔 ≈ 0.5·E)で、第44号のカードでは s/|α| = 0.0694、線の間隔(2 升)で κ = 0.278、雷文 1 つ(8 升)で 1.111。左上を見つめたときの円の半径は k·D/(1 − k²) = 127.7 px で、絵の幅によらない。b を 0.3・0.7 にすると 249.9 px・87.6 px。

134. 正 n 角形の各辺を t : (1 − t) に分ける点を結んで入れ子にすると、頂点は b = −log|μ|/arg μ(μ = (1 − t) + t·e^{2πi/n})の対数螺旋に乗り、t → 0 で傾きは 90° − 180°/n、頂点の鎖の長さは n 匹の虫が走る長さ a/(1 − cos(2π/n)) に近づく。敷き詰めて隣と逆向きに回すと 1 段目の点は共有辺で重なるので、頂点に偶数枚が集まる正方・三角・籠目はどの t でも線がつながり、頂点に 3 枚の六角は t = 1/2 でしかつながらない

かけ算第48号|回りながら縮む三角形と六角形(雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × 対数螺旋 × 籠目)。n = 3・4・5・6・8 と t = 0.5〜0.001 の 25 通りで、閉じた式と多角形の作り直しが一致した。傾きのずれは t の 1 次で (90/π)·sin(2π/n)·t 度になり、t = 0.0001 で三角形 24.813・正方形 28.650 と式の 24.810・28.648 に合う。三角形と六角形は sin(2π/n) が同じなので近づく速さも同じ。t = 1/2 の 1 周の縮みは cos(π/n)^{−2n}(64・16・(4/3)⁶)。虫を RK4 で解くと 0.666666・0.999999・1.999999 走り、螺旋の b は tan(π/n) と 6 桁合う。鎖の長さ t/(1 − q) は t とともに伸び、虫の道がその下限になる。継ぎ目は、正方・三角・籠目で逆向きの塗り分けが通ってずれ 2×10⁻¹⁵、六角は 7 枚の 2⁷ 通りの総当たりでずれの最小が 0.800・0.500・0.000(t = 0.1・0.25・0.5)=|1 − 2t|。

133. 見つめた点から離れるほど間隔が広がる標本で等角に巻いた絵を拾うと、化けるかどうかはその場所の比 q(標本のナイキスト周波数 × 模様の升 1 つの角度)だけで決まり、見つめた点の場所にはよらない。中心を見つめると、トンネルの縮尺も標本の間隔も中心からの距離にほぼ比例するので周辺の q は一定の 5.54 に寄り、化けるのは中心のまわりだけになる。細い帯は太い帯より高い q で化ける

かけ算第47号|見つめた点から離れると帯が粒に化ける(雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × モアレ01 差の波 × 周辺ドリフトと扇の弧)。標本の間隔は Watson 2014 の式 (10)(on か off の片方の midget 神経節細胞・4 経線の平均)で、式 (8) から出し直すと 0〜30° で最大 9% 違う。1 画素ずつ最も近い標本の色で塗り直し、色が元と違う画素の割合を q の区間ごとに数えると、中心を見つめた場合と左上を見つめた場合の差は最大 0.026・0.015・0.012(絵の幅 10°・20°・40°)だった。色ごとの目印の周波数の半分が運べなくなる q は茜と山吹(幅 0.25)で 1.50、藍と生成(幅 0.5)で 0.56 と 0.63 になる。20° の絵で左上を見つめると、色が違う画素は見つめた左上で 2.4%、トンネルの中心で 43.8%、右下の隅で 13.5% になる。中心を見つめても周辺では縁のぎざぎざが 8% ほど残り、ユーザーの「周りがドットに見える」に当たるのは、この模型では化けではなく縁の粒である。光学のぼけ・錐体の大きさ・色・クラウディングは入れていない。

132. 巻いた絵の鏡 w → e^{2iθ}w̄ は模様の本物の鏡(軸の向き arg α)に当たるので、鏡の向きの集合と並進の格子が同じ模様は、線の形が違っても同じ (m, n) で鏡が残る。鏡のない紗綾形はどう巻いても回転だけが残り、回転の回数は 1 周 ω を並進の格子の座標で書いた最大公約数になる。裏返した模様を (m, n) で巻くと元を (m, −n) で巻いた絵の鏡像になり、4 回回転する紗綾形では (n, m) で巻いた絵の鏡像になる

かけ算第46号|鏡のない紗綾形をトンネルへ巻く(雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × 和柄の対称群 × 家紋の対称群)。麻の葉は 8 通りの (m, n) のうち 6 通りで鏡が残り、ハニカムの予言と 8 通りすべてで同じ答えになった(雷文は 7 通り中 2 通り)。紗綾形は腕 (0, 0) → (2, 0) → (2, 2) の卍を (3, 3) と (3, −3) の格子に並べた自前の作図で、検査機では 4 回回転・鏡なし・映進なしになる。8 通りで鏡の探索の最小 E は 0.43〜0.59、回転の回数は (1, 1) で 8・(2, 2) で 16 になり、周期 6 の升で数えた 4·gcd(m, n) とは m と n の偶奇が揃うとき 2 倍違った。裏返しと入れ替えの恒等式は 2,000 点で 9×10⁻¹⁶ まで一致し、同じ (m, n) の元と裏返しは回転と拡大で重ねても差 0.387・0.411 が残る。

131. 等角に巻いた絵では、模様の中の向き e は画面のどこでも動径から arg(e/α) の向きになる。縦の線の帯を +x、横の線の帯を +y へ流れる 4 段で塗ると、流れの和は arg((1 + i)/α) を向き、(1, 1) で回転・(1, −1) で湧き出し・(0, 1) で吸い込みの渦になる。鏡写しの並びのまま幅だけ外へ広がる帯は、ほとんど流れない

かけ算第45号|巻いた雷文の帯は流れるか(雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × 周辺ドリフトと扇の弧)。第44号の配色は線を横切ると鏡写しに並び、巻くと幅が 1 周期で 1.103 倍に広がる。伸ばした 1 周期を並べた帯では模型の流れが 4 段の 1.08% になったが、これは周期ごとに縮み直す鋸歯のせいで、ずっと伸び続ける帯では 0.011% だった。巻いた絵そのものでは、(1, 1) で外向きに 4 段の回転の 3.25% が残り、(1, 0) では 0 と区別できない。4 段で塗り直すと、式を使わずに測った流れの向きは 7 通りの巻き方と逆の並びで式と 5.8° 以内に一致した。

130. 模様の鏡は、渦に巻いても軸の向きが arg α(ω に直交する向き)と揃えば残る。巻いた絵 g(w) = S(α log w / s) が鏡 w → e^{2iθ}w̄ で不変なのは、S が軸の向き arg α の鏡をもつときに限る(軸に沿って送る映進は、巻くと鏡と拡大の組になる)。右下がりの対角にだけ鏡をもつ雷文では、巻かない (1, 0) に鏡がなく、(1, 1) に 4 本・(2, 2) に 8 本の鏡が出る。回りながら縮む正方形の頂点は対数螺旋 b = −log q/φ に乗り、傾きは t で変わって t → 0 で 45° になる

かけ算第44号|雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く(和柄を版画画廊の写し方で巻く × ハニカム × 対数螺旋)。雷文・その鏡像・回を 16 × 16 の升に置き、線からの L∞ の距離 0.25・0.5・0.75 の等高線で 4 色の帯に塗った。見立て「巻けば左右の鏡は必ず壊れる」は外れで、(1, 1) では α = 1 − i の向き 135° が雷文の鏡の軸と揃い、鏡の前後の食い違いは 7×10⁻¹⁵ になる(軸 0°・45°・90°・135°)。巻かない (1, 0) は 0.88 で鏡がない。ハニカム(軸 30° おき)では (1, 0)・(0, 1)・(1, 1)・(1, 3) で残り、(1, 2)・(2, 1)・(2, 3) で残らない。雷文とハニカムの 14 通りで式の予言と探索が一致した。縦 1 周を 16k にすると鏡の本数も回転の回数も k になる。帯の角 90° のずれは写す辺 h の 2 乗で 0 へ向かう(2.3×10⁻⁴° → 1.4×10⁻⁵°)。正方形を t : (1 − t) で回して縮めると、t = 0.5 で b = 0.441271・傾き 66.19°・1 周 16 倍、t = 0.1 で 0.896692・48.12°・279.8 倍になり、見立て「t によらず 45°」は外れた。4 匹の虫は長さ 0.999999 を走って出会い、当てはめた b は 1.000000。

129. 両端の向きを ±φ に決めて ∫(ακ² + β)ds を最小にする弾性曲線が円弧になるのは 4 sin²φ = βd²/α のときだけで、それより浅い角では円弧より平ら、深い角では丸い。角が小さいとふくらみは φ·tanh(kd/4)/k(k² = β/2α)で、同じ角でも弦が 1/k より長いほど平らになる。β を負にすると押された棒の式になり、qd = 2π の座屈荷重でふくらみが発散する

かけ算第43号|見えない輪郭を弾性曲線で引く(カニッツァの三角形 × カテナリー × 木はどこまで高くなれるか)。欠けた円の口の縁の端どうしを弦とみて、Mumford 1994 の数値例(α = 32/π²・β = 0.17)で弾性曲線を引いた。撃ち込みと折れ線の直接最小化で、d = 4・φ = 20° の形は 1.8×10⁻⁸ まで一致した。円弧になる角は d = 4 で 27.26° で、式と二分法の 2 経路が一致した。45° のふくらみは弾性曲線 0.844・円弧 0.828・カテナリー 0.940 で、カテナリーは 5° から 60° のどの角でもいちばんふくらむ。長さの目盛り 1/k は 6.18 で、φ = 5° で d = 4・16・64 のふくらみは円弧の 0.992・0.880・0.381 倍になり、小さな角の式との差は 0.10% 以内だった。β を負にすると、座屈荷重の 50%・95% でふくらみは 0.022・0.173 になる。

128. 応答が各点の明るさと時刻だけで決まるなら、勾配の最小二乗の分子 Σ Ix·It は明るさの閉じた線積分になり、周辺ドリフトの 4 段の並びでも 1 周期でちょうど 0 になる。狭い窓ごとの見積もりを平均すると並びの向きに流れ、逆の並びで反転、対称な並びで 0。正方形の升でも 4 段で塗ると縦と横の縁の明暗差² が 1 : 2 になり、白黒の縦横比 2 と同じ偏りが残る

かけ算第42号|オオウチ図形を 4 段の明るさで塗る(オオウチ錯視と引き伸ばした市松 × 周辺ドリフトと扇の弧)。升 (i, j) を黒 → 濃い灰 → 白 → 薄い灰の (i + 2j) 番目で塗ると、対向エネルギーでは横が 0.0684 で流れ、縦は 2×10⁻¹⁵ で流れない。見立て「最小二乗でも流れる」は外れで、1 周期の見積もりは 1×10⁻⁹(差分の経路は刻みの 2 乗で 0 へ・順応の模型でも 0)。窓ごとに割ってから平均すると σ = 2・4・8 で +0.0166・+0.0108・+0.0015、逆の並びで −0.01078。灰のコントラストの山は、周辺ドリフトの模型の a = √2 − 1 に対して a = 0.9 にずれる。見立て「正方形なら内外の差は 0」も外れで、D は 0.2769(白黒の縦横比 2 は 0.2736)。偏りの比は長い辺 4・8・16・32 で 3.160・2.393・2.164・2.076 と 2 に近づく。

127. 対数の座標に敷いた和柄を、エッシャーの版画画廊と同じ w^α(α = ω/2πi)で巻くと、巻いた絵の対称は (2πi/ω)Λ になる。エッシャーの升目は γ = 22.5836845286 倍・157.6255960832° に加えて γ の 4 乗根でも重なる。ω = m·2πi + n·τ なら放射の線は m 本・円は n 本の渦になり、回転の対称の回数は gcd(m, n) ではなく ω の格子座標の最大公約数になる

かけ算第41号|和柄を版画画廊の写し方で巻く(和柄を視野に戻す × de Smit と Lenstra 2003)。式 α = (2πi + log 256)/(2πi)・log γ = 3.1172277221 + 2.7510856371i は原典と 10 桁一致し、式を使わずに巻いた点の集まりを自分に重ねる探索でも同じ値が出た。升目(log 4 × π/2)の最小の対称は 2.1799608774 倍・39.4064° で、原典の図 10 の説明(i 倍と 4 倍で不変なら γ の 4 乗根で不変)のとおりである。1 周 18 枚の市松は 1.0218834199 倍が最小で、回転の対称は残らない。麻の葉を 8 通りの (m, n) で巻くと、最小の相似は式と探索で 6 桁一致し、渦の本数は m と n になった。見立て「回転は gcd(m, n) 回」は外れで、ω = (8n − 10m, 20m) の最大公約数が回数を決める((1, 1) で 2 回・(2, 1) で 4 回)。(1, 1) の 1 周ごとの縮みは log|γ| = 4π²L/(L² + 4π²)、回転は 360°·L²/(L² + 4π²)(L は拡大 1 段の対数)。

126. 長方形の市松を内と外で直交させたオオウチ図形で、勾配のノイズで縮む最小二乗の見積もり S = (M + Nσ²I)⁻¹M を比べると、縦横比 1 の市松では内と外の差がちょうど 0 で、伸ばすほど単調に開く。差 S_内 − S_外 は鏡映の定数倍なので、差の大きさは揺らす向きによらず、向きは揺れの鏡像になる。内の向きを φ ずらすと差は D·|sin φ|

オオウチ錯視と引き伸ばした市松。模型は Fermüller・Pless・Aloimonos(2000)の §3 で、窓の中で速度を一定と置いて光の流れの拘束を最小二乗で解き、空間の勾配にノイズを乗せた。S を 1 次元の平均の積・2 次元の窓・ノイズを乗せたモンテカルロの 3 経路で出し、前の 2 つは 6×10⁻⁸、モンテカルロとは 0.003 以内で一致した。目のぼけ 1・短い辺 4・ノイズの分散 0.02 で、差 D は縦横比 2 で 0.2736、4 で 0.4663、16 で 0.6782 になり、s_短 の 0.7726 に頭打ちになる。15° ごとの 12 の向きで差の大きさは全部 0.4663、45° に揺らすと差は −45° に出る。見立て「差は r − 1/r で育つ」は比べる条件で形が変わるので主張しなかった。人の目で滑って見えるかは確かめていない。

125. 12 拍のうち選んだ拍だけを光らせる点滅で皮質の場を揺すると、m 次の舌の成長率の増え分は光る拍の集合のフーリエ係数 |F(m)| に比例し、乗数の符号は (−1)^m になる。k 次の舌をいちばん深くするのは最大均等な E(k,12) で、テンポを選べるなら光る拍をまとめた塊が勝つ

かけ算第40号|リズムで点滅させる(点滅光と皮質の模様 × ユークリッドリズム)。明かりの平均を 0.1 に揃え、m 次の成分を場の振動の 2 倍に置いた。12 拍の 5 音と 7 音の全部の型(38 種ずつ)× 1〜11 次のうち係数が 0 でない 816 点で、増え分 ÷(A × 成分)が 1.836〜1.860 に入り、摂動の式の κ = 1.8496 と合う。符号は 816 点すべてで偶数次 +1・奇数次 −1。Amiot(2007)の最大均等の定義どおり、|F(k)| を最大にするのは k = 1〜11 のすべてで E(k,12) の回転だけで、16 拍ではボサノバの 5 次の増え分がソン・クラーベの 1.18 倍になる。次数ごとに成分を最大にする集合は、1 次が半音の塊、3 次が長 3 度、4 次が短 3 度、5・7 次が 5 度の鎖、6 次が全音音階に寄る。見立て「最大均等がいちばん弱い点滅で模様を作る」は外れで、5 音では塊の 1 次(0.3075)が最大、E(5,12) は 9 番目だった。

124. トーラスに巻き数 (p, q) の糸を巻くと d = gcd(p, q) 本の輪に分かれ、同じ面に平行に並ぶ輪どうしも (p/d)(q/d) 回絡む。糸は内側のファイバーと q 回、外側のファイバーと p 回絡む

かけ算第39号|トーラスに巻いた糸の絡み数(トーラスの泉 × 組紐と最大公約数)。見立て「同じ面に平行に並ぶ輪は絡まない」は外れで、どの 2 本も (p/d)(q/d) 回絡んだ。(2, 2) で 1 回、(4, 6) で 6 回、(6, 10) で 15 回。10 通りでガウスの積分が整数から 0.0008 以内、交差の数え上げがちょうど一致した。Hopf のファイバーがどれも 1 回絡むのは (1, 1) の場合にあたる。1 本の (p, q) 曲線は、内側のトーラスのファイバーと q 回、外側と p 回、単位円と q 回、軸に近いファイバーと p 回絡む(6 通り・2 経路)。

123. 視覚野に敷いた和柄を複素対数の逆で視野に戻すと、残る対称操作は 1 周の向き(縦)を保つものだけで、市松と七宝つなぎは 8 つのうち 4 つ、麻の葉は 12 のうち 4 つ、青海波は 2 つとも残る。残る縦の鏡は円での反転、横の鏡は放射の線での鏡、180° 回転は z ↦ K/z で、どれも円を円に写す

かけ算第38号|和柄を視野に戻す(和柄の対称群 × 形の定数と対数の写像)。視覚野の上では 4 つの和柄の鏡と回転 30 個がどれも本物の対称操作だが、90° 回転や 45°・30° の鏡は縦を横や斜めに倒すので、視野では 1 つの写像に決まらない。縦を保つかを式で見る方法と、視野の点に重なるかを数値で見る方法の分け方が全部一致した(残る操作は 100%、消える操作は 50〜57%)。残る操作の視野での式は数値と 1×10⁻¹⁵ 以内で合い、円の像は 3×10⁻¹⁵ 以内で円、消える操作では 2〜4% 外れる。縦の鏡が円での反転になるので、インドラの網と同じ反転の仲間に入る。

122. ヒマワリの種(半径 √n)を複素対数で視覚野の座標に写すと格子にならず、混み方は e²ˣ/π で右へ詰まり、番号差 F の螺旋が円となす角は tan ψ ≈ √5F²/(4πn) で寝ていく。半径が等比で増える対数模型は、視覚野でちょうど格子になる。いちばん近い種の番号差は視野と視覚野でほとんど同じ

かけ算第37号|ヒマワリを視覚野の座標に写す(フィロタキシス × 形の定数と対数の写像)。見立て「螺旋に並ぶ種は対数で写せば格子になる」は、Bacher(arXiv:1301.7568)の §11.1 の対数模型(半径 ρⁿ)では当たりで、格子の式との差 6×10⁻¹⁴、基底を知らずに 2 本の差ベクトルで全部の差を書く方法で 7×10⁻¹³、平行四辺形の面積は 2π ln ρ。ヒマワリ(半径 √n)では外れで、視覚野の混み方は e²ˣ/π(帯ごとの種の数が式と 1 粒以内)。螺旋の角は n が 4 倍でほぼ 1/4 になり、F = 21 で 10.83° から 0.176° へ寝る。近所の並びは相似で保たれ、いちばん近い種の番号差は 5,981 粒中 5,799 粒で一致(食い違いは距離の差 4.4% 以内の取り合いだけ)。

121. 双曲タイリング {7,3} を複素対数で幅 π の帯に写すと、模様は横の 1 方向だけに周期 2ρ + 2ι + e = 2.898149 でくり返し、縦には端へ向かって 1/cosh v で縮む。帯模様の型は p2mm で、縦の鏡は周期の半分おきに辺の中点を通る。双対の {3,7} も同じ周期で、{8,3} は 2ρ + e = 2.448452

帯に写した双曲タイリング。円板の直径を上半平面の虚軸へ、さらに対数で帯の中央の線へ写した。帯の座標は、円板から上半平面を経て対数をかける方法と、直径に沿った距離 u・直径からの距離 v から (u, π/2 + arctan(sinh v)) と置く方法で 7×10⁻¹⁰ 以内に一致した。見立て「壁紙のように 2 方向にくり返す」は外れで、くり返しは横だけである。周期は、中央の線が頂点 → 中心 → 辺の中点 → 中心 → 頂点 → 辺 → 頂点と通る順から 2ρ + 2ι + e = 2.898149、頂点をずらして重ねる方法でも 2.898149(差 3×10⁻¹⁴)。今井(2024)の帯模様の 7 つの型のうち、水平の鏡・縦の鏡・180° 回転を持ち、すべり鏡映のない p2mm だった。見立て「双対の {3,7} は周期が変わる」も外れで、中心の間隔は違うのに周期は同じ(差 2×10⁻¹²)。同じ鏡の線を持つためである。形の定数と対数の写像の複素対数と同じ関数で、双曲の平行移動が帯の横ずれになる。

120. トーラスを中心を通る平面で傾き sin α = r/R に切ると、切り口は半径 R の円 2 つになり、この円は平行円とどこでも同じ角 α で交わるが測地線ではない。Hopf のファイバーを立体射影すると、緯度ごとに R = 1/B・r = A/B のトーラスの Villarceau の円になり、どのトーラスも r² = R² − 1 で半径 1 の球と直交する。その球での反転はファイバーをもう一方の向きの円に写し、どの 2 本のファイバーも絡み数 1 である

トーラスの泉。Terquem が 1848 年の Nouvelles Annales に載せた Villarceau の定理を、R : r = 3 : 1・2 : 1・1.5 : 1・5 : 1 のトーラスで 2 つの経路(円の式をトーラスの式に入れる/平面の切り口を数値で求めて円に当てはめる)で確かめた。切り口の 1,440 点は 720 ずつ 2 つの円に乗った。見立て「斜めの円は同じ角度で進む」は当たりで、平行円との角は円のどこでも α(3 : 1 で 19.47°)になる。見立て「それなら測地線」は外れで、クレローの量 ρ cos θ(θ は平行円との角)が 3 : 1 で 1.886 から 3.771 まで動く。同じトーラスの上で数値でたどった測地線では、この量は 16 周のあいだ 1×10⁻¹³ 以内で保たれた。Lyons(2003)の形の Hopf 写像と立体射影で、緯度 t のファイバーを集めると R = 1/B・r = A/B(A = √((1 + t)/2)、A² + B² = 1)のトーラスになり、各ファイバーはトーラスの中心を通る平面の上の半径 R の円、つまり Villarceau の円だった。r² = R² − 1 なので内と外の赤道の半径の積は 1 で、どのトーラスも半径 1 の球と直交し、その球での反転で自分に戻る。反転したファイバーはファイバーにならず、鏡映 x → −x を重ねると戻るので、反転はもう一方の向きの Villarceau の円に写している。ファイバー 40 組の絡み数は、ガウスの積分で 0.9999〜1.0000、射影図の交差の符号で 40 組すべて 1 だった。インドラの網の、鏡と直交する双対の円と同じ形の直交が、ここでは球とトーラスのあいだに現れる。

119. 左右対称な顔を壁紙群で並べると、1 つの目に集まる顔の数は「目の点を動かさない対称操作の数 × 同じ仲間に入る自分の目の数」で決まり、読める顔の範囲では最大 12(p6m)になる。群ごとの最大は固定群の最大の大きさか、そのちょうど 2 倍で、2 倍に届くのは p1・p2・pg・cm・pmg・pgg・cmm の 7 種類だけである。p1 でも目は共有でき、「共有には回転の中心か鏡が要る」は外れた

目を共有する顔と壁紙群。顔が列をなして増える幻覚の記録(Klüver 1928 が引く Beringer 1927)から、「顔が詰まって並ぶなら、隣の顔と目を共有できるか」を問いにして、左右対称な記号の顔を 17 の壁紙群の軌道で並べる問題にした。目の共有そのものは、読んだ資料には書かれていなかった。条件は 2 つ置いた。顔の中心にいちばん近い目 2 つがその顔の目であること(読める顔)と、左右対称な顔のせいで模様がより大きい群に化けていないことである。目を格子の 1/12 刻みで総当たりし、目の間隔は被覆半径の 2 倍で打ち切った(読める顔ならその外は無い)。目 p に集まる顔の数は |Stab(p)| × m(m は顔の目のうち p と同じ軌道に入る数、軸が鏡なら 1)で、並べて数えた数と 70,665 通りの抜き取りで全部一致した。見立て 3 つのうち、軸を鏡に乗せられるのは鏡を持つ 10 種類は当たり、最大 12も当たったが、12 人が集まるのは片目だけで、両目に 12 人ずつは上下逆さの顔と両目をそっくり共有する双子の組になる。「共有には回転の中心か鏡が要る」は外れで、p1 でも並進で左目と右目が同じ仲間になり、すべての目を 2 人で共有できる。★上限(固定群の最大 × 2)に届いたのは 7 種類で、残り 10 種類は固定群の最大ちょうどで止まった。読める顔の両目はボロノイ図で隣り合うので、隣どうしの垂直二等分線が模様の鏡(pmm・p4m・p3m1・p6m)か化けさせる軸(p3・p4・p6・p31m)か両方(pm・p4g)なら届かない。p4 で 8 人を狙うと p4m に、p6 で 12 人を狙うと p6m に化ける。p2・pmg・cmm は双子でしか届かない。軸を鏡に乗せたまま双子なしで両目に集まる人数は、p3m1 の 6 人が最大だった。17 群の座標は記憶から打ったので、判定の流れと orbifold の記号(値段の合計 2)で名前を当て直した

118. 互いに接する 4 つの鏡の円で反転を重ねると、極限集合は鏡の円のガスケットにならず、接点を 3 つずつ通る双対の円のガスケットになる。鏡の輪郭で残るのは接点の 3 点だけである。いちばん大きい像は等比では縮まず、曲率が 5 ずつ増えていく。双対の円の中はファレイの三角形で敷き詰められ、次元は 2 つの経路とも 1.3056〜1.3058 になった。3 次元の 4 つの鏡の球でも、6 つの接点が乗る球の上に同じ網が現れる

インドラの網。曲率 2・3・6・23 の鏡の円(互いに接する)で反転を重ねた。深さ n の像は 4·3ⁿ 個で、「鏡を外からかける順」と「円板の中へ入る順」の 2 つの手順で深さ 8 まで 1 つずつ一致した。見立て「像は等比で縮む」は外れで、深さ n のいちばん大きい像の曲率はちょうど 2 + 5n だった。曲率 2 と 3 の鏡の接点に、接点を通る円が並ぶためである。3 枚目の鏡を 2 枚で交互に写した像は、中心から共通接線までの距離が直径の m + 0.1 倍になった(21 個でずれ 9×10⁻¹⁴)。曲率は 5m² + m + 6 の整数で、シュタイナー鎖と同じ反転でまっすぐ並ぶ。見立て「極限集合は鏡の円のガスケット」も外れで、極限集合は曲率 −6・11・14・15 の双対の円から作ったガスケットだった。鏡で写した双対の円の集合と、デカルトの円定理で作ったガスケットは、曲率 20,000 まで 15,985 個が 1 つずつ一致した。役割を入れ替えると、鏡の円のガスケットは双対の円で鏡を写した像になる(曲率 200 まで 413 個)。双対の円の中では 3 枚の鏡が理想三角形の辺になる。3 つの接点を 0・1・∞ に送ると、深さ 9 までの頂点 1,536 個がすべて既約分数になり、隣どうしは |ps − qr| = 1 を満たした(フォード円と同じ隣り合い方)。次元は、ガスケットの円を曲率 409 万 6 千まで数えた指数で 1.3058、鏡の像の覆いの Σ rˢ で 1.3056 になった(文献値 1.305688 は照合用)。覆いを枚数で数えると 1.320 で、まだ下がっていた。互いに接する鏡の球 4 つでは、6 つの接点が 1 つの球 Σ に乗り、像はすべて Σ と直交する(半径の組 3 通り)。凸面鏡の像は反転と一致しない(遠くのものの像は中心でなく半径の半分に結ぶ)。

117. 一様な点滅で揺すった興奮と抑制の場には、乗数 −1(2 周期でひとめぐり)と +1(点滅と同じ周期)の 2 つの舌が立ち、底の振動数の比はほぼ 2。+1 の舌は点滅の 2 次の高調波が作るので、明かりと暗がりが半分ずつの点滅では開かない。「低い振動数で六角形、高い振動数で縞」はこの係数では成り立たない

点滅光と皮質の模様。興奮と抑制の 2 成分の神経場(Rule・Stoffregen・Ermentrout 2011 の型。係数は自分で選んだ)を、空間に一様な矩形波で揺すった。入力が一定なら、どの波数の乱れも減衰する。明かり 25% の点滅では、乗数 −1 の舌の底が Ω₁ = 2.015(強さ 0.225)、乗数 +1 の舌の底が Ω₂ = 1.018(強さ 0.361)で、比は 1.980 になる。乗数と 1 次元の場の直接積分は、1 周期あたりの倍率が 2.2×10⁻⁵ 以内で一致した。明かりを 50% にすると +1 の舌は強さ 0.9 まで開かない。矩形波の 2 次の高調波が 0 になるためで、25% なら基本波の 0.707 倍ある。Ω₁/n の近くの倍率の山は n = 1・2・3 にあり、乗数の符号 −1・+1・−1 はファラデー波の Mathieu の舌と同じ並びになる。2 次元では、+1 の舌は閾値のすぐ上で六角形、少し上で縞になった。−1 の舌は Ω = 1.8 で縞、底の近くでは六角形も残った(見立て「−1 なら縞」は半分外れ)。振動数は Hz に直していない。図はすべて静止画で、点滅は再現していない。

116. 線の向きを好む細胞の結合は、位置だけ回すと形が変わり、位置と一緒に向きの札も回したときだけ変わらない。この対称性のもとで線の模様は偶と奇に分かれ、延長線上だけを結ぶ結合では奇が先に現れ、結合の向きを ±45° まで広げると偶に入れ替わる。偶の四角は p4m、奇の四角は p4g、偶の六角は p6m、奇の六角は p6 で、3 回以上の回転の中心では線が消える

蜘蛛の巣の幻視と、向きごと回す対称性。Bressloff ほか(2002)の一次視覚野のモデルを計算でたどった。向き φ の細胞が φ の延長線上の同じ向きの細胞と結ぶ核は、位置だけを 15° から 120° 回すと相対 2 乗平均で 0.92 から 1.47 ずれ、向きの札も同じ角だけ送ると 1e−15 の桁で一致する。格子の上の計算と 90° 回転の入れ替えでも、1.40 と 7.8e−16 に分かれた。平らな状態に足す波の固有値は β の 1 次で W₁ + β(g₀ ± g₂) になり、+ が偶、− が奇にあたる。g は波数の側の積分と実空間のベッセル積分で 1.4e−15 まで一致し、固有値そのものとの差は β の 2 乗で消えた。延長線上だけのメキシカンハットでは奇が先(β = 0.05 で奇 0.5939・偶 0.5795)で、結合を ±χ₀ の扇に広げると差は sin 4χ₀ / 4χ₀ 倍になる。入れ替わりの角は β = 0.1・0.05・0.025 で 44.30°・44.68°・44.85° と 45° に寄った。模様の対称性は見立てどおり p4m・p4g・p6m・p6 で、札を回さずに数えると p4 と p2 に落ちる。3 回・4 回・6 回の回転の中心では線の強さが 0 になり、2 回だけの中心では最大になる。V1 の座標は視野の対数なので、線分を視野に戻すと向きは φ + θ になり、ずれは線分の長さの 2 乗で消えた。偶の四角は放射の線と同心の弧が市松に並ぶ蜘蛛の巣に、傾けると渦を巻く網になる。どの模様が最後に残るかは計算していない。

115. 近くを興奮させ遠くを抑える結合を持つ皮質の面では、育つ波数が k_c² = 4 ln r/(r² − 1) と閉じた形で決まり、縞と六角形の境目は応答の 2 次の項 γ と臨界からの距離 ε で ε = 4γ²/3 と ε = 16γ²/3 になる。数値の境目はこの式に ε の 1 乗で寄る。小さな γ を足すだけでは縞のままで、抑制の幅が興奮の幅より少しでも広ければ模様は必ず出せる

皮質の縞と六角形。幻視の幾何学模様は一次視覚野の面にできる縞と六角形の活動だと説明されている(Ermentrout と Cowan 1979、Bressloff ほか 2002 の記述による)。神経場 u_t = −u + w ∗ f(u) に、幅 1 と幅 2 のガウス関数の差の結合と f(u) = μu + γu² − u³ を置いた。r = 2 で k_c = 0.9614、臨界の利得は 2.1165 になる。結合のフーリエ変換の式は平面の数値積分と 10 桁まで合い、雑音から育てた模様の波数は k_c の 0.978〜1.003 倍だった。3 つの波の振幅の式を自分で導くと、六角形があるのは ε > −γ²/15、縞が安定なのは ε > 4γ²/3、六角形が安定なのは ε < 16γ²/3 になる。縞が不安定になる γ は式の 1.039・1.019・1.009 倍、六角形の側は 0.942・0.970・0.985 倍(ε = 0.1・0.05・0.025)で、ずれは ε を半分にするとほぼ半分になった。格子と箱を 2 倍にしても値は動かない。γ = 0.25 の六角形は ε = −0.0035 でも残り、−0.005 で消えた(式の下限 −0.00417)。見立て「γ が 0 でなければ六角形が先に出る」は外れで、ε = 0.05 では γ = 0.05 は縞のまま、γ = 0.15 は乱数の種で縞にも六角形にもなった。チューリング・パターンの見本では拡散の比に (√2 + 2)² = 11.657 のしきい値があるのに対し、神経場は抑制の幅が 1.05 倍でも臨界の利得が 27.87 と有限だった。

114. V1 の上のまっすぐな縞を複素対数 (x, y) = (ln r, θ) で視野へ戻すと、縞の傾きがそのまま螺旋の等角になり、縦の縞は同心円、横の縞は放射になる。視野を 1 周して閉じるには腕の本数 ky が整数で、食い違いは 2|sin(π ky)|。継ぎ目なく閉じる六角の模様は N = m² + mn + n² の整数ごとにしかなく、山の間隔は 2π/√N、N ≤ 100 に 61 種類(向き 0° が 10・30° が 5・左右の対が 46)

形の定数と対数の写像。幻視に決まって出る 4 つの型のうち、トンネル、漏斗、螺旋、蜂の巣を、一次視覚野の上の縞と六角の模様から作った。対数の写像は角度を保つので、tan ψ = −kx/ky で、縞の傾き β と螺旋の等角 ψ は同じ値になる。描いた折れ線から測った角は、点を 100・400・1,600 と増やすと式の値に 0.033°・0.0021°・0.0001° まで寄った。波数 |k| を決めると、腕の本数 m は整数なので螺旋の角は cos ψ = m/|k| の飛び飛びの値になり、|k| が整数でなければ放射の線にはなれない。六角の模様は 3 本の波とも ky が整数でなければならず、波数から数えた一覧と、三角格子を円筒に巻く向きから数えた一覧が 4×10⁻¹⁶ で一致した。種類の数は π/(3√3)·N に沿って増える。中心の近くは対数から外れる。半視野ごとの ln(z + a) では同心の輪が縦の子午線で 2·asin(a/R) だけ折れ、腕 m 本の螺旋は a/tan(π/4m) より内側で左右がつながらない。網膜の密度 1/(a + r)² を積分した写像では、螺旋の角が θ·a/(a + r) だけずれ、放射の線は中心を通らず c·a だけ離れた直線になる(これは見立てに無かった)。V1 でなぜ縞や六角ができるかは扱っていない。

113. 明るさ 4 段を扇の弧に並べた周辺ドリフトの向きは、潜時の模型では Im(c_k·conj(d_k))(d = c|c|)の符号で閉じた形に決まり、黒→濃い灰→白→薄い灰の向きになる。並びを逆にすると反転し、対称な並びでは 0 になる。灰の最適値は a = √2 − 1(相対輝度の 29.3% と 70.7%)。4m−1 次は逆向きで、仕組みの違う順応の模型では符号がつまみ次第

周辺ドリフトと扇の弧。青海波・鮫と同じ扇の並びの弧に、黒・濃い灰・白・薄い灰を並べた静止画である。明暗差の大きいところほど信号が早く出る(潜時 τ0 − α|c|)と置いて時空間の場を作り、右向きと左向きの運動エネルギーの差を測った。1 次の対向指数は +0.0684、逆の並びで −0.0684、対称な並びで 2e−15 になる。潜時を 1 次まで開くと場は c·h と α·c|c|·h′ の和になり、向きは 2 つの空間係数の位相差で決まる。奇数次 16 個の符号がシミュレーションと一致し、4m+1 次は +・4m−1 次は −(見立て「周期を変えても符号は同じ」は外れ)。灰のコントラスト a を振ると指数は a(1 − a)/(1 + a²) に 0.032% で沿い、山は a = √2 − 1 にある。コントラストの大きいところほど速く順応する模型は 12 通り中 + 8・− 4 で向きを決められない(見立て「別の模型でも同じ符号」は外れ)。人の目で動いて見えるかは確かめていない。

108. 手毬の組み合わせ 10 等分の糸 15 本は正二十面体の鏡映面 15 枚。球面は 120 の合同な三角形(90°・60°・36°)に分かれ、面の数=糸の鏡映が生む群の位数(120・48・16 の 3 つとも)。この網は正二十面体の面を中線で割って球へ押し出した網(ドームの triacon の系統)と一致し、糸 1 本は 12 の弧・3 種の長さに切れる

手毬の地割り。地割りを「極の対を通る大円を全部巻く」規則にすると、正二十面体の頂点 12 から大円 15 本が出て、どれも極を鏡映で保つ。鏡映の閉包の位数は 120 になる。交点は 62(5 本の点 12・3 本の点 20・2 本の点 30)で、半辺をたどって面を組み立てると辺 180・面 120 になる。120 面は全部合同な三角形で、角は点の型で決まる(5 本の点で 36°・3 本で 60°・2 本で 90°)。面積は角の超過 6°(π/30)ずつで合計 4π になる。組み合わせ 8 等分(9 本・26 点・48 面・45°/60°/90°)と単純 8 等分(5 本・10 点・16 面・45°/90°/90°)も同じ帳簿に載せ、3 つとも面の数が糸の鏡映が生む群の位数に等しい。単純等分だけ三角形が二等辺=糸の間に糸のない鏡映面が残る。★正二十面体の面の重心分割(測地線ドームの Class I とは別の Class II・振動数 2)を自前で組み立てると、頂点 62 が 1e−9 で一致し、型(頂点→5 本・辺の中点→2 本・面の中心→3 本)も三角形 120 も一致した。棒は 3 種ある。糸 1 本は 12 の弧(20.91°・31.72°・37.38°)に切れ、並びは半周で繰り返し、交差は 28 回ある。31.72° の 2 倍は正二十面体の辺 63.43°、3 種の和は 90°=2 本が交わる点は糸の上に 90° おきにある。見立て(12 弧・3 種・半周)は数字を出す前に書き、実測と一致した。家紋と同じく、ひとつの球には結晶学的制限がかからず 5 回対称が普通にある。

107. 円に内接する多角形をどう三角形に分けても内接円半径の和は同じ(日本の定理)。理由は Σ r = Σ d − (n−2)R で、対角線の項が両側で消える。同じ仕組みで内心の重心も分割によらず、Σ I = Σ M_k − 2(n−2)O。円から ε 外すとばらつきは ε の 1 乗

算額の不変量。円周上のランダムな n 点(n = 4〜8)で三角形分割を全部列挙(カタラン数 2・5・14・42・132 と一致)し、内接円半径の和が 10⁻¹⁵ の桁で揃うことを確かめた。理由はカルノーの定理 R + r = Σ(外心から辺への符号つき距離)を全三角形で足すと、対角線の項が両側で符号が逆になって消えることで、閉じた形 Σ r = Σ d − (n−2)R(d は多角形の各辺への距離。外心が外に出る辺は負)が全分割の和と一致した。四角形では 4 つの内心が長方形になる(隣り合う辺の内積 10⁻¹⁶・対角線が等長)。★見立て「n 角形でも隣り合う内心を結ぶ線は共通辺に垂直」は外れ(|cos| 最大 0.869)だったが、量の帳簿(面積の和・半径の積・周長の和・|OI| の和・内心の重心)から内心の重心が分割によらないと出た。内心は 3 つの弧の中点の三角形の垂心(I = M_a + M_b + M_c − 2O)で、対角線の弧の中点は両側で対蹠点になって消える。これは半径の和のベクトル版である。頂点 1 つを円から ε 外すと和は分割ごとに違い、ばらつきは ε の 1 乗に比例する(傾き 0.989・0.999・1.000)。デカルトの円定理・シュタイナー鎖と同じ「算額の不変量」の棚に入る。

106. 紙を扇に畳んで直線 1 本で切ると、出る紋は半径が交互の 2n 角形だけ(正 n 角形・正 2n 角形・凸 2n 角形・n 芒星)。桜を直線 1 本で切るには折り線を直線スケルトンと垂線の 35 本に増やす。折り線で鏡映を合成すると 20 の辺が 1 本の直線に乗り、内部の節は全部で川崎の定理が成り立つ

紋切り遊びと一刀切り。紋切り遊びの「扇に畳んで切る」を数理に戻すと、中心を通る n 本の折り線(半直線 2n 本・角 π/n)と、基本の扇の中の切り口である。切り口が直線 1 本なら、開いた形は二面体群 D_n の像 2n 本=頂点の半径が r1・r2 と交互の 2n 角形で、r2 = r1 なら正 2n 角形、r2 = r1/cos(π/n) なら正 n 角形、そのあいだは凸 2n 角形、外は n 芒星の 4 種しか出ない(n = 4・5・6・8 で確認)。中心の折り線 2n 本は川崎の定理を満たし、「半分に折ってからジグザグ」の山谷は M = n − 1・V = n + 1 で前川の定理に合う。桜(花弁 5・先端に切れ込み・頂点 20)は扇折りでは切り口が 2 辺の折れ線になり、直線 1 本では切れない。★一刀切り定理(Demaine・Demaine・Lubiw 1998・定理 1 は条件つき)の折り線=直線スケルトン(弧 25)+節から辺への垂線(10)を計算した。基本の面から各面へ、越えた折り線での鏡映を合成して辺を写すと、20 の辺が 1 本の直線に 1e−15 で乗る。面は 30、内部の 6 節は全部が偶数次数で川崎の定理を満たす。梅(頂点 30)は凹の頂点が向かいの辺に当たる分割イベントが起きて折り線 95 本・面 80、雪(六芒星)はスケルトンが中心からの 12 本=扇折りの折り線そのもので垂線は 0 本になる。見立て「桜の折り線は 30 本前後」は 35 本で 5 本多かった。切り口の長さは桜で周長の 1/22.7・梅で 1/28.8 になる(扇折りの 1/10 より深く重なる)。家紋の D_n と折りの川崎・前川が 1 枚でつながる。

105. 家紋には壁紙群に無い 5 回・8 回・16 回がある。ひとつの図形には結晶学的制限がかからない。巴・卍・井桁・違い鷹の羽は手を持つので鏡映を持てず、桔梗(D5)を格子に敷くと回転が全部落ちて pm に、卍(C4)を敷くと p4=紗綾形の群になる

家紋の対称群。16 の型を規則で作り直し(特定の紋帳は写さない)、印の集合の回転(2π/n・n = 24〜2)と鏡映(0.25° 刻み 720 方向)を総当たりして C_n/D_n に落とした。桔梗と梅鉢は D5・九曜は D8・十六葉菊は D16=和柄で「5 回対称の席が無い」とした壁紙群と、ひとつの図形の違いが 1 枚で見える。鏡映 0 は 6 型(左三つ巴・右三つ巴・二つ巴・卍・井桁・違い鷹の羽)で、巴は尾の巻き、卍は腕の折れ、井桁と鷹の羽は帯の上下(織り)が手になる。左三つ巴を鏡映すると右三つ巴に重なり、自分には重ならない(テーベの渦と同じ帳簿)。答え合わせは正 n 角形の頂点(D3・D5・D7・D8・D16)と片側に印を付けた点列を使った(C3〜C16)。★格子に敷いて17 群の判定機にかけると、桔梗(D5)は正方格子で回転 1・鏡映 1 の pm、亀甲(D6)は六方格子で p6m のまま、卍(C4)は正方格子で p4(紗綾形)、左三つ巴(C3)は六方格子で p3=手は格子に敷いても残り、格子に乗らない回転だけが落ちる。

104. 畳の掟「角を 1 点に 4 つ集めない」1 つで、6 畳の敷き方は 11 → 4・8 畳は 36 → 2・24 畳は 1 通りに落ち、48 畳(8×12)は畳だけでは敷けない。正方形の部屋は n = 2〜12 のどれでも 2 通り。n×n に半畳ちょうど n 枚は n·2^(n−1)

畳の敷き方で調べた。畳=1×2 のドミノ・半畳=1×1 とする。掟なしはマスの背理・列の転送・Kasteleyn の積公式の 3 経路が一致(8×8 = 12,988,816)、掟あり(tatami tiling・Ruskey・Woodcock 2009 の定義 1.1)は背理と転送の 2 経路が一致する。4 畳半(3×3)は畳だけでは奇数で敷けず、半畳 1 枚で 10 通り=中央 2(風車の左手と右手)・角 8・辺の真ん中 0(辺の真ん中に半畳を置くと両脇の畳の角と 1 点に集まって十字ができる)。24 畳(6×8)と 40 畳(8×10)は畳だけなら 1 通り、48 畳(8×12)と 35 畳(7×10)は 0 通りになる。★幅 1 列あたりの伸びは、掟なしが高さとともに 1.62 → 9.0 と速くなるのに、掟ありは 1.47 → 1.10 と遅くなる(高さ 2 は t(n) = t(n−1) + t(n−3) で x³ = x² + 1 の根 1.4656)=掟は部屋が広いほど強く効く。「高さ 3 以上なら多項式」という見立ては外れで、指数のまま底が 1 に寄る。n×n に半畳ちょうど n 枚は 12・32・80 = n·2^(n−1)で文献の式(Erickson ら 2011 の定理 2)と一致。半畳の枚数は n と同じ偶奇だけ(面積)に限られる。ロザンジュの「枚数は不変」・Wang の「規則が数を決める」と同じ棚 に入る。

75. 3 色を全部同じ形にすると、色を巡回させる等長変換は並進に落ち、渦巻きは 2 本の腕までしか巻けない。3 色は 2 色より厳しい

ミトラの階段雷文の続き。3 つの色の類が合同なら色を巡回させる等長変換 g がある。正方格子の点群の位数は 1・2・4 だけ(3 がない)ので、g の位数 k の冪 g^k は並進で、k と 3 が互いに素だから g^k も色を巡回させる。3 色は必ず並進型に落ち、3 つの類は互いの平行移動になる。2 色にあった半回転・鏡映・映進の型は使えない。族の総当たり 6,049 組で階段 1 段でも渦巻きの腕は 2 本まで(2 色なら 9 本)。「3 色の解の形 ⟺ 格子の平行移動で敷ける形」は 2 色の並進型の形 1,424 種と一致した(差 0)。発見69 で「サポテカの敷物は 3 色で制約をほどいている」と書いたのは逆で、敷物の 3 色目は別の形の地であるはず。六方格子なら点群に位数 3 があり、120° 回転の道が開く。

74. 環ごとの位数は写真から読める。重ねれば最大公約数に落ち、印が 1 つあれば 1 になる

太陽の石で調べた。CC 写真の帯ごとに角度列の FFT を取り、n 次成分を中央値で割って位数を読む。中心は写真で最も強い対称(中心の四角の 4 次)が最大の点で決める。中心の四角 4(63 倍)・日の記号の枠 20(3.5〜5.7 倍)・外環 2(23 倍)で、解像度を半分にしても同じになる。光線の先は 4 が最有力だが弱く、読めたとは言わない。位数 n₁, n₂, … の環を重ねた回転対称は gcd で、4・20・8・2 なら 2、年の記号 1 つで 1=曼荼羅ではなく文字盤である。20 の環は日の名で、365 ≡ 5 (mod 20) から年の担い手 4、52 年(発見71と同じ勘定)。

道具の罠: 位数ごとに中心を最適化すると、中心ずれの側波帯(4 の隣の 3・5、環の縁の 1・2)を拾って中心の環を 5、日の記号を 2 と読む。中心は測る量と独立に決める。

73. いちばん古いモザイクの画素は六方格子に並ぶ。写真の頭の隣の方向は 60° に集まり、殻の比は √3 に寄る

ウルクの円錐モザイクで調べた。CC 写真の中央から頭 266 個を起こすと、隣の方向の隙間は 45〜75° が 77%(正方なら 90°)、距離の第 2 殻/第 1 殻は 1.64〜1.72(六方 √3 = 1.732・正方 √2 = 1.414)で、ぼかしの幅を 3 通りに振っても六方側に寄る。暗い頭どうしの隣接は横の列の 2.5 倍が斜めの 2 方向に出て、ジグザグの腕は格子の対角に沿う。六方は最も密(π/(2√3))というより、接して続く方向が 3 つあることが画素として効く。正方の 45° は角で触れるだけで、丸い頭では線がつながらない。発見70 と同じ「写真から起こして測る」型で、こちらは点の並びを測った。

72. 幅のある線の縁は骨組みの周りを歩く 1 本の線で、各辺の両側を 1 回ずつ通る。1 本で描けるのは輪のない骨組みだけ

ナスカの一筆書きで調べた。線の中心を平面グラフ、幅を 2r とすると、図形の縁は r 近傍の境界で、閉曲線の本数は 1 + 輪の数(E − V + 1)になる。木なら 1 本で、歩きは各辺をちょうど 2 回通り、長さは 2L + Σ r(α − π) − Σ 2r cot(α/2)(α は頂点の隙間の角)になる。隙間の帳簿には Σ(α − π) = 2π(V − E) の恒等式があり、縁の総回転は木なら必ず 2π、輪 c 個なら 2π(1 − c) になる。乱数の木 30 本で歩き・閉じた式・距離場の等値線(独立の経路)の 3 つが一致し、弦を 1・2・3 本足すと閉曲線は 2・3・4 本、切れば戻る。渦巻きは輪でなく道なので、いくら巻いても線は 1 本のままである。

数える側の罠: マーチングスクエアの鞍点を固定でつなぐと角の先に長さほぼ 0 の偽の輪が出て 2 本に数えた。中心の値で解いて消えた。発見57 の一筆書きは線が交わる図、こちらは交わらない縁の図で、どちらも「1 本になる条件」が骨組みの帳簿で書ける。

71. 噛み合う二つの周期で来ない組み合わせは最大公約数で決まる。トーラスに描けば帯の本数がそのまま最大公約数で、暦の一周は結び目になる

マヤ暦の噛み合いで調べた。周期 a と b の歯車を同時に回すと状態 (t mod a, t mod b) は lcm(a, b) 個しか現れず、a×b のトーラスでは x − y ≡ 0 (mod g) の対角線だけを踏む(g = gcd)。帯の本数がそのまま最大公約数で、260 と 365 は 5 本に 1 本、94,900 組のうち 18,980 組しか来ない。ハアブの初日に来る日の名は 365 ≡ 5 (mod 20) だから 4 つ、数は 13 すべてで、52 = lcm(4, 13) = 18,980/365 が「52 年」の正体である。閉じた軌道は巻き数 (73, 52) のトーラス結び目で、径と角に取って描いた線は自分と 3,723 = 73×51 回交わる。これは T(52,73) の交差数 min(p(q−1), q(p−1)) に一致し、周期 2 と 3 の歯車で同じことをすると交差 3 の三葉結び目になる。

数える側の罠: 線は横軸について対称で、軸の上の交差は頂点の真上に来る。外積の積の符号で判定すると丸めで 3,721〜3,722 に揺れ、半開の規則(0 を負に寄せる)で刻みによらず 3,723 に止まった。リサジュー図形と同じ「二つの周期の合成」で、こちらは比が有理数なので必ず閉じる。

70. 石組は泡でも亀裂でもない。接合の角度は泡に似て、目地は途中で折れる

インカの石組で調べた。クスコの壁の写真 3 枚から目地の網を起こして測った。接合点は 126 個すべてが 3 本の目地の集まりで、接合角の分布は輸送距離で「同時に釣り合う」ボロノイの模型にいちばん近い(3.5〜8.1°。順に割る模型へは 15〜18°)。ところが接合点から接合点までの目地の 59〜68% に途中の折れ目がある。同じ道具で順に割る模型は 18%、ボロノイは 2%だった。泡は張力で滑らかな弧になり、亀裂はまっすぐ突き当たる。石組の目地だけが折れる。発見33 の「角と辺の帳簿」も逆向きで、ハトゥンルミヨクの壁は角の平均 7.31 が接合点の平均 5.92 より多い。

道具の答え合わせに「12 角の石」を使うと、接合点は 8 で動かず、角の数は輪郭の掃除のしきい値で 12・10・10・7 と動いた。角の数は定義に依る量で、接合点の数は依らない。写真から起こす帳簿は、解像度を変えて動かない量(接合点の数・T 字の割合・接合角の分布)と動く量(折れ目の割合)を分けて読む。

69. 図と地が同じ形になるのは、色を入れ替える等長変換が 1 つあるときだけ。階段を伸ばすと渦巻きは 2 本の腕に縮む

ミトラの階段雷文で調べた。2 色の周期模様で図と地が合同なのは、図を地に写す等長変換 σ が対称群にあるときで、σ は 2 回で元に戻り固定セルを持てない。半回転型なら中心はセルの角か辺の中点に落ち、幅と高さがともに奇数の格子では作れない。階段 n 段に腕が 1 ずつ縮む渦巻きをつないだ族を総当たり(段数 8・踏み面 3・腕 10・格子 48)すると図地同形の組は 27,644 で、σ の型は半回転 8,094・並進 6,432・縦鏡映 11,403・横映進 1,393・縦映進 322・横鏡映 0。階段が 1 段なら腕 9 本まで、2 段以上なら腕は 2 本までに限られる。階段と渦巻きは取り引きの関係にある。

おまけが 2 つある。領域の形を先に決めて数えると解は 0 になり、格子の商(トーラス)で考えると解が見つかる。発見68 の「半回転の辺は中点を通る」を模様全体に広げたものが図地同形で、同じ半回転が両方に効いている。階段の傾きを 1/φ² にすると列はフィボナッチ・ワードになり、二度と繰り返さない。

68. 噛み合う辺の写し方 3 つが隣の列の向きを決める。半回転の辺は必ず中点を通り、その自由度は半分の長さの自由な辺の数に等しい

アンデスの噛み合う魚で調べた。長方形の台紙に並進(T)・半回転(C)・映進(G)の辺を組むと、同じ材料で並びが「同じ向き・逆さ・向かい合わせ」に分かれ、和柄の検査機で p1・p2・pg になる。面積はどう曲げても台紙の 240(乱数タイル 36 個でずれ 10⁻¹³)が保たれる。半回転の辺は必ず中点を通る(c(1−t) = R(c(t)) に t = 1/2)。格子の道で数えると自由な辺 F(w) と半回転の辺 C(w) は C(w) = F(w/2)(w = 4〜16 すべて)で、自由度はほぼ平方根。織機の格子に落としても 9,216 セルの帰属に重複も抜けもなく、噛み合いは壊れない。

67. 安定な渦列は存在しない。乱れが育たない間隔がただ一点あるだけ

カルマン渦列で調べた。千鳥に並んだ渦の列の成長率は、列の間隔 h*/a = 0.2805499 のただ一点で 0 に触れ、両側では正になる。測った値で sinh(π h*/a) を計算するとちょうど 1(8 桁)=h*/a = ln(1+√2)/π を測定から言い当てた。成長率はブロッホ分解と数値ヤコビアンの独立 2 経路で 0.5% 以内に一致する。中立点でも押し返す力はなく、「安定」ではなく、他のどの間隔よりも長く形を保つだけである。橋脚の後ろに毎回同じ形の列が見えるのはそのためである。

そして相手の列を消しても壊れる速さが変わらない。向かい合わせ(互い違いでない)の 2 列は、間隔をどう変えても成長率が π/4·Γ/a² のまま動かない(h/a = 0.15〜0.8 でずれ 10⁻⁷)。この値は相手の列を消した 1 列だけの値と同じで、θ = π の和 Σ 1/sin²(πd/M)(d 奇数)= M²/4 の恒等式から閉じた形まで出る。列の間隔という「つまみ」は、向かい合わせでは全く効かない。千鳥だけが列どうしの干渉で列内の暴走を打ち消せて、それも一点だけで起きる。最初に伸びる波はどちらも θ = π(渦が対を作る壊れ方)になる。

おまけが 1 つある。1 列の成長率は、2×2 の固有値から出す閉じた形と数値ヤコビアンの 2 通りで 0.785 に一致する。発見40 の「記憶の文献値」と対で、閉じた形と数値が食い違ったら両方を出し直すことが要る。

66. 置換の拡大率が整数でないなら、タイルは辺をまたぐしかない

非周期のギリで調べた。Darb-i Imam 型の置換(大きなギリ・タイルを小さなタイルに分割する・拡大率は無理数)を探すために、座標を Z[ζ₁₀] の整数 4 つ組で持つ厳密な探索を作った。T 字(頂点が辺の途中に乗る置き方)も環の等式で判定できる。答え: φ 倍・φ² 倍の大タイルを「またがずに」埋める分割は、T 字を許しても 5 種すべてに存在しない。理由は 1 行で、大タイルの辺は内側のタイルの単位辺で過不足なく覆うしかなく、長さが正の整数でなければ覆えない。φ も φ² も無理数だから即死する。Lu・Steinhardt の図で小タイルが大タイルの辺をまたぐのは、様式ではなく必然だった。

ついでに 2 つ閉じた。整数倍(2 倍・3 倍)は T 字を許しても菱形(4 枚・9 枚)以外に分割がない=発見60 の「辺を揃える型では」の限定が外れて結果が強くなった。そして面積の帳簿: 5 種の面積は (sin36°/2)·(a+bφ) の厳密な整数対で、枚数は Z[φ] の連立 2 本に縛られる。五角形の φ 倍・φ² 倍と菱形の φ 倍は面積の時点で不可能である。逆に六角形×2 は枚数の解(六角形 4 枚)が 1 つだけあるのに幾何が拒む。面積が許しても幾何が拒むことがあり、幾何を探す前に面積で絞れることがある。

65. 0 を出す唯一のつなぎ替えは「向かい」。向きが通る盤では作れない

かけ算第24号の積み残し「なぜ偶数の周期盤では 0 が出ないのか」が解けた。タイル 1 枚の弧を除くと、残りは 4 つの中点を 2 本の道で結んでいて、結び方は 3 通りしかない。同じ分け方 → −1・もう一方 → +1・向かいどうし → 0 で、この対応に例外が 1 件もない(1,140 マス)。0 の犯人は「向かい」だけである。

そこで向きを入れる。2 色の塗り分け(どの弧も両側の色が違う)から、全曲線に「藍を左に見る」向きが入る。この向きで見るとどのセルでも向かい合う中点は同じ入出クラス(両方入る か 両方出る)。「向かい」のつなぎは同じクラスの 2 点を 1 本の道で結ぶことを要求するが、向きが通っている限り道の一端は出て一端は入るから作れない。偶数の盤では塗り分けが矛盾なく閉じるので、これで終わりになる。奇数の盤では塗り分けが 1 周して反転する「縫い目」が残り、縫い目を奇数回くぐる道だけが向きを反転させて 0 を作れる。実測も完全に符合: 0 のセルの道 108 本すべてが反転を奇数回はさみ、対照の道 408 本はすべて偶数回。コーラムの「鏡 1 枚はちょうど ±1」も、壁で全部が閉じ平面で向きが通ることの帰結として同じ屋根の下に入った。

64. 円の輪が一度閉じたら、どこから始めても閉じる

シュタイナー鎖で調べた。大きい円と偏らせた小さい円のあいだに、両方に接しながら互いに接する円を並べる。開始角を 16 通りに振っても、継ぎ目(最後と最初)のずれは 10⁻¹⁵〜10⁻¹³ で隣どうしのずれと同じ桁にとどまる。閉じ方だけが甘いということがない=どこから始めても閉じる。

種は反転にある。交わらない 2 円は、共軸族が点に潰れる場所を中心に反転すると同心円に写る(偏心 4 通りで中心のずれ 10⁻¹² 未満)。同心円なら回転の対称性で明らかに閉じ、反転は接することを保つので戻しても閉じる。閉じる条件も同心円に写せば sin(π/n) = (ρ₂ − ρ₁)/(ρ₂ + ρ₁) だけになり、半径の比しか出てこない。

おまけに鎖の円の中心は楕円に乗る。焦点は 2 円の中心で、距離の和は 2 円の半径の和(実測のずれ 10⁻¹⁵)になる。鎖の円は内円に外接し外円に内接するので、和を取ると鎖の半径が消える。式が先に出るので驚きはないが、道具の検算になる。

63. 籠目の編み方は、全体の裏返しを除いて一通りしかない

籠目で調べた。竹籠の 3 方向の帯を「どの帯に沿っても、くぐる・またぐが交互」に編めるかを、各頂点 1 ビットの排他的論理和の連立にして GF(2) で解いた。3×3 から 6×6、縦横の違う 4×6・3×5 まで、いつでも解があり自由度はどれも 1である。その 1 は全体をまるごと裏返すぶんなので、編み方は本質的に一通りしかない。竹籠がどれも同じ編み目に見えるのは、他に選択肢がないからである。

同じ格子で 2 つの結果がある。反強磁性の基底状態では、どの三角形にも同符号の辺がちょうど 1 本(2×2 の 450 通り・3×2 の 8,882 通りすべてで例外なし・1 頂点あたり log は 0.5091 → 0.5051)。そして六角形の 6 頂点に +1, −1 を交互に置いた状態は、隣接行列の固有値 −2 の固有状態になる(残差は厳密に 0・対角化なし)。六角形の上では隣 2 つが符号違いで和が −2、外では打ち消し合って 0 になるだけの話で、紙の上で書ける。

注意が 1 つある。辺の向きを座標の差で測ると、周期の縁で巻き回った辺が 8.9° ずれて帯が切れる。向きは両端の副格子の組だけで決まるので、そちらから引く。

62. 「均等」を測る物差しは 2 つあり、点の撒き方の順位が入れ替わる

かけ算第25号|ポアソン × ボロノイ × 泡で調べた。ポアソン・ディスクの低波数 S(密度のゆらぎ)と、セルの帳簿の μ₂(辺の数の分散)を、同じ点集合に当てた。有限の窓だと六方格子でさえ S が 0.10 に見える(窓の縁の寄与)ので、周期境界で作り直し、箱の許す波数だけで測る。道具の答え合わせ=周期の六方格子で μ₂ = 0 ちょうど・S = 6×10⁻³⁰になる。

六方格子にゆらぎ σ を入れていくと 2 つの物差しは揃って単調に上がり、乱数(μ₂ 1.79・S 1.00)に行き着く。ところがポアソン・ディスクはこの道に乗らない。S 0.089 はゆらぎ σ ≈ 0.13a に当たるのに、μ₂ は 0.655 でゆらぎ格子の 3 倍以上。逆に μ₂ を揃えると S は半分以下になる。同じだけ密度が均等でも、セルの乱れ方は違う。さらに最小距離 r を 0.55a〜0.9a に振ると点数は 2.7 倍変わるのに、S も μ₂ もほとんど動かない=ポアソン・ディスクは連続な族ではなくひとつの状態である。

周期境界では ⟨n⟩ がどの撒き方でも厳密に 6.000 になる(トーラスのオイラー標数 0)。詰まり方の帳簿で書いた「有限の網では 5.7〜5.8」という縁の効果がここでは完全に消えている。Torquato と Stillinger(2003)は波数 0 の極限で S が 0 になる点集合を hyperuniform と呼んだが、ここで測ったのは有限の箱の最低波数での S なので、その分類には当てはめていない。

61. 「1 か所ひねると輪はちょうど ±1」は、閉じていて円板に縮められるときだけの法則

かけ算第24号|トゥルシェ × コーラムで調べた。コーラムの鏡 1 枚とトゥルシェのタイル 1 枚は、どちらも「4 つの端の分け方を変える」同じ操作である。コーラムでは 863 位置を総当たりして 0 が 1 度も出ないのに、トゥルシェでは出る。縁のある盤では 1,520 位置中 826 位置で 0 になり、その全部が「開いた鎖」に触れていた(閉じた輪だけに触れる位置では 0 件)。開いた鎖の本数は一辺 N に対してちょうど 2N 本で、どのタイルを回しても変わらない。

縁を貼ってトーラスにすると全部が閉じるが、それでも 0 が 66 位置に残る。今度はトーラスを 1 周する輪が犯人で、1 周する輪のない盤 11 面では 0 が出ない。さらに、1 周する輪の本数の偶奇は盤の一辺 N の偶奇と必ず一致する(N=4〜11 を 300 面ずつ・例外なし)。理由は 2 色の塗り分けで、色 (x+y) mod 2 は N が奇数の周期盤では 1 周して反転するから、そのぶんが 1 周する輪の奇数本ぶんとして残る。0 が出るのは一辺が奇数の盤だけ(奇数 90% 以上・偶数 0/40 面)。

偶数の盤でも、1 枚のタイルの 4 中点が同じ 1 周する輪に乗るマスは 162〜488 個あるのに、そこで 0 が 1 件も出ない理由は言えていない。トーラス上の非分離な閉曲線が内と外を分けないことは位相の教科書の事実で、ここでは使っただけである。この号で truchet.js の不具合(縁のある盤で開いた鎖を二重に数える)を 1 件直した。

60. 距離を取り替えると境界の向きは量子化するのに、「誰と隣か」は 9 割そのまま

距離を変えたボロノイで調べた。同じ 40 点を L1(碁盤の道のり)・L2・L∞(王将の歩数)・乗法重みで分割し、ラスタで帳簿をつけた。0°/45°/90°/135° に乗る境界画素は L1 77%・L∞ 81%・L2 36%(L1 の等距離線は水平・垂直・45° の折れ線だけ)なのに、隣接グラフの L2 との一致率は L1 0.89・L∞ 0.88。Lp の p を 1→40 に振ると一致率は p=2 を頂点、量子化は p=2 を底になだらか。島(切れたセル・囲まれたセル)が出るのは乗法重みだけ(3+1)で、L1/L2/L∞ ではセルは全部つながる。L∞ は「母点を 45° 回して L1」と 100.0% 一致(2 経路)する。

向きは 7 画素の窓の主軸で推定=角の近くは「その他」に落ちる。島の数は重みの散らばりで変わる。power 図は Aurenhammer 1987(SIAM J. Comput. 16, p.79。Laguerre diagram が同義語)。⚠️ 「Apollonius」は文献ごとに逆で、Aurenhammer・Klein は乗法の重みを、CGAL は加法の重みをそう呼ぶ。

59. 鏡映で不変な閉曲線は軸を垂直に横切れるのは 2 回まで。だから対角線対称の一筆コーラムはない

コーラムの続き。D4 対称(回転+鏡映)の鏡で一筆にできるかを、菱形 r=2〜5 で群の軌道ごとに全探索した(64〜32,768 通り)→ 最少の輪は 3・3・5・5 で 1 本は 1 度も出ない。C4(回転だけ)と縦軸の鏡映なら 1 本にできる。理由: 輪が鏡映で不変なら、輪の上に誘導される鏡映は円の鏡映で不動点はちょうど 2 つ。対角線を垂直に横切る点は不動点なので 1 本の輪に 2 つまで(実測: 各輪 2 か 0)である。対角線は 4⌊r/2⌋+2 回横切られる → 輪 ≥ 2⌊r/2⌋+1 =全探索の最小値そのものになる。縦軸の鏡映は壁での折り返し 2 つだけが不動点なので、鏡を軸に置かなければ 1 本にできる。

証明の形には書いていない(全探索と横切りの数で確かめた)。貪欲法で「5 本止まり」と書いたのを、全探索で「不可能」に言い換えた。

58. 帯の規則は並べ方を知らない。非周期に並べても辺を越えて直線で続く

非周期のギリで調べた。発見54 の帯の規則(辺の中点から 54°・鏡映で対になる線と結ぶ)をペンローズ P3 の 2 つの菱形にそのまま載せた。共有辺の中点 105・290・815 個(置換 3・4・5 回)すべてで両側の帯が 180° で向き合う=周期パターンで見た性質が非周期でも例外なく成り立つ。規則が「中点・角度」しか見ていないからである。太い菱形はギリの「菱形」そのもの、細い菱形は 5 種にないが線 8 本が 4 組に対になる。

「頂点の型が有限だから閉じた輪の長さも有限種類」という予想は外れ: 帯はほとんど閉じず(置換 4 回で輪 2・鎖 60)、閉じるのは中心の 5 回対称点を巡る環で置換ごとに 1 つ増える(30→40→90→210→310)。置換 5 回では 30 の環が 5 か所に写る。5 種のギリ・タイルそのものの置換規則は、整数倍で辺を揃える型(2 倍・3 倍)を全探索して菱形以外に存在しないと決着(道具の答え合わせで「十角形 = 細長い六角形 3 + 蝶ネクタイ 1」も見つかった)。Darb-i Imam 型(辺をまたぐ・無理数倍)は探索の外にある。toFixed の −0.0000 が別の鍵になり 5 回対称が 1 本外れて見えた。

57. 鏡 1 枚で輪の本数はちょうど ±1 動く。だから一筆書きは「輪 − 1」枚で必ず作れる

コーラムで調べた。組紐と同じ鏡の曲線の模型に、内側の「鏡」を足した。鏡なしの長方形は輪 = gcd(8 例)、菱形 r は 2r−1 本になる。鏡を 1 枚足したときの変化を全位置で総当たり(鏡なし 5 配置+乱数の下地 12 例・2,000 位置超)すると−1 か +1 だけで 0 は 1 度も出ない。鏡は交差をつなぎ替えるだけ=別の輪なら合流、同じ輪なら 2 本に割れる。帰結は輪の偶奇 = (鏡なしの本数 + 鏡の枚数)の偶奇(乱数 100 組で外れ 0)と、一筆書きの最少の鏡 = 輪 − 1 枚(貪欲法が 6 例すべてでちょうど届く)。上下は隙間の型(横/縦)で決めるだけで全交差が交互=交代絡み目になる。

D4 対称の鏡だけの一筆は貪欲法で 5 本止まり(できないとは言えない)。鏡の曲線とコーラムの対応は Gerdes 本人が書いている(Forma 22, 2007, p.130「のちに、タミルの kolam のいくつかも鏡の曲線として書けると分かった」)。⚠️ Yanagisawa・Nagata は鏡を使わず、45° 双対格子の交差/非交差で組み立てる。壁の隙間から外へ向かう出発を状態に数えて曲線が点の外へ出た。出発は歩が通るマスに点があるときだけに限られる。

56. 尖る場所は円を境に「軸」から「対角」へ跳ぶ。軸の曲率の冪 ε^{1−2/n} が n=2 で 0 になる

スーパー楕円で調べた。|x|ⁿ + |y|ⁿ = 1 の曲率を第 1 象限で追うと、n<2 では軸の点で最大(発散)、n>2 では対角 45° で最大、間の角度には止まらない。理由は軸のそば x = a − ε で κ ∝ ε^{1−2/n}(両対数の傾きが n=1.5〜8 で式と 0.03 以内)。指数が n=2 でちょうど 0 になり、その両側で発散と 0 に振れる。Piet Hein の n=2.5 は軸の曲率が 0 で対角だけ丸い=「長方形と楕円の間」の見え方の正体。面積は Γ の閉じた式と数値積分が 9 点で 1e-6(2 経路)・n=2.5 は外接長方形の 84.5%。

n<1 は軸が尖点で冪の話の外にある。a:b=6:5 では跳ぶ先が 45° でなく 33°になる。Sergels torg の n = 2½・a/b = 6/5 は Gardner の Mathematical Carnival, p.250。⚠️ スマホのアイコンは連続曲率の角丸で、実測ではスーパー楕円より円弧の角丸のほうが近い=この話は落とした。

55. 1 本の線が面を埋めるとき、守れる「近さ」は片方だけ。ヒルベルトは一方を定数で守り、もう一方では最悪

ヒルベルト曲線で調べた。L-system の亀とビット演算の 2 実装が 1,024 点で完全一致する。「番号が近い→場所が近い」を max |Δp|²/|Δi| で測るとヒルベルトだけ 2.5→3.6→4.5→5.2→5.6 と頭打ち(曲線そのものの最大は 6=Bauman 2006 の定理 1。t=23/48・25/48 で達する。格子の時刻だけを見ると届かない)で、蛇行は √N−1・Z 順は N と伸びる。逆の「場所が近い→番号が近い」(隣のマスの番号差の最大)はヒルベルト ⌊5N/6⌋・Z 順 (N+2)/3・蛇行 2√N−1(n=3〜7 で式に一致)=どの線も守れず、ヒルベルトが最悪で蛇行が最良である。線には端が 2 つしかないので、面を埋めればどこかで隣が遠い番号になる。

全対の最大は 4ⁿ 点の総当たりで n=6 まで調べた。Moore 曲線(4 本を回して閉じる)は最後が最初の隣=一筆書きの刺繍に向く。

54. 帯が辺を越えてつながる理由は「中点・同じ角度」の 2 つだけ

ギリ・タイルで調べた。5 種のタイル(辺 1・角は 36° の倍数)を内角の列から作図し、十角形の格子を 4 通り総当たりして穴を機械分類すると、θ = 72° と 108° だけが穴=蝶ネクタイ 16 の周期パターンになる(36°/144° は重なる)。帯は「辺の中点から 54°・鏡映で対になる最も近い線と結ぶ」だけで、共有辺の中点 132 個すべてで両タイルの線が 180° で向き合う=辺を越えて直線で続く。十角形では中点を 1 つ飛ばしに結ぶ弦になり 2 つの五角形の 10 角星が出る。トゥルシェと同じ「中点で必ずつながる」型である。

中点から中点へまっすぐ渡る帯(共線の対)は、交点判定が「平行」で弾くと線が余るので、共線の対も対として数える。こうすると全タイルの線が対になる。帯の規則は Hankin 1925 の p.4(接する多角形=中点から X に 2 本)で確かめ、角度をつまみにしたのは Kaplan 2005 だった(2000 年の論文には出てこない)。中点で 72° と 108° に交わる点とタイルごとの回転対称は Lu・Steinhardt p.1106 と一致する。「準結晶」は模様全体ではなくダルビ・イマーム廟など特定の作例の話で、論文自身が「完全な準結晶に少し届かない」と断っている。

53. 「均等」と「規則」は別の量。片方だけ持つ配置がある

ポアソン・ディスクで調べた。「どの 2 点も距離 r 以上」だけで置いた点(Bridson)を、同じ個数の一様乱数・六方格子と並べ、回折の道具(角度平均の構造因子)で測った。低波数の S はポアソン 0.10・乱数 1.0=長い波長の濃淡が消えている(青ノイズ)。六方格子は同じ密度でも S に鋭い点(8.9)が立つが、ポアソンは q ≈ 2π/r の環(1.46)だけで点がない。均等(低波数が潰れる)と規則(ブラッグ点が立つ)は別の量で、ポアソン・ディスクは前者だけを持つ。最近傍距離の変動係数 0.49/0.09/0.00になる。

Bridson の論文は k について「typically k = 30」としか書かず、極大性も推薦も主張していない(保証は O(N) の計算量だけ)。k=100 で密度がさらに 7% 増えるのは、論文が触れていない量を測った結果になる。⚠️ 「反発 → 青ノイズ」は一般には成り立たない(Lagae・Dutré の実測)。出荷 SVG の本文に生の「<」をまた書いた(q < 0.5)。全 SVG 検査が拾って直した。

52. 紋様の全情報は「どこが何回崩れたか」の 1 枚の帳簿に入っている

アーベル砂山で調べた。「4 粒たまったら 4 隣に配る」だけの規則で、真ん中に積んだ砂はフラクタルの紋様に崩れる。崩す順番を 3 通り(待ち行列/走査/乱数)変えても配置と崩れた回数が 14,641 マスすべてで一致(アーベル性)。各マスの崩れた回数 u を数えると zfinal = z0 + Δu が全マスで等号が成り立つ。崩れは「4 粒出て隣から 1 粒ずつ入る」だけだからである。太鼓で音を決めたのと同じラプラシアンが、ここでは紋様の帳簿になる。安定な配置は群をなし、単位元 e = (2δ − (2δ)°)° は自分自身フラクタルで、e + e → e・e + δ → δ を 64×64 で確かめた。半径は √M に比例して広がる(比 1.96・1.98)。

単位元の式は Dhar ではなく Creutz 1991(Dhar 1990 にあるのはアーベル性と N_R = Det Δ まで。原典を開いて確かめた)。紋様の収束は Pegden と Smart の 2013 年の弱 * 収束で、各点の収束ではなく、極限の絵の中身は論文自身が未証明だと書いている。値 3 の割合は 1k→64k 粒で 39.5%→52.5% とまだ上がり続けている=形の収束は確かめていない。ラスタは自前の PNG を SVG に埋めた。base64 の中に偶然「NaN」が入ることがあり、検査は PNG を除いてから見る(実際に入っていた)。

51. 混ざり切らない乱数は「円より広い凍結」という嘘をつく。物差しは充填率 1/2

ロザンジュ・タイリングで調べた。菱形 3 向きの六角形は a×b×c の箱の平面分割と 1 対 1 で、枚数は並べ方によらず ab・bc・ca(空箱/満杯/乱数で厳密に一致)、総数は列挙が MacMahon の積と 7 箱で一致(4×4×4 = 232,848 まで)。「1 個足す/取る」の対称な連鎖で一様乱数に近づけると、角が 1 種に凍り、混ざるのは内接円の中だけ(n=40: 外の凍結 94.5%・内 3.6%・1/2 を横切る半径 0.997・n=16→40 で円へ寄る)。

100·n³ 歩で回しただけでは、内接円の中まで凍って見える。正体は混ざり不足で、見抜く物差しは充填率である。一様分布は補集合で対称なので 1/2 に来なければならないのに 0.36 だった(400·n³ で 0.503)。風紋の発見41・回折の発見47 と同じ「道具の癖が結論に化ける」型で、対称性から出る量を先に置くと見抜ける。MacMahon が Art.429 で与えているのは x の生成関数で、この積はその x→1(原本で確認)。内接楕円は Cohn・Larsen・Propp の定理 1.1 の系で、凍結領域の境界そのものは同論文の予想 6.2 どまりである。「アークティック・サークルの定理」の名は、アステカ・ダイヤモンドの側に付いている。

50. 乱数で回すだけの模様にも帳簿がつく。輪の数は一定、大きさに典型はなく、糸は線でも面でもない

トゥルシェ・タイルで調べた。四分円 2 本のタイルを確率 1/2 で回した盤(トーラス)の曲線は、中点の次数が 2 なので輪しかできない。輪の数を union-find と歩きの 2 経路で一致させ、答えの分かる盤(全部同じ向き=N 本×2N・市松=N²/2 個×4)で道具を確かめた。輪の数は 100 セルあたり約 10 本で N によらず、長さ ≥ L の割合は両対数で直線(傾き −1.14〜−1.25)、輪の長さと回転半径は ℓ ∝ R_gD で D = 1.59 → 1.68 → 1.67(N=64→256)。2 色塗りは規則から出る。切り取られる 2 角は対角で偶奇が同じなので、帽子=その偶奇・帯=反対で塗ると弧 16,000 本すべてで両側が違う。

輪がパーコレーションの hull と同じであることは Roux・Guyon・Sornette の 1988 年の「Hull percolation」、次元 7/4 は Saleur と Duplantier の 1987 年の論文(どちらも要旨を読んだ。本文は有料で開けなかった)。⚠️ 7/4 は hull そのもので、外から触れる周は別物の 4/3。測った D は 1.75 に届いておらず(届かないことを検査に固定)、小さい輪の補正が残る。DLA の 1.7 と近いが、同じ数かどうかはここでは言えない。

49. 向きを増やしているのは回転ではなく、裏返しだった

ピンホイール・タイリングで調べた。1 種の直角三角形(1:2:√5)を 5 枚に割る置換は、0.2 格子の総当たりで2 通りしかない。どちらも 5 枚の回転は全部同じ(親から arctan(1/2)+90° の倍数)なのに、裏返しが 3 枚混ざる Radin の組だけ向きが 1→4→13→22→30→38→46→54 と増え続け(増分 3, 9, 9 のあと毎回 8)、5 枚とも裏返しの組は 4 で止まる。理由=鏡の中では回転が逆回りなので、表と裏が混ざると n 世代の回転が Σ(±α) で −nα〜+nα に散らばり、揃っていれば nα の 1 つに畳まれる。

垂線で 2 つ・中点で 4 つに割る分割は「5 枚とも裏返し」の組そのもので、向きが増えない。ここに理由がある。α/π が無理数で向きが本当に無限なことは、Radin 1994 の p.664 が証明を付けずに Niven と Zuckerman の教科書の定理 6.15 から引いている(Radin 自身の定理ではない。記事で原典を開いて確かめた)。ここで確かめたのは有限世代の数と、a·α が 90° の倍数へ戻らない数値(a ≤ 10⁶ で最接近 6.4×10⁻⁵°・10 倍で約10分の1にしか縮まない)だけ。

48. 稜線は辺の法線に立ち、平均は周長しか知らない。発見39 の「向きで決まる」理由

時間と周波数で調べた。発見39 で導いていなかった理由を、発見47 の辺の和の式から出した。辺の和の各項は辺の両端に分かれるので、頂点で集め直すと F = (1/q²) Σv [tan∠(q,tout) − tan∠(q,tin)] e−iq·v(角の式・辺の和と 10⁻¹⁴ で一致)。係数は q の向きだけで決まる。一般の向きでは q⁻⁴(q⁴|F|² → Σc²・正方形と Hat で 2% 以内)。辺の法線では tan が発散=稜線になる。高さは q²·ΣL²(Hat の 6 本が 6/2/6/6/6/2 と 2.5% 以内)、断面は sinc² で幅は 1/q で縮む(θ½·q·L → 2.78・式 2·1.3916)。「どの向きを選ぶか」の答えは辺の法線、高さは辺の長さの二乗和になる。

全方位の平均は 2×周長/q³になる。稜線 1 本の角積分 2πL/q³ を辺ごとに ±n で 2 本足すだけで、角の寄与は 1 桁下になる。円板は 4πR/q³ = 2·(2πR)/q³ で同じ式になる。正方形・長方形・三角形・六角形・Hat・円板の 6 つが q=100〜400 で全部 1 の 7% 以内(平行な辺のない三角形は 1.000)。だから発見39 の「平均すると円板と区別がつかない」は偶然でなく、平均は周長しか知らない。向きの情報は稜線にだけ乗り、平均がそれを 1 本の長さに潰す。指数 3 は形によらない。

2P/q³ は小角散乱の Porod 則の 2 次元版だった。d 次元で q^−(d+1) に落ち、係数が界面の量に比例することは Cherny らの総説(式 19)と Bray の総説(式 69)にあり、2 次元の q⁻³ をこう呼ぶ用例もある。係数が 2P ちょうどになることは、円板の形状因子から自分で導いた。道具で 2 つ踏んだ: 帯平均で q³ を外に出すと q⁻³ の帯平均が膨らむ(±25% の帯で 1.14 倍・実測 1.175・円板まで一緒に外れて気づいた)/角度の刻みが稜線の幅 2π/(qL) より粗いと 2 倍以上外れる(180 刻みで 2.35・720〜4096 刻みは 1.015 で動かない=刻みを振った)。

47. タイルの形は「どのピークが明るいか」を決め、「どこにあるか」を決めない。そして包絡は相関を水増しする

Hat の回折像に、落としていた形状因子を入れた。多角形のフーリエ変換は発散定理で辺の和に落ちる(式は自分で導き、正方形で時間と周波数の閉じた式と 10⁻¹³、Hat 1枚でラスタ数値積分と 0.2% で一致=独立2経路)。結果: 明るい20ピークの位置は 0.05 以内で動かず、強度の |q| への傾きは −0.16(平ら)→ −2.74(1枚の形状因子の包絡 −3.06 と同じ側)。6回対称は残り(0.838 → 0.979)、鏡映線は増えない(0.171 → 0.102)=形を入れてもカイラルである。

形つきの像で鏡映線を探すと 0.628 と出て、「形で鏡映が現れた」ように見える。正体は円対称な包絡である。強度が |q| で急に落ちるぶんが回転相関も鏡映相関も水増しするので、輪ごとに平均で割ってから比べる(発見40・42 と同じ「測る道具が測りたいものを潰す」型)。論文の実験は重心の位置に丸い穴を開けているので、形状因子は「穴の円」で、13角形ではない。

46. 争奪は流域を「大きく」するが「細長く」はしない。4つ目の候補も h = 1/2 を動かせなかった

川の分岐で調べた。発見36・37 の残った候補「河道の争奪」を、地形を捨てた源頭成長の模型で試した。源頭を伸ばす権利を「流域の面積の m 乗」で配る(m = 0 は一様、m が大きいほど大きい流域が隣を奪う)。最大流域の占める割合は m とともに増える=争奪は効いている。それでも横壁を外した Hack の h は m = 0〜2 で 0.457〜0.521(種3通り・400×200)=全部 1/2 の近くで単調ですらない。幅の指数 w は 0.96〜1.09、細長さの指数は −0.07〜0.00=流域は相似のまま大きくなるだけである。恒等式 h = 1/(1+w) は 10% 以内で成り立つ。

これで「流す」「削る」「箱を伸ばす」「争奪」の4つを試し、どれも壁に頼らずに 0.57 へ届かなかった。争奪の規則(A^m で源頭を選ぶ・持続・枝分かれ)は自分で決めたもので、文献の再現ではない。

45. 緩和は「つながりの帳簿」を1ビットも変えず「面積の帳簿」だけを変える。そして隣の相関はこの規模では読めない

かけ算第23号|詰まり方の帳簿で調べた。発見33(同じ種から①順に割る②同時に割る③緩める)の網に、Lewis(面積は辺の数に比例)と Aboav・Weaire(多い辺の隣は少ない辺・n·m(n) = (6−a)n + b)を同じ物差しで当てた。③は①の接合点を動かしただけなので位相が同じになる。辺の数の分布も隣の辺数の多重集合も μ₂ も a も厳密に一致する。それでも Lewis の傾きは 0.34 → 0.50 に動く=釣り合いへ緩めると面積は辺の多いセルへ寄る(泡の「辺の数だけで育つか縮むか」の静的な影)。順に割る①はボロノイ②より辺の数の分散が 2.5 倍(4.17 vs 1.70・T字で割ると 3〜4 辺の小片と 8 辺以上の大きなセルが両方できる)。

b は自由でない。Weaire の恒等式 Σn·m(n) = Σn²(どんな網でも厳密・3つとも ずれ 0)から、⟨n⟩ = 6 なら b = μ₂ + 6a。自分で出したこの式と当てはめの b が 1.5 以内で合う。そして Aboav・Weaire の a は種と個数を振ると ①0.20〜1.03・②−0.11〜1.11 と重なる=100〜200 セルでは「作り方で変わる」とも「変わらない」とも言えない。分散と面積の帳簿は作り方で分かれ、隣の相関は分かれない(この規模では)。亀裂①を角で数えると ⟨角⟩ = 4.07 の帳簿になり、Aboav・Weaire は R² = 0.999・a = 2.36 でいちばん強く乗る=何を辺と呼ぶかで別の直線になる。

44. ゆっくり育てるほど成長形は平衡形へ近づく。β について単調に、角も同じ向きに。ただし届いてはいない

かけ算第22号|平衡形と成長形で調べた。結晶のかたちは平衡形(表面エネルギーの最小)、雪の結晶は成長形(拡散して付く規則)。同じ六角格子の上で、水蒸気の量 β だけを変えた Reiter の結晶を、同じ面積の正六角形(cusp 型 γ から出る Wulff の平衡形)と Jaccard 一致率で比べた。β = 0.15 → 0.3 → 0.6 で 93.6% → 72.7% → 32.4%、7 通りに振ると 7 点すべて単調。しかも角は3つとも格子の隣の向き(0°)にあり、Wulff の六角の角と同じ向きに立つ。格子の半径を 20 → 36 に振っても一致率は 3 点しか動かない=測っているのは形であって格子ではない。

2つ断っておく。①届いてはいない。β = 0.15 でも半径の比 0°/30° は 1.35 で正六角形の 1.155 に距離がある(面が凹んでいる)。β → 0 は計算が急に遅くなり、ここまでしか測っていない。「ゆっくりほど近づく」までで「極限で一致する」ではない。②cos 型 γ = 1 + ε cos 6θ の Wulff 形は「六角形」にならない。角が立っても面が丸く(半径の比 1.098・辺 546 本)、正六角形には γ′ の跳び=発見31 の cusp 型が要る。support 関数が 72 方向で 10⁻¹⁵ まで正六角形と一致することを2経路で確かめた。

43. 葉脈の分岐比は二分木の 2 でも川の 5 でもない。横枝の帳簿が決め、横枝の角度は Murray でしか決まらない

かけ算第21号|葉脈の分岐比で調べた。発見32(分岐比は「木であること」では決まらない。二分木 2.000・川 5 前後)の3点目として、葉脈に Horton の物差しを当てた。葉脈の作品は対称二分木を仮定していたが、羽状脈は主脈に側脈が横から入る木である。「横から入る」を Tokunaga の帳簿 Tk = a·ck−1 にすると、無限木の分岐比は自分で出せる二次方程式 R² − (2+c+a)R + 2c = 0 で決まり、自分で作った有限の木の N₁/N₂ が木を大きくするにつれ式へ単調に近づいた(a=1, c=2 で 3.909 → 3.9996 vs 式 4.000)。

主脈に側脈が 10 本ずつ入る羽状脈の R_B は 12.4になる。二分木の 2 より、川の 4.3 より、ずっと大きい。しかも手で数えられる(次数2 = 頭の2本 + 側脈10本 = 12)。羽状脈の分岐比は「側脈が何本入るか」そのもので、川が地形から受け取っている帳簿を、葉は自分で持っている。Tk が整数でない組(a=0.5)は丸めで帳簿が歪んで式から 9.7% 外れる=合わないのは式でなく木のほう。全次数の傾きで測る R_B は上の次数が数本しかないぶん式より小さく出る(3.79 < 4.00)。川の「5 前後」も同じ癖の物差しで測っている。

そしてつながり方と太さは別の帳簿だった。同じ木に Murray(p=3)とレオナルド(p=2)の太さを与えても R_B は === で一致する。ところが横枝の角度を決められるのは Murray だけである。葉脈の角度の式に横枝を入れると、Murray では細い支流ほど直角に近く入り(87.5° → 対等で 37.5°・細い極限は cos θ ≈ (2/3)(t/n₀)1/3 で 0.1% 一致)、レオナルドでは横枝の角度がすべて 0°に退化する。発見40(レオナルド則は木の角度を決められない)と同じ退化が横枝でも出る=羽状脈が側脈を「横から」出せるのは r³ の帳簿だから。

42. 「同じ音を2つ持てるか」を決めているのは、非周期かどうかではなく回転だった

かけ算第20号|非周期の太鼓で調べた。太鼓の節線の主役は縮退。同じ音のモードが2本あると、その重ね合わせが全部同じ音のままなので、1つの音から連続無限の模様が作れる。では、対称性を持たない非周期タイリングの輪郭を縁にした太鼓ではどうなるか。

同じ Hat のパッチから、足す対称性だけを変えた4つの領域を作って比べた(正方格子が厳密に持てる対称性だけを使うので、比較に丸め誤差が入らない)。結果は90°回転を足したときだけ隣り合う音の隙間が 10⁻¹⁴(機械のゼロ)に落ちる。素のまま 4.9×10⁻³/鏡映 8.3×10⁻²/180°回転 9.4×10⁻²/90°回転 2.9×10⁻¹⁴。ペンローズを縁にしても同じ結論になった。

つまり「非周期だから同じ音を2つ持てない」のではない。そして「対称性があれば縮退する」でもない。鏡映も 180°回転も立派な対称性なのに縮退しない。それどころか対称性を足したほうが隙間は広がった。効いているのは群が2次元の既約表現を持つかどうかで、鏡映も半回転も可換群(既約表現はすべて1次元)だから対を作れない。和柄の対称群の結晶学的制限(正方格子が5回対称を持てない)と同じ縛りが、こんどは使える対称性の側に効いてきた。

そして縮退が戻れば主役も戻る。90°回転を足した太鼓で縮退した2つを混ぜると、節線は回り続けるのに音は 76.750363 のまま動かない。測りたいものが、測れる精度より6桁よかった。固有値そのものは 10⁻⁸ ずれるのに、対の隙間は 10⁻¹⁴ で出る。隙間がゼロであることは行列そのものの対称性が保証していて、解の精度とは別の話だからである。

道具でも2つ踏んだ。単一ベクトルの Lanczos 法は縮退の2本目を見つけられない(不変部分空間ごとに1本しか出ない)。縮退を測る道具が縮退を潰していた。cI−A のクリロフ空間では収束しない(上端の相対的な隔たりが 0.06%)ので、A⁻¹ を共役勾配法で作る。

41. つまみが3つあっても、握っている量は分かれている

砂丘の風紋で調べた。跳躍(飛距離が高さで決まる)とクリープ(ならし)だけの模型で、つまみを1つずつ振ってみた。波長を動かすのは跳躍距離だけ(4 → 20 で 6.14 倍)で、高さへの敏感さ(1.18 倍)とクリープ(0.84 倍)は波長をほとんど動かさない。そのかわりこの2つは振幅を 0.26 倍・0.21 倍まで変える。ユークリッドリズムの発見29(「均等」の二つの条件が個数と並べ方を分担していた)と同じ形で、つまみと量の対応は1対1になりうる。

おまけに波長は時間で止まる。歩数を16倍に振っても 3.8% しか動かない(粗大化しない=波長という量が存在する)。ただし「波長は跳躍距離に比例する」と言い切るには足りない: 波長/跳躍距離は 1.41 〜 1.80 と 3 割ほど動く。

しきい値を測るとき、道具の癖のほうを測っていた。「振幅が初期の5倍を超えたら模様が立った」という判定で二分探索すると D* = 1.098 が返っていたが、そこで出ていたのは波長 2.01 =格子2マスおきの振動だった。クリープをあらわに解く書き方は D < 1 でしか安定でなく、その外では格子の振動が発散していただけである。振幅が大きい=模様がある、ではない。「NaN でない」と「波長が3マス以上」を一緒に見るように直すと、しきい値は 0.612〜0.619(種5通り)に落ち着いた。道具の癖の家系がまた1つ増えた。

自然の棚。実物のどこに数理が出ているか

「自然界に存在する数理で表せるパターン」は、このギャラリーの本線のひとつである。集まったものを何が形を決めているかで並べ直すと、次のようになる。

まだ空いている自然の棚(次に集めたいもの)を並べておく。✅ は埋めたものである。

空白地帯。次に収集したい仕組み

非周期の家系図は、置換(ペンローズ・Hat・Spectre)・射影(アンマン–ビーンカー・ドデカゴナル)・局所規則(Wang)・剰余ずらし(Krinkle)とだいぶ埋まった。「結び目・組紐」の棚も組紐で開いた。まだ空いている棚を並べる。

新図形への応用メモ