組紐と最大公約数
12×8 と 13×8 の長方形の中で、45°に走って壁で跳ね返る糸を、上下交互に織り上げた。
なにか
ミサンガ、組紐、かごの網代編み、ケルト装飾の下地のように、長方形の中を斜め45°に走り、壁で跳ね返りながら埋め尽くす糸の織りは、世界中の手仕事に現れる。ここに数論がひとつ隠れている。糸の本数は、縦横の最大公約数 gcd(p, q) にちょうど等しい。12×8なら4本、9×6なら3本、そして13×8のように縦横が互いに素なら、たった1本の糸が全体を織り上げる。ユークリッドの互除法の答えが「色の数」として目に見える。数理の正体は (p,q) トーラス絡み目の成分数の古典定理で、この織りはその平面表示になっている。
もうひとつの掟は「全域交互」である。どの糸も、交差のたびに上・下・上・下と必ず交互にくぐれる。結び目理論でいう交代絡み目になっている。このギャラリーでは、交点ごとの上下の条件をグラフの2彩色問題に直し、矛盾がひとつも出ないことを確かめた。
もう1枚
どう作ったか
糸はセルの辺の中点を通るようにした。角では2回の反射が半歩ずれて起きるので、格子点を通るモデルと違って角で退行しない。実装ではここに気をつけた。12×8・13×8 など 8 通りの縦横で、糸の本数は gcd と一致した。3本以上が1点で交わることはなく、どの交点でも2本の上下は逆になっている。
出典
- 数理
- (p,q) トーラス絡み目の成分数 = gcd(p,q)(結び目理論の古典)。平織り・網代編みの民俗数学。ケルト装飾のプレイトワークは P. Cromwell, "Celtic knotwork" (1993) に数学的整理がある
- 生成
- generators/braid.js(辺中点ビリヤード・上下は2彩色で決定・輪ごとに配色)