ドデカゴナル
30°菱形・60°菱形・正方形の3種類を、6方向に重ねた平行線の網から作り、6,885 枚の非周期タイリングにした。
なにか
ペンローズが5回対称、アンマン–ビーンカーが8回対称なら、これは12回対称で、時計の文字盤と同じ方位の数を持つ非周期タイリングである。結晶がとれる回転対称は2・3・4・6回だけ(結晶学的制限)だから、12回対称は「結晶には絶対に作れない秩序」で、実際に Ni-Cr 合金の準結晶として実物が見つかっている(石政ら 1985)。マッチング規則つきの原型は、ソコラーのタイリング (1989) である。
作り方はアンマン–ビーンカーで使った de Bruijn の多重格子の双対をそのまま6方向(30°刻み)に広げただけである。4方向なら8回対称に、6方向なら12回対称になる。「方向の数を変えるだけで別の準結晶一家が出てくる」こと自体が、この作り方(=高次元 Z⁶ の射影)の強さの証明になっている。枚数比は 30°菱形:60°菱形:正方形 = 1:√3:1 で、今度は√3が支配する。
どう作ったか
generators/ammann.js の多重格子の双対化を、N=6 に一般化した(違うのは方向の数だけ)。6,885 枚のどの辺も長さ1で(誤差 10⁻¹⁴ 以下)、形は面積 1/2・√3/2・1 の3種類だけである。枚数は 1847:3192:1846 で、60°菱形と30°菱形の比 1.7282 は √3 に近い。乱数で選んだ 1,500 点はどれもちょうど1枚に含まれる。辺の向きは6方向に 1% 以内で均等に分かれ、12回対称を統計として持つ。
出典
- 数理
- J. E. S. Socolar, "Simple octagonal and dodecagonal quasicrystals", Phys. Rev. B 39 (1989)。多重格子双対法は N. G. de Bruijn (1981) の一般化。12回対称準結晶の実在は Ishimasa, Nissen & Fukano, Phys. Rev. Lett. 55 (1985)
- 生成
- generators/dodeca.js(6方向の多重格子・決定的オフセット・半径14)