ジャイロイド×チューリング
ジャイロイドの曲面の上でチューリング・パターンの数式を解き、曲面全体を覆う縞を描いた。
なにか
蝶の翅には2つの数理が同居している。鱗粉の内部構造はジャイロイド(構造色=ミドリシジミの緑)で、翅の模様は反応拡散(チューリング)である。その2つを1枚の曲面の上で本当に同居させたのが、この作品である。ジャイロイド曲面を画布にして、シマウマの縞を生む数式を走らせる。
平面と違うのは、この画布には縁がないこと。周期で巻いたジャイロイドは閉曲面(オイラー標数−8=穴が5つ相当)なので、縞はどこまで行っても途切れず、首をくぐり穴を回り込んで、曲面全体をひとつの模様で覆う。
どう作ったか
メッシュの頂点を周期で巻いてグラフにし(全辺がちょうど2つの三角形に共有される、つまり閉曲面になっていることも確かめた)、その上で Gray-Scott をグラフ・ラプラシアンで解いた。パラメータは第8作チューリングと同じ F=0.055, k=0.062 である。道具の校正には対照実験を使った。同じソルバを平面(三角格子トーラス)にかけると、ちゃんと平面の縞が立つので、変えたのは幾何だけになる。注意がいるのは時間刻みで、平面格子で安定だった dt=1 はこのグラフでは発散するため、dt=0.45 に落として解いた。解は有界で、同じ種なら結果は完全に同じになる。
出典
- 数理
- A. Turing (1952)・Gray-Scott は Pearson (1993)。蝶の翅のジャイロイド構造色は Michielsen & Stavenga (2008)。組み合わせは本ギャラリーのかけ算第6号
- 生成
- generators/gyroid-turing.js(頂点2,764・26,000ステップ・dt=0.45)