モアレ02
同心円と縦の平行線を同じピッチで重ね、浮かぶ縞が左右に開く2組の放物線になることを確かめた。
なにか
モアレ連作の2枚目である。モアレ01で、円と円の縞は双曲線(|r₁−r₂|=一定)だった。では円と直線ならどうなるか。答えは放物線である。差の条件 r−x = c は、「中心からの距離と直線からの距離が等しい点」の集まりで、放物線の定義そのものになる。円錐曲線の教科書の定義が、網戸と定規で物理的に浮かび上がる。
面白いのは、和の族との住み分けである。積の波は差の項 cos(k(r−x)) と和の項 cos(k(r+x)) に分かれ、和の族 r+x=c も左に開く放物線族をなす。どちらが見えるかは位相勾配で決まる。|∇(r−x)|=2|sin(φ/2)| は右側(φ≈0)で小さくなって縞が太り、|∇(r+x)|=2|cos(φ/2)| は左側で小さくなる。差の波は右岸に、和の波は左岸に住む。1枚の絵の中で、ふだん「見えない」と言われる和の項まで観察できる。
どう作ったか
描いたのは円と縦線だけで、放物線は1本も描いていない。円と直線の交点 1,600 個は、差の族の放物線 y²=2cpx+(cp)² と和の族 y²=−2cpx+(cp)² に厳密に乗る(残差 10⁻¹¹)。
出典
- 数理
- 円格子と線格子のモアレが放物線族になるのは古典幾何(放物線の焦点・準線による定義と等価)
- 生成
- generators/moire-parabola.js(ピッチ11・中心は画面中央)