モアレ03
スポーク 96 本と 100 本の車輪を重ね、片方を 0.8° 回したとき、浮かんだ風車がどれだけ回るかを見た。
なにか
モアレ連作の3枚目は、平行線ではなく放射状の線を重ねる。スポーク N₁ 本と N₂ 本の車輪を重ねると、角度方向のうなり cos((N₁−N₂)φ) が浮かび、|N₁−N₂| 枚羽根の風車が現れる。自転車のホイールを2枚重ねたときに見える模様が、これである。
本領は、回したときに出る。片方を δ だけ回すと、風車は N₂/(N₂−N₁) 倍の角度だけ回って見える。この作品では25倍で、0.8°回すと風車は20°回る。これはノギスの副尺(バーニヤ)の回転版そのもので、主尺と副尺の目盛り数の差が、読めないほど小さな動きを読める大きさに拡大する。モアレ01の「小さなずれの拡大鏡」が、ここでは「小さな回転の拡大鏡」になる。時計の秒針のわずかな震えも、この仕掛けを通せば肉眼で見える。
どう作ったか
羽根は1枚も描いておらず、描いたのはスポークだけである。半径方向に平均した明度を角度の関数にしてフーリエ解析すると、羽根の本数はちょうど4になる。0.8° 回したときの風車の回転を位相から測ると 19.9° で、25 倍の予測と 2% 以内で合った。
出典
- 数理
- 放射格子のモアレ(円形バーニヤ)は計測工学の古典。回転拡大率 N₂/(N₂−N₁) は角度うなりの位相から
- 生成
- generators/moire-rose.js(N₁=96, N₂=100, δ=0.8°)