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ロザンジュ・タイリング — 積み木の錯視を乱数で積むと、真ん中に円が浮く

辺24の正六角形を菱形3向き(上面が生成り・左面が薄藍・右面が藍)で埋めた図。箱に積んだ立方体の山に見え、六角形の角は1種の菱形に揃い、中央だけ3種が混ざる
辺 24 の正六角形を、辺 1 の菱形 3 向きで埋めた(一様乱数)。立方体を箱に積んだ山に見える——キルトの「積み木(tumbling blocks)」と同じ錯視。角は 1 種に揃い(凍結)、中央だけ 3 種が混ざる

なにか

菱形(角 60°/120°)を 3 つの向きで並べると、立方体が積み上がって見える。キルトの「tumbling blocks」、床タイル、エッシャーの階段——古い錯視の模様である。数学ではこれを六角形のロザンジュ・タイリングと呼び、見え方が錯視ではなく厳密な対応だと分かっている: 辺 a, b, c の六角形の埋め方は、a×b×c の箱に立方体を崩れないように積んだ形(平面分割)と 1 対 1 に対応する。上面が 1 種、左面が 1 種、右面が 1 種の菱形である。

だからこの模様には帳簿がつく。何枚ずつあるか、何通りあるか、そして乱数で積むと何が起きるか

枚数は並べ方によらない、総数は積の式に乗る

立方体を 1 個足す(または取る)と、上面・左面・右面が 1 枚ずつ入れ替わるだけ。だからどんな並べ方でも 3 種の枚数は ab・bc・ca 枚で、正六角形(a = b = c = n)なら各 n² 枚——空箱でも満杯でも乱数でも同じであることを機械で確かめた。並べ方の総数は MacMahon の積 ∏(i+j+k−1)/(i+j+k−2)——小さい箱を全部列挙して、1×1×1 の 2 通りから 4×4×4 の 232,848 通りまで 7 箱で一致した。

乱数で積むと、角が凍って円が浮く

左に規則正しい積み木と乱数の並べ方(どちらも各64枚)、中にn=40の凍結の地図と内接円、右に中心からの距離ごとの凍結割合(n=16/28/40で内接円の位置で急に立ち上がる)、下にMacMahonの表
左=規則正しい積み木と一様乱数の並べ方(どちらも各 64 枚)/中=n=40 の凍結(近所が全部同じ種・3 色)と混ざり(砂色)。破線は内接円/右=中心からの距離と凍結の割合(n を振る)/下=列挙と MacMahon の式

「立方体を 1 個足す/取る」を等確率で提案し、崩れなければ受け入れる連鎖を回すと、並べ方は一様乱数に近づく(提案が対称なので一様分布が定常)。すると六角形の 6 つの角は 1 種の菱形に凍り、混ざるのは真ん中の内接円の中だけになる——アークティック・サークル(Cohn–Larsen–Propp, 1998)。凍結を「距離 1.6 以内の近所が全部同じ種」と決めて測ると、n=40 で内接円の外の凍結 94.5%・内の凍結 3.6%、凍結の割合が 1/2 を横切る半径は内接円の 0.997 倍。n を 16 → 28 → 40 と振ると、その半径は 1.017 → 1.011 → 0.997 と円へ寄り、立ち上がりは急になる。

★混ざったかどうかの物差しを持っている。一様分布は補集合(積んだ立方体と空いた隙間を入れ替える)で対称なので、充填率は 1/2 に来なければならない。400·n³ 歩で 0.503(n=40)。⚠️ 最初は 100·n³ 歩で回していて、充填率 0.36 のまま内接円の中まで凍って見えた——混ざり切らない連鎖は「円より広い凍結」という嘘をつく。これも検査に固定した。

⚠️ MacMahon の式とアークティック・サークルの定理は伝聞。確かめたのは列挙との一致(7 箱)と、測った凍結の割合だけ。凍結の判定は近所の半径の取り方で境の位置が少し動く。

→ ボロノイ(同じく「乱数で作っても帳簿が立つ」側)

→ ハニカム(六角形が平均の必然である側)

どう作ったか

generators/lozenge.js。列の高さの配列(平面分割)を持ち、見えている面を菱形に起こす(箱の奥の 2 つの壁も段差として数える——最初これを落として枚数が合わなかった)。機械検査は 9 件: 列挙 = MacMahon(7 箱)、★枚数の定理(2 箱×3 状態・崩れない)、菱形が全部辺 1 で面積の和が六角形、充填率が 1/2(400·n³)、⚠️ 100·n³ では 0.36 で円の中まで凍る、★内接円の外 94.5%・内 3.6%・1/2 の半径 0.997、n=16/28/40 でずれが縮む、出荷SVG 2 枚。

出典

数理
P. A. MacMahon, "Combinatory Analysis" vol. 2 (1916)/H. Cohn, M. Larsen, J. Propp, "The shape of a typical boxed plane partition", New York J. Math. 4 (1998)。⚠️ どちらも伝聞で、確かめたのは列挙と測定だけ
身近
キルトの tumbling blocks・床タイルの「積み木」模様
親戚
ボロノイトゥルシェ(乱数の模様の帳簿)・ハニカム(六角形)
生成
generators/lozenge.js(lozenge.svg n=24 の一様乱数・lozenge-book.svg 帳簿)