← ギャラリーへ

ひねった準結晶

アンマン–ビーンカーの頂点を2層、6° ひねって重ね、浮かぶモアレを描いた。

アンマン–ビーンカーの頂点2層を6°ひねって重ねたドットのモアレ。8回対称のロゼットが浮かぶ
アンマン–ビーンカーの頂点集合を2層、6° ひねって重ねた。同心円状のロゼットが非周期に散らばり、縞ではなく「花」が咲く

なにか

かけ算の第11号で、モアレとアンマン–ビーンカーをかけた。周期格子(ひねった蜂の巣)の次は、周期しない土台をひねる。モアレの数式は周期を前提にしているように見えるが、AB タイリングの骨格は4方向の平行線族(多重格子)である。各族は完全に周期的なので、回した相方と1族ずつうなり、親の式 d/(2sin(δ/2)) がそのまま効く。縞は4方向・45°刻みの多重格子になり、つまりモアレもまた準結晶の骨になる。8回対称は重ね合わせを生き延びる。

これは絵空事ではない。グラフェン2枚を30°ひねると12回対称のツイスト準結晶になることが実測されている(Ahn et al., Science 2018)。マジックアングル(周期側)とツイスト準結晶(非周期側)は、この連作の第8号と第11号にそのまま対応する。

どう作ったか

各線族のうなりの周期は、輝度を走査して測ると 9.50 で、1/(2sin(δ/2)) = 9.55 と 1% 以内で合う(測り方はモアレ01と同じ)。縞の波数ベクトル (R(−δ/2)−R(δ/2))ek は元の族の方向に直交し、長さは 2sin(δ/2) になるので、縞も4方向45°刻みの多重格子になる。ロゼットは1つも描いていない。描いたのは点だけである。

→ モアレ01(親1)

→ アンマン–ビーンカー(親2・多重格子の持ち主)

→ ひねった蜂の巣(周期側の相棒・かけ算第8号)

出典

数理
多重格子は N. G. de Bruijn (1981)。ツイスト準結晶の実測は S. J. Ahn et al., "Dirac electrons in a dodecagonal graphene quasicrystal", Science 361 (2018)
生成
generators/moire-ammann.js(AB頂点 R=21・δ=6°・2層ドット)