πのらせん — 桁を弧の長さで刻むと、円周率が模様になる
2008年の麦畑のなぞなぞ
2008年、イングランドの Barbury Castle の麦畑に、段差のあるらせんが現れた。弧の角度を測って 36° で割ると 3・1・4・1・5・9・2・6・5・4——円周率10桁の符号化だと解読された(⚠️経緯は伝聞)。10桁めの「4」は次の桁を四捨五入した値で、そこまで含めて意図的だった。
ここでは同じ符号化を自分の桁で再実装した。桁はどこから来たか——手打ちしない(定数は式から出す、はこのギャラリーの作法)。Machin の公式(1706・BigInt の固定小数)と、Rabinowitz–Wagon のスピゴット法(1995・整数配列だけ)という仕組みの違う2経路で計算し、60桁が完全一致することを確かめてから刻んだ。Math.PI とも15桁で一致する(第3の傍証)。
★図形から桁が読み戻せる——そして「654」は四捨五入の証拠
刻んだ図形の側(弧の始角・終角)だけから桁を復号すると、40桁とも一致した(丸めの余地は 10⁻¹⁴)。模様が数を運んでいる——イモガイの貝殻が時間を記録し、ユークリッドリズムが互除法を記録するのと同じ向きの話である。
2008年の図形の10桁め「4」も自分の桁から確かめた: π = 3.141592653589… なので、切り捨てなら 3.141592653、四捨五入なら 3.141592654。畑の図形は後者だった(伝聞+こちらの再計算)。刻んだ人は丸めまで正しくやっている。
土台は蚊取り線香——「等間隔」の2つの顔
らせんの「等間隔」には2種類ある。巻きの間隔が一定なのがアルキメデスのらせん(蚊取り線香・レコードの溝・このπのらせん)、巻きの比が一定なのが対数らせん(オウムガイ・台風)。前者は足し算の、後者は掛け算の自己反復で、見た目は似ても幾何は別物である——後者だけが持つ特権はジュリア集合の畑の骨格の話につながる。
どう作ったか
機械検査は10件: ①★Machin(BigInt)とスピゴット(整数配列)の60桁が完全一致 ②Math.PI と15桁一致(第3の傍証)③★弧の幾何からの復号が40桁一致(丸め余地 10⁻¹⁴)④0 の桁(32桁め)が「弧のない段差」として正しく符号化・復号される ⑤10桁めの四捨五入(切り捨て 3 / 丸め 4)を桁から確認 ⑥弧長の閉じた式 vs シンプソン積分(10⁻¹³)⑦巻きの間隔 = 2πb が一定 ⑧桁の平均が 4.5 に近い(40桁で実測・主張ではなく記録)⑨出荷SVG2枚。
出典
- 数理
- J. Machin の公式 (1706): π/4 = 4·arctan(1/5) − arctan(1/239)。S. Rabinowitz & S. Wagon, A Spigot Algorithm for the Digits of π (1995)。アルキメデスのらせんの弧長の閉形式は標準
- ミステリーサークルの扱い
- 2008年 Barbury Castle の図形が π の10桁の符号化だという解読は伝聞(報道と解読者の説明・原図は測っていない)。符号化の規則(36°×桁・ラチェット・小数点の印)だけを借り、図はこちらの40桁で引き直した——特定の畑の図案の複製ではない
- 生成
- generators/pispiral.js(Machin・スピゴット・符号化と復号・弧長の2経路・図2枚。依存ゼロ)