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非周期のギリ — 帯の規則は並べ方を知らない。ペンローズに載せても辺を越えて直線で続く

ペンローズ・タイリングの菱形(薄い生成り)の上を、藍色の帯が5回対称の星と網目を作りながら走る非周期のギリ文様
ペンローズ P3(置換 5 回・菱形 430 枚)に、ギリの帯の規則「辺の中点から 54°」をそのまま載せた。帯は非周期に、どこまでも直線で続く

なにか

ギリ・タイルで見つけたのは、帯が辺を越えてつながる理由が「辺の中点・同じ角度」の 2 つだけだということだった(発見54)。規則が並べ方を見ていないなら、非周期に並べても成り立つはず——それを確かめる最短の道は、置換規則を新しく作ることではなく、すでにある非周期タイリングに同じ規則で帯を引くことだった。ペンローズ P3 の太い菱形(72°/108°)はギリ 5 種の「菱形」そのもの。細い菱形(36°/144°)は 5 種にないが、規則は多角形なら何にでも引ける。

非周期でも、共有辺の中点すべてで 180°

細い菱形と太い菱形の帯、置換4回のパッチで閉じた輪を藍・縁へ届く鎖を灰で塗り分けた図、帯の連続と輪の長さの帳簿
左=2 つの菱形と帯(線 8 本 → 4 組)。上がギリの菱形(72°)、下は 5 種にない細い菱形/右=置換 4 回のパッチ。閉じた輪は藍、縁へ届く鎖は灰/下=帳簿

Robinson 三角形を対角線で対にして菱形に戻し(置換 4 回で 160 枚+縁の半菱形 20・漸化式と一致)、各菱形に帯を引いた。★共有辺の中点 105・290・815 個(置換 3・4・5 回)すべてで、両側の帯が 180° で向き合う。周期パターンで見た性質が、非周期の並べ方でも 1 つの例外なく成り立った。72° 回転で線分 1,720 本すべてが重なる(5 回対称)。

帯の輪を数えると、予想と違うことが出た。最初「ペンローズの頂点の型は有限(8 種・伝聞)だから、閉じた輪の長さも有限種類に収まる」と考えた。実際は帯はほとんど閉じない——置換 4 回で閉じた輪 2 本に対して縁へ届く鎖 60 本。閉じるのは中心の 5 回対称点を巡る環で、置換のたびに外側に大きな環が 1 つ増える(長さ 30 → 40 → 90 → 210 → 310)。置換 5 回では長さ 30 の環が中心のほかに 4 か所に現れる=同じ局所配置が別の場所に出る。有限種類の予想は外れで、環は置換とともに伸びる。

⚠️ ここで作ったのは「ペンローズにギリの帯」で、5 種のギリ・タイルそのものの置換規則(Darb-i Imam 廟の図)は作っていない。⚠️ Lu–Steinhardt の「ギリ=準結晶」の主張と、実物の建築の帯の形は照合していない。⚠️ 5 回対称の検査で 1 本だけ外れて見えた——toFixed が −1e-17 を「−0.0000」と書いて別の鍵になっていた。整数に丸めて +0 で消した。⚠️ 最初「細い菱形がギリの菱形」と逆に書いていた——girih.js の菱形は角 72°/108°。訂正済み。

→ ギリ・タイル(周期パターンと帯の規則の発見)

→ ペンローズ P3(土台のタイリング)

→ 非周期のケルト装飾(非周期の上に糸を走らせた先例)

5 種のタイルそのものの置換規則は作れるか——整数倍・辺を揃える型は「ない」

Lu–Steinhardt が Darb-i Imam 廟に見たのは「大きなギリ・タイルが小さなギリ・タイルに分割されている」型の置換(伝聞)。文献の図を写さずに自分で探した。まず探索の道具を作った——辺 1・角 36° の倍数の 5 種を、境界の最も狭い角から順に置いていく総当たり(tools/explore/girih-subdivision.js)。道具の答え合わせ: 十角形の 10 辺に五角形を貼った 20 角形を渡すと「十角形 1 + 五角形 10」を復元し、ついでに「五角形 10 + 細長い六角形 3 + 蝶ネクタイ 1」も見つけた——十角形は細長い六角形 3 枚と蝶ネクタイ 1 枚に分けられる(面積 3×2.127 + 1.314 = 7.694 で一致)。菱形の 2 倍・3 倍は菱形 4 枚・9 枚で埋まる。

★本題: 大タイルの辺を単位辺 k 本にした(境界が直線のままの)2 倍・3 倍の五角形・六角形・蝶ネクタイ・十角形は、辺と辺を揃える置き方では 1 つも埋まらない(全探索・打ち切りなし・どれも 200 歩以内で枝が尽きる)。つまり整数倍で境界を揃える置換規則は、この 5 種には存在しない。Darb-i Imam の分割は小タイルが大タイルの辺をまたぐ型で拡大率も無理数(伝聞・未照合)——それはこの探索の外にある=空き棚のまま。

⚠️ 探索は「辺と辺を揃える」置き方に限った。Z[ζ₁₀] は直線上に稠密で、辺が部分的に重なる T 字の配置は浮動小数の射線法で判定できないため。⚠️ 罠 3 つ: 座標を k 倍し忘れて「単位タイルを k 分割しただけ」を探していた/polygonFromAngles は度で受けるのにラジアンを渡した/辺の中点が頂点と同じ高さになり射線法が縮退して「菱形×2 に解なし」と出た(中点を内側へ 1e-4 ずらして直った)。道具の答え合わせを先にしていなければ、偽の「解なし」を書いていた。

どう作ったか

generators/girih-penrose.js。penrose-live の三角形を B–C 辺で対にして菱形にし、girih.js の straps() で帯を引く。機械検査は 16 件: 三角形の対と漸化式、反時計回り、2 つの菱形の帯が 4 組、ギリの菱形 = 太い菱形(角の列が一致)、★共有辺の中点すべてで 180°(置換 3・4・5 回)、線分が全部成分に入る、閉じた輪の長さ(4 回 [30・130]・5 回 [30×5・40・90・210・310])、鎖 ≫ 輪、5 回対称、置換探索の答え合わせ(十角形+五角形 10 の輪を復元)、十角形 = 六角形 3 + 蝶ネクタイ 1、★2 倍・3 倍は菱形以外に解なし(全探索)、出荷SVG 2 枚。

出典

数理
P. J. Lu, P. J. Steinhardt, Science 315, 1106 (2007)(ギリと準結晶・伝聞)/R. Penrose (1974)/帯の規則は ギリ・タイル(Hankin/Kaplan 型・伝聞)
親戚
ギリ・タイルペンローズ P3非周期のケルト装飾結ばれた輪
生成
generators/girih-penrose.js(girih-penrose.svg 置換 5 回・girih-penrose-book.svg 菱形と帳簿)/tools/explore/girih-subdivision.js(置換規則の探索)