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コーラム — 点のまわりを一筆で巡る。鏡 1 枚で輪は必ず 1 本増えるか減る

菱形に並んだ41個の点のまわりを、藍色の1本の曲線が交差しながら巡り、外側の点を丸く囲んで閉じているコーラム
菱形 1-3-5-7-9-7-5-3-1 の点格子(41 点)を、1 本の閉じた曲線で巡る。90° 回転で不変の鏡 8 枚で、7 本あった輪を 1 本にした

なにか

南インド(タミル)の家の門前に、毎朝米粉で描かれる紋様。点(プッリ)を格子に置き、その間を斜めに走る線が点を囲んで閉じる。一筆書き(カンビ・コーラム)が好まれ、線はどの交差でも上・下・上・下と交互にくぐる。ここでは Gerdes の「鏡の曲線」の模型で扱う——点を等間隔に置き、斜め 45° の光線を外壁で反射させると閉じた曲線の族ができ、内側に「鏡」を置くと曲線がつなぎ替わる。組紐と同じ模型で、鏡が新しい。

鏡 1 枚で輪の本数はちょうど ±1 動く

鏡なしの3×4と4×6(輪はgcd)、菱形r=3の鏡なしと鏡4枚で一筆にした図、鏡1枚の効果の表、乱数の鏡での輪の本数の分布
上=鏡なしの長方形(輪 = gcd)と、鏡(赤)を足して一筆にした菱形/下=鏡 1 枚の効果の帳簿(全位置で総当たり)と、乱数で鏡を k 枚置いたときの輪の本数

鏡のない長方形 m×n では輪の本数が gcd(m, n)(組紐と同じ帳簿。8 例で一致)。菱形 1-3-…-(2r+1)-…-1 では 2r−1 本。どの配置でも上下は「横の隙間では NE–SW の線が上、縦の隙間では NW–SE が上」と決めるだけで全交差で交互になり(交代絡み目)、点はすべて曲線に囲まれる。

★鏡を 1 枚足すと輪の本数はどう動くか。鏡なしの 5 配置と、乱数で鏡を 10 枚置いた下地 12 例で、置ける全位置を総当たりした。−1 か +1 だけで、0 は 1 度も出ない(2,000 位置超)。鏡は 2 本の斜線の交差を「つなぎ替える」だけなので、別の輪なら合流(−1)、同じ輪なら 2 本に割れる(+1)——同じ輪が 1 本のまま残る組み合わせが、この模型では起きない。帰結として輪の偶奇 = (鏡なしの本数 + 鏡の枚数) の偶奇(乱数の鏡 100 組で外れ 0)。

★だから一筆書きは「輪 − 1」枚より少ない鏡では作れず、減らす鏡を選んで置けばちょうどその枚数で届く。4×6・6×6・菱形 r=2〜5 の 6 例すべてで、貪欲法が「輪 − 1」枚で 1 本にした。出荷図は 90° 回転で不変な鏡 8 枚(C4 対称)。

⚠️ D4 対称(回転+鏡映)の鏡だけの一筆は、下の節で全探索して「できない」と決着した。⚠️ 鏡の曲線とコーラムの対応(Gerdes・Yanagisawa–Nagata)は伝聞で、本物のコーラムには「輪が点を 1 つずつ囲む」型など、この模型にない規則もある。⚠️ 最初、壁の隙間から外へ向かう「出発」も状態に数えていて曲線が点の外へ出た——出発できるのは歩が通るマスに点があるときだけ。

→ 組紐と最大公約数(同じ模型・鏡なし)

→ 結ばれた輪(交代する糸が本当に結ばれているか)

→ ヒルベルト曲線(一筆書きの、もうひとつの型=面を埋める)

対称な一筆書きはできるか——鏡映は 2 回しか軸を横切れない

菱形r=3のコーラム4つ。鏡なし(輪5本・対角線を垂直に横切る6点を橙で)、D4対称の最良(3本)、縦軸対称の1本、C4対称の1本
菱形 r=3。①鏡なし(対角線を垂直に横切る 6 点を橙で)/②D4 対称の鏡 64 通り全部の最良=3 本/③縦軸対称=1 本/④C4 対称=1 本

出荷図の対称は C4(90° 回転)で、鏡映は入っていない。鏡映も入れた D4 対称の鏡で一筆にできるか——群の軌道ごとに置く/置かないを全探索した(r=2〜5 で 64〜32,768 通り)。★最少の輪は 3・3・5・5 で、1 本は 1 度も出ない。一方 C4 と縦軸の鏡映だけなら 1 本にできる。

理由は輪の上の鏡映にある。輪が対角線の鏡映で不変なら、その鏡映は輪(媒介変数の円)の上に対合を誘導し、それは円の鏡映だから不動点はちょうど 2 つ。輪が対角線を垂直に横切る点は不動点なので、1 本の輪に 2 つまで(実測: どの配置でも各輪 2 か 0)。菱形 r の対角線は 4⌊r/2⌋+2 回横切られ、横切る点はすべて不変な輪の上にあるから、対角線対称の鏡では輪が 2⌊r/2⌋+1 本以上——全探索の最小値そのもの。縦軸の鏡映は壁での折り返し 2 つだけが不動点で、軸に鏡を置かなければ 1 本にできる。回転は不動点を作らない。

⚠️ 上は全探索と横切りの数で確かめたもので、証明の形には書いていない。⚠️ ひとつ前の版で「D4 は貪欲法で 5 本止まり(できないとは言えない)」と書いたのを、全探索で「できない」に言い換えた。

どう作ったか

generators/kolam.js。点を (2i, 2j) に置き、曲線は x+y が奇数の格子点(隣り合う点の中間)を (±1, ±1) で進む。片側にしか点のない隙間と鏡で反射。機械検査は 14 件: 長方形の輪 = gcd(8 例)、菱形の 2r−1 本と 4r² 交差、上下の交互(300 か所超)、点が全部囲まれる、★鏡 1 枚は ±1 だけ(2,000 位置超)、偶奇の法則、★一筆は「輪 − 1」枚(6 例)、C4 対称 8 枚、★D4 対称は全探索で 1 本なし(r=2〜4・最少 3・3・5)、★各輪の対角線横切りは 2 か 0、横切りの和 4⌊r/2⌋+2、縦軸対称は 1 本、出荷SVG 3 枚。

出典

数理
P. Gerdes, "Geometry from Africa" (1999)/"Lunda Geometry"(鏡の曲線)/K. Yanagisawa, S. Nagata, "Fundamental study on design system of kolam pattern" (2007)。⚠️ コーラムと鏡の曲線の対応は伝聞。「±1 だけ」「偶奇の法則」「輪 − 1 枚」は自分で測った結果で、文献と照合していない
親戚
組紐と最大公約数非周期のケルト装飾結ばれた輪トゥルシェ(乱数 1 つで輪ができる)
生成
generators/kolam.js(kolam.svg 菱形 r=4 の一筆・kolam-book.svg 帳簿・kolam-symmetry.svg 対称の可否)