あそびしろ数学パターン・ギャラリー 作品 195

隙間で、
かたちの数理と遊ぶ。

「遊び」は、機械の部品と部品のあいだに残された隙間のこと。

隙間時間に、余裕をもって、かたちの数理で遊ぶギャラリーです。潰れたアルミ缶、地図の畳み方、浴室のタイル。身近なものに潜む数学的なつながりを、論文で示された数理をもとに再実装し、探索します。各作品は自作コードで生成し、元になった数理の出典を明記しています。→ 見取り図(コレクションを俯瞰する)

収蔵室

あつめて再実装した形
Hat タイル

Hat タイル

同じ形のタイル1種類だけで平面を埋められますが、配置は周期的に繰り返しません。50年以上未解決だった「アインシュタイン問題」の解です (2023)

Spectre タイル

Spectre タイル

鏡映を使わずに非周期タイリングを作れる、真のアインシュタイン・タイルです。Hat の発表から3か月後に見つかりました (2023)

カイトの Heesch 数

カイトの Heesch 数

Hat の部品のカイトを 2〜10 枚つないだ形を全部作り、自分の写しで何重に囲めるかを数えました。3 重まで囲めて 4 重目で行き詰まる形は 10 枚で初めて 1 つ現れ、裏返した写しを使えないと 1 重も囲めません (数え方は Kaplan 2021)

ペンローズ・タイリング P3

ペンローズ・タイリング P3

太い菱形と細い菱形の2種類だけで平面を埋められますが、配置は周期的に繰り返しません。R. Penrose (1974)

ギリ・タイル

ギリ・タイル

イスラム幾何文様に使われる5種類のタイルです。各辺の中点から54°の角度で帯を描いたタイルを並べると、帯はタイルの辺をまたいで直線につながります (Lu・Steinhardt 2007)

非周期のギリ

非周期のギリ

ペンローズの菱形(太い方はギリの菱形と同じ形)に、ギリの帯の規則をそのまま載せました。815個すべての共有辺の中点で、帯は180°に接続します。そのため、配置が非周期でも帯は直線として続きます

ピンホイール・タイリング

ピンホイール・タイリング

1種類の直角三角形から作る非周期タイリングです。タイルの向きが増える主な要因は、回転ではなく反転です。メルボルンの Federation Square の壁に使われています (Radin 1994)

フィボナッチ・ワード

フィボナッチ・ワード

幅の異なる2種類の縞だけで作る、繰り返しのない1次元パターンです。非周期タイリングの基本例として知られています。作品ページでは、部分列の複雑さが n+1 になることと、回折の性質を扱います

Rauzy フラクタル

Rauzy フラクタル

1→12・2→13・3→1 と文字を置き換えて伸ばした列から描く、縁のぎざぎざな 3 色の図形です。同じ図形を格子に沿ってずらして並べると、平面をすき間なく埋めます。並べた布で、どの図形も 6 枚の写しと接していました (Rauzy 1982)

ミウラ折り 立体

ミウラ折り 立体

自由度は1つで、スライダーだけで折り畳み方を変えられます。ドラッグすると模型を回転できます

吉村パターン 円筒

吉村パターン 円筒

缶が潰れるときに現れる模様です。この形は、面を剛体とみなすと折り畳めません。スライダーで潰し方を変えられます。吉村慶丸 (1951)

ミウラ折り 展開図

ミウラ折り 展開図

地図の畳み方として知られる折りパターンです。一枚の紙が一動作で開き、一動作で畳めます。三浦公亮 (1970)

吉村パターン 展開図

吉村パターン 展開図

三角形を敷き詰めたダイヤモンド模様の展開図です。折ってから丸めると、多面体でできた円筒になります

チューリング・パターン

チューリング・パターン

シマウマの縞もヒョウの斑点も、同じ反応拡散の数式から生まれます。定数を2つ変えるだけで、縞と斑点が切り替わります。A. Turing (1952)

アーベル砂山

アーベル砂山

1マスに4粒集まると、粒を隣接する4マスへ1粒ずつ配ります。崩す順番にかかわらず最終状態が定まることが、この模型の特徴です (Bak・Tang・Wiesenfeld 1987)

ロザンジュ・タイリング

ロザンジュ・タイリング

菱形の並びは、箱に積んだ立方体の配置と1対1に対応します。ランダムな配置では、角付近に規則的な領域が現れ、内接円のような境界が見えてきます。菱形の枚数は向きごとに n² で変わりません

トゥルシェ・タイル

トゥルシェ・タイル

1種類のタイルを乱数で回して並べるだけで、迷路のような模様になります。輪の数は100セルあたり10本で、輪の大きさには典型的な値がありません。糸のフラクタル次元は1.67です (Truchet 1704 / Smith 1987)

ポアソン・ディスク

ポアソン・ディスク

任意の2点が距離 r 以上離れるように配置した点の集まりです。均等に見える一方で、結晶のような規則的な並びは生まれません。これは青ノイズの代表例です (Bridson 2007)

ボロノイ図

ボロノイ図

キリンの網目、トンボの羽、泥のひび割れに見られる分割です。平面の各点を「どの母点にいちばん近いか」で塗り分けます (1908)

距離を変えたボロノイ

距離を変えたボロノイ

「近さ」の測り方をユークリッド距離以外に変えると、ボロノイ図の境界の形も変わります。L1距離では境界の向きが限られますが、隣接関係の多くは保たれます。重み付き距離では、孤立した領域が現れることがあります

ハニカム

ハニカム

蜂の巣やシャボン玉に見られる六角形の並びです。同じ面積を分けるなら、周囲の長さが最も短くなるのは正六角形であることが証明されています (2001)

ハサミムシの扇

ハサミムシの扇

ハサミムシは羽を面積で最大 15 分の 1 に畳みます。折り線の要が紙の外にあり、輪の折り線で2回折り返す構造です (2018/2020)

フィロタキシス

フィロタキシス

松ぼっくりやヒマワリの螺旋の本数は、多くの場合フィボナッチ数になります。その理由は、黄金角137.5°ずつ回して置く並べ方にあります (1979)

コーヒーカップの光

コーヒーカップの光

コーヒーカップの中に見える明るい曲線の正体です。遠い光源ならネフロイド、カップの縁にある光源ならカージオイドになります

DLA

DLA。雷の枝

「歩いてきた粒子が触れたら止まる」という規則だけで、雷のような樹枝が育ちます。フラクタル次元は1.68で、線と面の中間にあたります (1981)

双曲タイリング {7,3}

双曲タイリング {7,3}

レタスの縁のように波打つ負曲率の世界を、円板の地図に写しました。平面では不可能な「七角形を各頂点に3枚ずつ」という敷き詰めが、負曲率なら収まります

対数螺旋

対数螺旋

貝殻が成長するときに見られる螺旋です。回転しながら拡大しても全体の形が変わらない、連続的な自己相似をもちます。オウムガイでは1周で半径が3倍になります

ルーローの三角形

ルーローの三角形

円ではありませんが、どの向きで測っても幅が同じ図形です。マンホールのふたやロータリーエンジンに応用されています。同じ幅をもつ図形のうち、面積が最小になることも知られています (1914)

スーパー楕円

スーパー楕円

楕円の式の指数を自由な n にした曲線族です。n を1つ動かすだけで、菱形から楕円、長方形へと形が変わります。曲率が最大になる場所は、n=2 を境に軸上から対角へ移ります (Lamé 1818・Piet Hein)

ジャイロイド

ジャイロイド

蝶の翅の構造色や3Dプリンタの充填パターンに使われる曲面です。空間を合同な2つの迷路に分ける極小曲面です (1970)

モアレ01 差の波

モアレ01。差の波

網戸を2枚重ねると生まれる大きな波の模様です。同心円2組を重ねると縞は双曲線になり、小さなずれが大きな縞として拡大されます

モアレ02 放物線の岸

モアレ02。放物線の岸

同心円と平行線を重ねると、縞は放物線になります。差の波は右側に、和の波は左側に現れます

モアレ03 風車のバラ

モアレ03。風車のバラ

放射状の線 N₁ 本と N₂ 本を重ねると、|N₁−N₂| 枚羽根の風車が現れます。片方を0.8°回すと風車は20°回り、角度の副尺として働きます

モアレ04 モアレ拡大鏡

モアレ04。モアレ拡大鏡

微小な図形の格子に、ピッチがわずかに違うスクリーンを重ねると、レンズなしで図形が26倍に拡大されます。紙幣の「動く模様」と同じ原理です

アンマン–ビーンカー

アンマン–ビーンカー

銀比 1+√2 と8回対称をもつ非周期タイリングです。4次元の周期格子を斜めに切って射影する方法で作りました (1982)

ドデカゴナル(12回対称)

ドデカゴナル(12回対称)

時計の文字盤と同じ12回対称をもつ非周期タイリングです。結晶には作れない対称性で、枚数の比には√3が現れます (1989)

Wang タイル

Wang タイル

辺の色を隣と合わせるだけの正方形タイルです。非周期にしか敷けない最小の集合は11枚・4色で、55年続いた競争の決着でした (2015)

Modulo Krinkle

Modulo Krinkle

会社員が趣味のプログラミングで見つけた非周期タイリングです。当ギャラリーの着想元のひとつで、道具は剰余の計算だけです (2025)

組紐と最大公約数

組紐と最大公約数

長方形を斜めに走る糸で織ると、糸の本数は縦横の最大公約数 gcd(縦, 横)に一致します。ユークリッドの互除法の答えが、色の数として見えます

コーラム

コーラム

点の格子を一筆で巡る南インドの紋様です。鏡を1枚置くと輪の本数はちょうど1本増えるか減るかで、変わらないことはありません。そのため、一筆書きは「輪の本数−1」枚の鏡で作れます (Gerdes 鏡の曲線)

カフェウォール錯視

カフェウォール錯視

目地は厳密に水平です。傾いて見えるのは目の中で作られた錯視で、目地を白にすると消えます (1979)

フレーザーの偽螺旋

フレーザーの偽螺旋

指でたどれば円ですが、目で見ると渦に見えます。帯の傾きどおりなら1周で6.8倍に広がる螺旋になるはずですが、実物の半径のずれは0です (1908)

ペンローズの三角形

ペンローズの三角形

角はどれも正しいのに、全体としては作れない図形です。不可能に見える理由は、投影で消える方向に変位が隠れていることです (1958)

オートステレオグラム

オートステレオグラム

平行法で見ると帽子の形が浮かび上がります。奥行きは1画素も描かれておらず、模様の間隔の列だけが奥行きを伝えます (1990)

サイクロイド

サイクロイド

自転車のバルブが描く軌跡です。上下を逆にした坂は最速降下線で、どの高さから玉を放しても底に同時に着きます。振り子時計に使われました

カテナリー

カテナリー

電線のたるみは cosh で書けるカテナリーです。荷重の配り方を変えると放物線に変わり、吊り橋のケーブルがその例です (1691)

結び目の不変量

結び目の不変量

結び目がほどけるかどうかを多項式が判定します。交差の数は結び目そのものの性質ではありません (1984)

Resch パターン

Resch パターン

平らな紙では球を包めません。そこで余った紙を角のひだにためこみます。裁縫のダーツと同じ仕組みです

ドラゴン曲線

ドラゴン曲線

紙を14回半分に折って開くだけで生まれる曲線です。山と谷の並びは折る人が決めておらず、折るたびに同じ列が出ます (1966)

ヒルベルト曲線

ヒルベルト曲線

1本の線が正方形を埋め尽くします。「番号が近ければ場所も近い」は定数倍で守られますが、「場所が近ければ番号も近い」はどの曲線も守れません (Hilbert 1891)

アポロニウスのガスケット

アポロニウスのガスケット

互いに接する円の隙間に入る円は、足し算だけで決まります。円の大きさとして現れない番号があります (1643)

太鼓の節線

太鼓の節線

太鼓の膜を叩いたとき、砂が集まる動かない線です。同じ音のまま、模様だけを無限に変えられます。面積は音で分かりますが、形は分かりません。スライダーで動かせます

誘電破壊

誘電破壊

雷の枝を電位の場から育てます。つまみ1つで、苔のような塊から一本道まで変わります。フラクタル次元は1.93から0.92まで落ちます (1984)

異方性 DLA

異方性 DLA

枝の向きは格子が決めます。ただし、乱数を薄めないと偶然の腕に隠れて見えません

織りの数理

織りの数理

ジーンズの藍色やサテンの光沢は、糸の上下の順番だけで決まります。四枚繻子と六枚繻子は、数の性質のせいで存在しません (1980)

和音のかたち

和音のかたち

2つの音を縦と横に入れると図形になります。協和音ほど単純な閉曲線になります (1857)

雪の結晶

雪の結晶

6回対称はどこにも書き込んでいません。乱数を使わない3つの規則だけで、樹枝から板まで雪の形が出てきます (2005)

イモガイの貝殻

イモガイの貝殻

貝殻の模様は、空間ではなく時間の記録です。縁でしか成長できないため、模様は三角形になります (1983)

泡の法則

泡の法則

どの泡が消えるかは辺の数で決まります。5辺以下の泡は縮み、7辺以上の泡は育ちます (1952)

葉脈と血管

葉脈と血管

管の太さは3乗の法則で細くなります。分岐角は泡と同じ張力の釣り合いで決まり、太さが等しければ120°です (1926)

木はどこまで高くなれるか

木はどこまで高くなれるか

倒れずに立てる高さは、半径の2/3乗までしか伸びません。木・血管・泡は、同じ1本の曲線の上の3点でした (1881)

砂丘の風紋

砂丘の風紋

平らな砂面は平らなままでいられません。砂粒の跳ぶ距離が縞の間隔を決め、ならしの強さが縞の濃さを決めます (1993)

和柄の対称群

和柄の対称群

手ぬぐいの模様は、17種類の壁紙群のどれかに入ります。5回対称の群だけが存在しません (1891)

ユークリッドリズム

ユークリッドリズム

ボサノバのリズムはユークリッドの互除法から出てきます。「均等」の条件は2つあり、役割が違います (2003)

時間と周波数

時間と周波数

窓を短くすると時刻が分かり、音の高さが分からなくなります。2つのぼやけの積の下限は 1/4π です (1946)

結晶のかたち

結晶のかたち

境界を作るエネルギーが向きによって違うと、結晶は円になりません。角が立つしきい値は 1/(n²−1) です (1901)

川の分岐

川の分岐

川の枝の本数は次数ごとに等比で減ります。木であるというだけでは比は2にしかなりません (1945)。窪地を埋めても指数は変わりませんでした。一方、計算領域を縦長にすると文献値に近づきました。差の主因は、計算領域の境界条件でした

乾燥亀裂と柱状節理

乾燥亀裂と柱状節理

亀裂が順に進むと交わる角度は約90°になり、同時に進んで力が釣り合うと約120°になります。角度を左右するのは、亀裂が進む時間的な順序です (1962)

ロープだけの作図

ロープだけの作図

麦畑の道具はロープで、ロープはコンパスと同じです。定規がなくても幾何の作図はすべてできます。中点は円7つで取れます (1672)

πのらせん

πのらせん

弧の角度を36°で割ると円周率の桁になります。独立した2つの経路で計算した40桁を、麦畑の符号で刻みました (2008)

ジュリア集合

ジュリア集合

「2乗して c を足す」を繰り返すだけの図形です。つながるか塵になるかは軌道1本で決まり、見た目では分かりません (1918)

畑の円の面積比

畑の円の面積比

内接円と外接円の面積比が音程になるのは、3・4・6角形だけです。壁紙の17種類と同じ結晶学的制限から来ています (1956)

籠目

籠目

竹籠の編み目と物性物理のカゴメ格子は同じものです。3方向をすべて交互にくぐらせる編み方は、裏返しを除いて1通りしかありません

シュタイナー鎖

シュタイナー鎖

円の輪が一度閉じると、どこから並べ始めても閉じます。反転で同心円に写すと理由が見えます。円の中心は楕円の上に乗ります

カルマン渦列

カルマン渦列

旗がはためくのも電線が鳴るのも、この渦の列のためです。安定な渦列は存在せず、乱れが育たない間隔がただ1点あるだけです (1912)

アンデスの噛み合う魚

アンデスの噛み合う魚

腹の形を背に写す写し方が、隣の列の向きを決めます。半回転で噛み合う辺は中点を通ります (ナスカ 180 BCE〜500 CE)

ミトラの階段雷文

ミトラの階段雷文

図と地が同じ形になるのは、色を入れ替える等長変換が1つあるときだけです。階段を伸ばすと、渦巻きは2本の腕に縮みます (ミトラ 1200〜1521)

インカの石組

インカの石組

石の接合角度は泡に似ていますが、目地は途中で折れます。泡でも亀裂でもない第3の統計を、写真3枚から起こして測りました (クスコ 15 世紀)

マヤ暦の噛み合い

マヤ暦の噛み合い

2つの周期が作る状態の数は最小公倍数で、来ない組み合わせは最大公約数で決まります。260 と 365 は 5 を共有し、52年の1周は 3,723 回交わる結び目になります (マヤ 前 1 千年紀〜)

ナスカの一筆書き

ナスカの一筆書き

幅のある線の縁は、骨組みの周りを歩く1本の線で、各辺の両側を1回ずつ通ります。1本で描けるのは輪のない骨組みだけで、輪を足すごとに線が増えます (ナスカ 前 500〜後 500)

ウルクの円錐モザイク

ウルクの円錐モザイク

最古のモザイクの画素は六方格子に並びます。写真から起こした頭の隣の方向は60°に集まり、斜めの線は途切れません (ウルク 前 4 千年紀)

太陽の石

太陽の石

写真から読めた環の位数は 4・20・2 です。重ねると最大公約数の2に落ち、年の記号1つで1になります。曼荼羅ではなく文字盤です (テノチティトラン 1790 年発見)

テーベの墓の天井

テーベの墓の天井

模写に見える6つの型を規則で作り直すと、6つの壁紙群に落ち、3回対称はありません。渦は手(向き)をもつので鏡映をもてず、p4 と p2 にしかなれません (テーベ 前 15〜14 世紀)

ダルベ・イマームの分割規則

ダルベ・イマームの分割規則

拡大率は 2φ³ です。どの辺も φ²・2φ・φ² に割れ、辺の中点に十角形が半分だけ乗ります。面積の計算は Z[φ] の環の中で厳密に閉じますが、論文本文が言う黄金比は、載っている規則からは出てきません (イスファハーン 1453)

六角形の分割規則

六角形の分割規則

論文にない1枚を、論文の流儀のまま探しました。同じ形で辺をまたぐ D2 対称の分割は589通りあります。論文の2規則に出る頂点の形だけで埋まるのはただ1つで、これで置換が何回でも回ります

縄文の縄目

縄文の縄目

撚った縄を転がすと、押型は縄の表面の展開図の鏡像になります。無節の縄では条だけ、単節の縄では節が出ます。条の角度と節の間隔に式が立ち、押型だけから原体(撚りの向き・ピッチ・本数)を読み戻せます (縄文時代)

帯では絞れない

帯では絞れない

分割規則の候補を帯で選ぼうとして、3通りに失敗しました。判定は候補すべてを通し、粗い量は枚数の言い換え、細かい量は候補を全部区別する指紋になります。区別できることと選べることは違います

測地線ドーム

測地線ドーム

正二十面体を刻んで球へ押し出します。どの刻みでも、5本の棒が集まる頂点は12個のままです。棒の長さの種類は、対称から数えた種類より少なくなることがあり、減るのは刻みが3の倍数のときだけです

主応力線のリブ

主応力線のリブ

板を曲げると、力の流れる向きが各点で2本ずつ直交して決まります。梁をその向きに並べたのがネルヴィの床です。向きの決まらない点は、正方形なら中央に1つ、長方形にすると2つに割れます

相持ちの屋根

相持ちの屋根

梁がたがいの上に乗り、柱なしで立ちます。輪にすると真ん中が持ち上がり、格子にするとどんな周期もとれません。閉じる条件は「段差の総和がゼロ」の1本だけで、上に乗るかぎり満たされません

等長の網

等長の網

棒の長さは同じで、交わる角だけが自由な網です。覆える曲がりの総量は四隅の角だけで決まり、角は0とπのあいだにしかいられません。そのため、2π以上曲がった面は1枚では覆えません

踏み面のない階段

踏み面のない階段

ムカルナスを1427年の定義から組み直しました。要素の面積は法を1とした Q(√2) の数で6桁が全部再現し、石工の板からは係数 2 − 2√3/5 + 2π/15 が出ます。六十進で食い違うのは1行だけで、√3 の読み違えで戻ります

船もカモも同じ V 字

船もカモも同じ V 字

深い水では、航跡のV字の角は 2·arcsin(1/3) = 38.94° で、船の速さにも大きさにもよりません。決めているのは水の分散関係 ω² = gk だけです。波の場を数値で作ると焦線の内側に振幅の山が立ち、距離を倍にすると 2^(−2/3) 倍で焦線へ寄ります。浅いと角は開き、超えるとマッハ角に戻ります

蛇口の水が玉になる長さ

蛇口の水が玉になる長さ

水の糸では、円周より長い波だけが育ちます。いちばん速く育つくびれの間隔は直径の4.51倍、できる玉は直径の1.89倍です。細い糸の近似では最速の波数がちょうど 1/√2 で、「π√2·d ≈ 4.51d」は2つの模型を混ぜた書き方です

半分の速さで立つ模様

半分の速さで立つ模様

スピーカーの上の水は、駆動の半分の振動数で揺れます。各モードは Mathieu 方程式に従い、不安定域の縁で Floquet 乗数が −1 になります。減衰を入れると閾値は q_c = 2β ちょうどで、最小は半分の振動数のモードです。12の波を足すと、山の高さが全部違う準結晶の模様になります

浜辺の X 字が Y 字になるとき

浜辺の X 字が Y 字になるとき

浅い水で交わる2本の波は、KP-II 方程式の厳密解です。交差の係数は tan²φ/(tan²φ − k²) で、tanφ が √(2A) に近づくと発散して X 字が Y 字に閉じます。共鳴した幹は振幅4倍・幅1/2で、質量は2本の和のままです

蜂蜜に吹き込んだ空気の指

蜂蜜に吹き込んだ空気の指

粘い液を押す界面は σ = Uk − Ck³ で崩れます。表面張力ゼロなら、幅の割合 λ の指の輪郭が閉じた形の厳密解になります。写像の境界条件と格子のラプラス解の2経路で確かめました。先端の曲率半径は 2λ²/(π(1−λ)) で、λ = 1/2 ならちょうど 1/π です。指は前方の流体の 1/λ 倍の速さで進みます

畳の敷き方

畳の敷き方

祝儀敷きの掟は「畳の角を1点に4つ集めない」の1つだけです。この掟で6畳の敷き方は11通りから4通りに、8畳は36通りから2通りに減り、正方形の部屋は畳だけなら2通りしかありません。4畳半は半畳を入れて10通りです (Ruskey・Woodcock 2009)

家紋の対称群

家紋の対称群

家紋はひとつの図形なので、壁紙群には無い5回・8回・16回の対称をもてます。巴・卍・井桁は向きをもつので鏡映がありません。桔梗を格子に敷くと、対称は鏡映1本だけに落ちます

紋切り遊びと一刀切り

紋切り遊びと一刀切り

紙を扇に畳んでハサミを1回まっすぐ入れると、出る紋は半径が交互の2n角形だけです。桜のような紋を直線1本で切るには、折り線を直線スケルトンと垂線の35本に増やします。折り線で鏡映を重ねると、桜の20の辺は1本の直線に乗ります (Demaine 1998)

算額の不変量

算額の不変量

円に内接する多角形をどう三角形に分けても、内接円の半径の和は同じです。足すと対角線の項が消える式に書き直せるからで、同じ理由で内心の重心も動きません。円に内接していないと、和は分け方ごとに違う数になります (日本の定理・丸山良寛 1800)

手毬の地割り

手毬の地割り

手毬の組み合わせ10等分で巻く15本の糸は、正二十面体の鏡映面そのものです。球面は120の合同な三角形に分かれ、角は90°・60°・36°になります。この網は正二十面体の面を中線で割って球へ押し出した網と一致し、糸1本は12の弧に分かれます (Schwarz 1873)

丸台の組紐と置換の位数

丸台の組紐と置換の位数

丸台で玉を移す手順の1周期は、玉の位置の置換を決めます。金剛組は4巡回2つで位数4、色の帯が4周期で一周して渦になります。2手の規則16通りの置換は3つの巡回型しかなく、動かない玉は芯になって誰とも絡みません。右巻きと左巻きの金剛組は、ジョーンズ多項式が別の絡み目です (Artin 1925)

水引の結び

水引の結び

淡路結びの端を閉じると、8交差の結び目8₁₈になります。ジョーンズ多項式はtと1/tを入れ替えても同じなので、左巻きと右巻きの淡路は同じ結び目です。三つ葉には左右があります。5本並行の水引は、どの2本も絡み数が0です (Jones 1985)

江戸小紋三役と格子の向き

江戸小紋三役と格子の向き

江戸小紋の角通しと行儀は、同じ正方格子を0°と45°に置いた模様で、対称群も鏡の向きも同じです。着物の縦軸に鏡を持てる格子の向きは0°と45°だけで、2a以下の型送りで継ぎ目が消えるのもこの2つだけです。鮫は格子ではありませんが並進対称を持ち、回折の山は12の向きすべてに散ります (Fedorov 1891)

麻の葉の平坦折り

麻の葉の平坦折り

麻の葉の線を折り目にすると、線が3本しか集まらない重心で平らに畳めません。重心ごとに辺へ垂直な線を1本足すと畳めて、その足し方は三角形2つを組む菱形の敷き詰めと1対1です。どの敷き詰めでも、30°・30°・120°の同じ三角形に畳まれます (Kawasaki 1989)

周辺ドリフトと扇の弧

周辺ドリフトと扇の弧

青海波の扇の弧に、黒・濃い灰・白・薄い灰の4段を並べました。明暗差の大きい縁ほど信号が早く出ると置いた模型では、この並びの向きに動いて見えるはずで、並びを逆にすると向きも逆になります。灰を相対輝度の29.3%と70.7%に置くと最も強くなります (Faubert & Herbert 1999)

形の定数と対数の写像

形の定数と対数の写像

幻視に決まって出るトンネル、放射、螺旋、蜂の巣を、脳の視覚野の上のまっすぐな縞と六角の模様から作りました。縞の傾きはそのまま螺旋の角になります。視野をひとまわりして模様が閉じるには螺旋の腕の本数が整数でなければならず、継ぎ目なく閉じる蜂の巣の大きさも飛び飛びにしかありません (Bressloff ほか 2002)

皮質の縞と六角形

皮質の縞と六角形

目を閉じていても見える縞や蜂の巣の模様は、脳の視覚野の面にできる活動の模様だと説明されています。近くを興奮させ遠くを抑える結合の式から、育つ波長と、縞になるか六角形になるかの境目を式と数値の両方で出しました。応答の非対称が小さいうちは縞のままで、ある値を超えると六角形に入れ替わります (Ermentrout & Cowan 1979)

蜘蛛の巣の幻視と、向きごと回す対称性

蜘蛛の巣の幻視と、向きごと回す対称性

目を閉じても見える蜘蛛の巣の模様は、明暗ではなく線の向きの模様だとする理論を計算でたどりました。線の向きを好む細胞の結合は、位置と一緒に向きも回したときだけ形が変わりません。そこから生まれる線の模様を視野に戻すと、放射の線と同心の弧が市松に並びます (Bressloff ほか 2002)

点滅光と皮質の模様

点滅光と皮質の模様

模様のない一様な点滅光で、蜂の巣や渦が見えることがあります。興奮と抑制の細胞が並んだ場を点滅で揺すると、点滅と同じ周期の模様と、2周期でひとめぐりする模様が別々の速さで立ちました。図はすべて静止画で、点滅は再現していません (Rule, Stoffregen & Ermentrout 2011)

インドラの網

インドラの網

互いに接する4つの鏡の円で、鏡の数学版である反転を重ねると、どの鏡にも残りの鏡が入れ子に映ります。像が最後に寄り集まる先は鏡の円そのものの模様ではなく、鏡の接点を3つずつ通る別の円から作ったアポロニウスのガスケットでした。鏡の球を立体に4つ並べても、同じ模様が1つの球の上に現れます (Mumford, Series & Wright 2002)

目を共有する顔と壁紙群

目を共有する顔と壁紙群

幻覚の記録には、顔が列をなして視野を埋めていく様子が出てきます。そこまで詰まるなら隣の顔と目を共有できるかを、平面の繰り返し模様の17種類の対称性で数えました。1つの目に集まれる顔は最大12人で、群ごとの最大は、目の点を動かさない対称操作の数か、そのちょうど2倍になります。平行移動しかない模様でも、横に並んだ顔どうしで目を共有できます (International Tables Vol. A)

トーラスの泉

トーラスの泉

ドーナツを中心を通る平面で斜めに切ると、切り口に円が2つ現れます。4次元の球を円で埋める Hopf の方法を3次元に写すと、その斜めの円が入れ子のドーナツの上に並びました。どの2本もちょうど1回絡み合い、どのドーナツも半径1の球と直角に交わります (Terquem 1848, Lyons 2003)

帯に写した双曲タイリング

帯に写した双曲タイリング

正七角形を1点に3枚ずつ集める双曲タイリングを、視野と視覚野の対応と同じ複素対数で写すと、幅πの帯になります。模様は横にだけ2.898ごとにくり返し、上下の端に近づくほど細かくなりました。対称性は帯模様の7つの型のうち p2mm で、三角形で敷く双対の {3,7} もまったく同じ長さでくり返します (Imai 2024)

オオウチ錯視と引き伸ばした市松

オオウチ錯視と引き伸ばした市松

市松の正方形を横長に伸ばし、円の中だけ縦長にすると、揺らしたとき円が滑って見えます。動きの推定が勾配のノイズで縮む模型では、正方形の市松で内と外の差がちょうど0になり、伸ばすほど開きました。差の大きさは揺らす向きによらず、斜めに揺らすと円は揺れと直角に滑ります (Fermüller ほか 2000)

雪花絞りと畳み方の群

雪花絞りと畳み方の群

布を蛇腹に畳んで帯にし、三角に折り重ねて板で挟むと、折り目はすべて鏡になります。帯の上でそのまま折り重ねられる三角形は正三角形と直角二等辺三角形の2つだけで、広げた模様はp3m1とp4mになります。正三角形の角を1つ浸すだけで、模様はp6mに上がります (Yackel 2021)

日時計に引く不定時法の刻

日時計に引く不定時法の刻

江戸の時刻は、明け六つから暮れ六つまでを 6 等分して数えました。東京の水平な日時計にこの刻を引くと、日の出と日の入りで割ればほぼまっすぐな線が、太陽が地平線の下 7°21′40″ に来る江戸の決め方では弓なりに曲がります。夜明を待つ時間が季節で変わるためで、1 年を通して同じ時間だけ外で割ると線はまっすぐに戻りました (国立天文台 暦計算室・NOAA)

清少納言知恵の板とタングラムの凸多角形

清少納言知恵の板とタングラムの凸多角形

どちらの 7 枚も、小さな直角二等辺三角形 16 枚に割れます。16 枚でできる凸多角形 20 個のうち、知恵の板は 16 個、タングラムは 13 個を組めました。組み方は知恵の板が 531 通り、タングラムが 142 通りです。ただし六角形が 1 つだけ、タングラムの組み方が多い形として残りました (Fox-Epstein・上原 2014、Beelen・Verhoeff 2018)

地図のゆがみを楕円で見る

地図のゆがみを楕円で見る

地球の上に同じ大きさの円を並べて地図に写すと、円は場所ごとに違う楕円になります。日本の中だけでも、メルカトルでは択捉島の円が沖ノ鳥島の 1.79 倍の面積に描かれ、面積を保つ地図では東京で角が 23.6° ずれました。メルカトルは、極から見た地図に対数をかけたものです。測量の平面直角座標系では、15 の系のうち 3 つで県の端が縮尺係数 0.9999 から読める幅をはみ出しました (Snyder 1987・国土地理院)

ペントミノを長方形に詰める組み方

ペントミノを長方形に詰める組み方

正方形 5 つをつないだ 12 枚の片で、6 × 10・5 × 12・4 × 15・3 × 20 の箱を埋めます。探索の順番の違う 2 通りの数え方で、2339・1010・368・2 通りが解の中身まで一致しました。縁に触れない回数がいちばん多い片は、十字の X ではなく W でした (Knuth 2000・2019)

ソーマキューブの 240 通り

ソーマキューブの 240 通り

小さな立方体 3 つか 4 つをつないだ 7 つの片で、3 × 3 × 3 の立方体を組みます。2 通りの数え方で、向きのままの 11,520 通りと、回転と鏡映で重なるものを 1 つとした 240 通りが解の中身まで一致しました。真ん中の 1 升にいちばんよく入るのは 2 つのねじれた片で、L 字と T 字の片は一度も入りません (Knuth 2019)

墨流しと面積を保つ写像

墨流しと面積を保つ写像

水面に落とした滴と、針や櫛で引く操作を、点を動かす写像として書きました。どちらも面積を変えず、逆にたどれば元に戻ります。それでも北・東・南・西に櫛を引く 1 周ごとに、色の境目の長さは約 3 倍に伸びました。画素の絵を逆にたどると、筋が細くなった所から戻らなくなります (Jaffer)

アナレンマの上の輪と下の輪

アナレンマの上の輪と下の輪

毎日同じ時計の時刻に太陽へ印を付けると、1 年で 8 の字になります。東京で描くと、空の上では冬の輪が夏の輪の 6.6 倍、日時計の盤に落とした影では 19 倍の面積でした。軌道の離心率を上げると輪が 1 つ消え、消えやすいのは近日点が春分や秋分ではなく至点の向きにあるときです (NOAA・国立天文台)

岩は割れると平均して立方体

岩は割れると平均して立方体

立方体を平面で切り分けると、破片の形はばらばらでも、面と頂点の数の平均は 6 と 8 に近づきます。平面 50 枚で 6.003 と 8.006 でした。いちばん多い破片は三角柱で、立方体と同じ形は 3.6% しかありません。破片を 1 つずつ割る模型では、平均は切り口の辺の平均に 2 を足した値に落ち着き、6 まで下がりませんでした (Domokos ほか)

原子核の魔法数がそろう細い帯

原子核の魔法数がそろう細い帯

陽子か中性子が 2・8・20・28・50・82・126 個の核は壊れにくくなります。ばねの井戸だけでは 40・70・112 で殻が閉じ、スピンと軌道の項を足すと 7 つがそろいますが、そろう強さの幅は狭いものでした。実際の核の表では、重い核ほど魔法数がはっきり山になります (メイヤー・AME2020・NUBASE2020)

黄鉄鉱の五角形は正五角形になれない

黄鉄鉱の五角形は正五角形になれない

黄鉄鉱の十二面体の面は五角形ですが、結晶は 5 回対称を持てないので正五角形にはなりません。よく出る {210} では 1 辺だけが 1.31 倍長く、角は 108° から 13.6° 外れます。面の指数の比を 3/2・5/3・8/5 と黄金比に近づけると、ゆがみは 1 段ごとに約 2.6 分の 1 に縮みます (Arrouvel・Eon)

元素の多さのギザギザ

元素の多さのギザギザ

太陽系の元素の数を原子番号の順に並べると、奇数の元素が両隣の偶数より少なく、線が 1 つおきに上下します。2 つの表で数えると 38 個のうち 36 個で成り立ち、外れるのはリチウムとホウ素だけでした。同位体を中性子の数ごとに足すと、魔法数 82 と 126 に山が立ちます (Lodders・Asplund ほか)

金星の五芒星

金星の五芒星

金星が太陽と地球のあいだに来る内合は、8 年でほぼ 5 回です。5 回の向きを順に結ぶと五芒星になり、地球から見た道筋は 5 つの輪を持つ花になります。8 年では閉じず、星は 8 年ごとに 2.4° 回り、239 年で 72° 回って元の形に重なります (JPL・Espenak)

小惑星帯の隙間は木星との整数比に開く

小惑星帯の隙間は木星との整数比に開く

小惑星 90 万個を軌道の大きさで数えると、細い谷がいくつも開きます。3 つの谷の中心は、周期が木星のちょうど 1/3・2/5・3/7 になる位置と 0.1% 以内で重なりました。周期が 2/3 の所では逆に小惑星が集まります。カークウッドは 1867 年に 91 個の表で同じ谷を指さしていました (JPL・AstDyS)

刺し子の一目刺し

刺し子の一目刺し

方眼の縦と横の線に 0 か 1 を書き、1 目おきに縫うだけで柄が浮かびます。輪の長さは必ず 8 で割って 4 余ります。列をフィボナッチ語にすると、輪の幅の半分は奇数のフィボナッチ数とその 1 つ手前だけになりました (Defant・Kravitz・Pete・Seaton・Hayes)

源氏香の図

源氏香の図

5 回たいた香のどれとどれが同じだったかを、5 本の縦線の頭をつないで書きます。つなぎ方は 5 つのものの分け方と同じ 52 通りで、巻の名が 1 つずつ付いています。横線が入り組む図は 10 あり、その高さの付け方だけは 1 つの規則で決まりません (国貞・Quivira)

セミの素数周期

セミの素数周期

13 年ゼミと 17 年ゼミの暦を、年を 17 と 13 で割った余りで升目に置くと、221 年がちょうど 1 マスずつ埋まり、格子縞の上を年の糸が斜めに走ります。2 つの周期が同じ年に出るのは 221 年に 36 回で、2024 年もその 1 つでした。素数が重なりにくいのは、群れが同じ年に始まるときだけです (コネチカット大学・Tanaka ほか・Toivonen ほか)

孔雀の羽の構造色

孔雀の羽の構造色

孔雀の尾羽の目玉模様は、青・緑・黄・茶の羽枝でできています。羽枝の中ではメラニンの棒が 140〜185 nm の間隔で格子に並び、材料はどの色も同じで、間隔と層の数だけが違います。間隔から反射のギャップの中央を出すと、測定のピークと 15 nm 以内で合いました (Zi ほか 2003)

トンボの羽の網目

トンボの羽の網目

トンボの羽の二次脈は羽ごとに違います。公開された 525 枚の羽の分割データで数えると、実物の区画はその重心のボロノイと IoU 0.798 で重なり、重心はボロノイの重心へ 1 手動かしても平均間隔の 7% しか動きませんでした。抑制の場の谷線も、場の幅が隣までの距離の 4 割までは同じ区画を切り、5 割で崩れました (Hoffmann ほか 2018)

床を這う水の指

床を這う水の指

傾けた板を流れ下る油の前線は、同じ間隔の指に分かれます。薄膜の式を解くと、いちばん速く育つ揺れの間隔は、毛管長と膜の厚さで決まる長さの尺度 x_c の 12.8 倍でした。平面で育てた指も、はじめはその間隔で並び、伸びるにつれて数を減らしました。原典の表 1 の間隔は 3 つの角度とも出せましたが、育つ速さは合いません (Kondic 2003)

蔓を敷く

蔓を敷く

タイル 1 枚ずつに蔓を描き、辺のまんなかでつないで敷きました。Penrose の菱形では蔓が 5 回対称の花輪に閉じ、輪の大きさは 10, 5, 25, 35, 85, 155, … とほぼ 2 倍ずつ育ちました。Rauzy の階段面では蔓がまっすぐ走り、Hat では 429 通りの結び方が、輪に上限のある 267 通りと大きな輪が育つ 162 通りに分かれました (Flicker ほか 2020)

ハエの羽の継ぎはぎ

ハエの羽の継ぎはぎ

ハエの羽 759 枚の画像を Hat の帽子の形に切り、帽子ごとに別の個体の羽を当てて継ぎ直しました。継ぎ目で脈がつながる割合は、同じ種で 0.536、同じ科の別の種で 0.422、科が違うと 0.349 で、位置をずらして継いだときの 0.232 に近づきます。床の形を替えても割合はほとんど変わりませんでした (Ling ほか 2023)

かけ算の部屋

収蔵品を組み合わせて生まれた形

仕組みの異なる収蔵品を組み合わせると、新しい模様だけでなく、確かめられる性質も増えます(見取り図の発見6)。ここは当ギャラリーの新作の作り方そのものです。

ヒマワリのボロノイ

かけ算第1号|フィロタキシス × ボロノイ

ヒマワリのボロノイ

隣どうしの種の番号差は、620粒すべてでフィボナッチ数になります。セルの面積はほぼ均一で、螺旋の正体が番号差として見えます

チューリング×ミウラ折り

かけ算第2号|チューリング × ミウラ折り

チューリング×ミウラ折り

折り目の上だけ拡散を遅くすると、縞は折り線に沿って走り出します

ボロノイ×Hat

かけ算第3号|ボロノイ × Hat

ボロノイ×Hat

乱数を使わないランダムな網目です。赤いセルは鏡映の帽子の縄張りで、その割合は 1/(1+φ⁴) です

非周期のケルト装飾

かけ算第4号|アンマン–ビーンカー × 組紐

非周期のケルト装飾

最大公約数 gcd の規則が消えたあとに残るのは、全体を渡る巨大な糸2本と、星のまわりの小さな輪です

Glass パターン

かけ算第5号|モアレ × フィロタキシス

Glass パターン

ヒマワリの点列2枚を7.7°回して重ねると、相方は21番先の点になります(全点で確認)。21はフィボナッチ数です

ジャイロイド×チューリング

かけ算第6号|ジャイロイド × チューリング

ジャイロイド×チューリング

蝶の翅の2つの数理を同居させました。縁のない曲面を縞がくぐり抜けます

双曲ボロノイ

かけ算第7号|双曲平面 × ボロノイ

双曲ボロノイ

「隣接数の平均は6」は平坦な面の特権です。負曲率では平均セル面積 a を使って 6 + 3a/π に書き換わり、{7,3} では厳密に7になります

Spectre 織り

意匠化第1号|Spectre の縁 × 三つ山の波

Spectre 織り

噛み合い条件の2式を守れば、縁はどんな曲線でも布になります。テキスタイル試作の第1号です

Krinkle 織り

意匠化第2号|Modulo Krinkle の縁 × ひと山の波

Krinkle 織り

回転の中心が、1本の直線の辺として布に刻まれます。数理の制約がそのまま意匠になります

ひねった蜂の巣

かけ算第8号|モアレ × ハニカム

ひねった蜂の巣

マジックアングルの数理です。可換角 cosθ = 13/14 では、√7倍の超格子が厳密に立ちます

絹の水紋

かけ算第9号|モアレ × 組紐

絹の水紋

moiré の語源は織物です。糸のわずかなゆらぎが、縞では間隔のずれ ε の逆数倍に拡大されます。モアレはゆらぎの拡大鏡です

縞の等高線

かけ算第10号|モアレ × ミウラ折り(立体)

縞の等高線

面に投影した縞と参照格子を重ねると、等高線が浮かびます。側弯症検診にも使われた「縞で測る3D」です

ひねった準結晶

かけ算第11号|モアレ × アンマン–ビーンカー

ひねった準結晶

非周期タイリングをひねっても、親の式は効きます。縞も多重格子になり、8回対称は重なりを生き延びます

結ばれた輪

かけ算第12号|ケルト装飾 × 結び目の不変量

結ばれた輪

ペンローズの糸だけが本当に結ばれています。しかも、出てくる結び目には5が入ります

黄金角の生まれ方

かけ算第13号|チューリングの阻害場 × フィロタキシス

黄金角の生まれ方

角度はどこにも書いていません。芽が押し合うだけで137.5°が出てきます。出てくる角度の枝は4本あります

準結晶の上の雷

かけ算第14号|DLA × アンマン–ビーンカー/ペンローズ

準結晶の上の雷

並進対称がなくても、枝は向きをもちます。8回格子は8方向、10回格子は10方向を選びます

なぜ鍵盤は12個か

かけ算第15号|和音のかたち × フィロタキシス

なぜ鍵盤は12個か

葉は「重ならない」角度を、音階は「早く元に戻る」角度を求めます。同じ装置への正反対の注文です。黄金角は「どの枚数でも負けない」角度です

和音のモアレ

かけ算第16号|和音のかたち × モアレ

和音のモアレ

協和音程ほど、格子を重ねたときの縞は粗くなります。古代の協和音程は、縞が超格子そのものとして出る比です

周転円で描く角

かけ算第17号|和音のかたち × Hat

周転円で描く角

円の足し算で角を作ると、8.9490% 行き過ぎます。矩形波の跳びとタイルの角は同じ曲線です

Hat の回折像

かけ算第18号|Hat × 周転円で描く角

Hat の回折像

部品は鏡映を含むのに、全体は鏡に映せません。鏡映の帽子の割合は 1/2 ではなく 1/(3φ²) です

回折の動物園

かけ算第19号|Hat の回折像 × 非周期タイリングの棚

回折の動物園

「非周期」は3つの家系に割れます。Hat は格子に乗り、兄弟の Spectre は乗りません

かけ算第20号|太鼓の節線 × 非周期タイリング

かけ算第20号 非周期の太鼓

かけ算第20号|非周期の太鼓

同じ音を2つもてるかを決めるのは、非周期かどうかではなく回転対称でした

かけ算第21号|川の分岐 × 葉脈と血管

かけ算第21号 葉脈の分岐比

かけ算第21号|葉脈の分岐比

葉脈の分岐比は、二分木の2でも川の5でもありません。羽状脈の分岐比は側脈の本数そのものです。横枝の角度を決められるのは Murray の法則だけです

かけ算第22号|結晶のかたち × 雪の結晶

かけ算第22号 平衡形と成長形

かけ算第22号|平衡形と成長形

同じ格子で水蒸気を減らすほど、雪の成長形は Wulff の六角形へ単調に近づきます(一致率 32% から 94% へ)。角の向きも同じです

かけ算第23号|ボロノイ × 泡 × 乾燥亀裂

かけ算第23号 詰まり方の帳簿

かけ算第23号|詰まり方の帳簿

緩和は、つながりの統計を1ビットも変えず、面積の統計だけを変えます。順に割ると分散は2.5倍になります。隣の相関 a は、この規模では読めません

かけ算第24号|トゥルシェ × コーラム

かけ算第24号 1か所ひねると輪は±1

かけ算第24号|1 か所ひねると輪は ±1

「1か所ひねると輪は ±1」の法則が立つのは、全部が閉じていて円板に縮められるときだけです。縁があれば0が出て、一辺が奇数の周期盤でも0が出ます

かけ算第25号|ポアソン × ボロノイ × 泡

かけ算第25号 均等さの2つの物差し

かけ算第25号|「均等」の物差しは 2 つある

「均等」の物差しは2つあります。密度のゆらぎで測るか、セルの形で測るかで、点の撒き方の順位が入れ替わります。ポアソン・ディスクは、ゆらぎと格子を結ぶ道から外れます

かけ算第26号|ダルベの置換 × 回折の動物園

かけ算第26号 自作の規則で敷いた模様はペンローズの家系

かけ算第26号|自作の規則で敷いた模様はペンローズの家系

3規則の置換で敷いた模様の重心を回折させると、10回対称・鏡映あり・格子に乗らない、という結果になります。ブラッグ点はペンローズと同じ10回の加群に載り、種を変えても同じです

かけ算第27号|アーベル砂山 × Hat タイル

かけ算第27号 非周期の上の砂山

かけ算第27号|非周期の上の砂山

帽子は1枚が13辺なので、しきい値を4から13に変えるだけで砂山が乗ります。帳簿(ラプラシアン)も群も単位元もそのまま出て、1タイルあたりの位数の対数は非周期でも1つの数に落ち着きます

かけ算第28号|回折の動物園 × 切り出し射影

かけ算第28号|1 に届かない、いくらでも近づく

かけ算第28号|1 に届かない、いくらでも近づく

「格子に乗るか」を測る物差しの、届かない側の値には意味がありませんでした。遠くまで走査すればいくらでも1に近づき、近づき方は連分数(黄金比と銀比)が決めます

かけ算第29号|ファラデー波 × ドデカゴナル

かけ算第29号|消せない位相が明るさを決める

かけ算第29号|消せない位相が明るさを決める

12の波の位相6つのうち2つは冗長で、平行移動で消せない2つの組が模様の明るさの上限 3cos(2πΓ₁/3)+3cos(2πΓ₂/3) を決めます。内部空間は4次元でなく2次元です。回折はタイリングと同じ加群の別の目盛りです

かけ算第30号|粘性フィンガリング × DLA

かけ算第30号|平均すると指が戻る、外側だけ

かけ算第30号|平均すると指が戻る、外側だけ

水路の DLA を300個平均すると、先端付近の外側の等密度線は λ ≈ 1/2 の指に乗ります。しかし、閾値を上げると λ は 0.6 から 0.3 へ縮み、閾値のないスカイラインは指になりません。「幅 1/2」は閾値の選び方の中にあります

かけ算第31号|ムカルナス × 回折の動物園

かけ算第31号|八回対称だが、アンマンの目盛りでは暗い

かけ算第31号|八回対称だが、アンマンの目盛りでは暗い

丸天井の平面図の頂点273点は、AB(アンマン–ビーンカー)と同じ加群 Z[ζ₈] に全部乗り、回折は厳密に8回対称です。しかし AB の目盛り πM では暗く、最強点でも 0.007 です。内部像が窓に収まらず(最大 4.9・AB は 1.26)、格子のように比例もしない第3の型です

かけ算第32号|ケルビン航跡 × コーヒーカップの光

かけ算第32号|折れは 1/6、尖点は 1/4

かけ算第32号|折れは 1/6、尖点は 1/4

どちらも火線です。カップの折れでは最初の縞が 1.0188(ρ/2k²)^{1/3} に立ち、振幅は k^{1/6} で伸びます。尖点は k^{1/4} で最も明るくなります。航跡の縁の縞も閉じた形 0.480·r^{−2/3} で 4% 以内に合い、縁と進路の振幅の差 0.17 が同じ 1/6 から出ます。V字の頂点は尖点ではありません

かけ算第33号|斜めソリトン × 等長の網

かけ算第33号|潰れるのは双曲線の上

かけ算第33号|潰れるのは双曲線の上

大円2本から編んだ球の網の角は、uv だけの関数(サイン・ゴルドン方程式の相似解)です。潰れる場所は双曲線 uv = z* で、z*(90°) = 1.8616 の平方根が「対角 1.36」、その内側の面積が 27.3% です。逆に kink はコンパス作図で編める厳密な網で、2-kink の潰れる線は ln c/a ずれます

かけ算第34号|水の玉 × カテナリー

かけ算第34号|ころがる楕円と、ころがる放物線

かけ算第34号|ころがる楕円と、ころがる放物線

表面張力の平衡形は、円錐曲線を線の上でころがしたときの焦点の跡です(Delaunay)。放物線の跡は cosh、つまりカテナリーです。楕円の跡の周期は e → 0 で 2πa になり、Rayleigh の中立波長に一致します。玉の列は円柱より面積が大きく、円柱が負けるのは λ > 9a/2 の離れた玉です。石鹸膜は h/R = 1.32549 まで張れます

かけ算第35号|純正律の格子 × 切り出し射影

かけ算第35号|音階に光を当てると、平均律が出る

かけ算第35号|音階に光を当てると、平均律が出る

純正律は、素数の指数の格子を1次元に射影した切り出し射影、つまり準結晶です。コンマの落ち方が内部空間の次元を測り、段が2種類になる n が連分数の分母を呼び、回折の山が 12・41・53 平均律として立ちます。1には届きません

かけ算第36号|倍音列 × 膜と棒

かけ算第36号|音色が音階を決める

かけ算第36号|音色が音階を決める

弦だけが厳密に整数比の倍音をもち、膜も棒もそうなりません。粗さから協和曲線を引くと、調和スペクトルの極小は全部が整数比に0.1セント以内で落ち、倍音 n 本(奇数)なら odd-limit は n ちょうどです。棒や膜では別の場所に落ちます

かけ算第37号|フィロタキシス × 形の定数と対数の写像

かけ算第37号|ヒマワリを視覚野の座標に写す

かけ算第37号|ヒマワリを視覚野の座標に写す

視野から視覚野への対応に使う複素対数で、螺旋に並ぶヒマワリの種を写しても、格子にはなりません。種は右へ行くほど指数関数で詰まり、螺旋の傾きも外へ行くほど寝ていきます。半径が等比で増える並び方なら、ぴったり格子になりました (Bacher 2013)

かけ算第38号|和柄の対称群 × 形の定数と対数の写像

かけ算第38号|和柄を視野に戻す

かけ算第38号|和柄を視野に戻す

市松・七宝つなぎ・麻の葉・青海波を視覚野に敷いて、複素対数の逆で視野に戻すと、中心へ吸い込まれるトンネルになります。和柄の鏡や回転のうち残るのは、1周する向きを保つものだけで、市松と七宝つなぎは8つのうち4つ、麻の葉は12のうち4つでした。残った縦の鏡は、視野では円での反転になります

かけ算第39号|トーラスの泉 × 組紐と最大公約数

かけ算第39号|トーラスに巻いた糸の絡み数

かけ算第39号|トーラスに巻いた糸の絡み数

ドーナツに糸を軸のまわりp周・管のまわりq周巻くと、最大公約数dと同じ本数の輪に分かれます。同じ面に平行に並んだ輪なのに、どの2本も (p/d)(q/d) 回絡んでいました。内側のファイバーとはq回、外側のファイバーとはp回絡みます

かけ算第40号|点滅光と皮質の模様 × ユークリッドリズム

かけ算第40号|リズムで点滅させる

かけ算第40号|リズムで点滅させる

12拍のうち選んだ拍だけを光らせて皮質の場を揺すると、m次の舌の深さは、光る拍を和音と見たときのフーリエ係数に比例しました。k次の舌をいちばん深くするのは最大均等なリズムで、どの次数が共鳴するかは拍の長さで決まり、次数ごとに5度や長3度などの音程でできたリズムが強くなります (Amiot 2007)

かけ算第41号|和柄を視野に戻す × エッシャーの版画画廊の数理

かけ算第41号|和柄を版画画廊の写し方で巻く

かけ算第41号|和柄を版画画廊の写し方で巻く

エッシャーの「版画画廊」の写し方で和柄を巻くと、1周するごとに縮んで回りながら自分に重なります。エッシャーの升目は γ の4乗根ごとに重なりました。巻き方を選ぶと渦の本数が決まり、回転の対称の回数は巻き方を格子の座標で書いたときの最大公約数になります (de Smit・Lenstra 2003)

かけ算第42号|オオウチ錯視 × 周辺ドリフト

かけ算第42号|オオウチ図形を4段の明るさで塗る

かけ算第42号|オオウチ図形を4段の明るさで塗る

オオウチ図形の長方形を、周辺ドリフトの黒・濃い灰・白・薄い灰で塗りました。勾配の最小二乗は、1周期まとめて見積もると並びの流れをまったく拾いませんが、狭い窓ごとの見積もりを平均すると同じ向きに流れます。正方形の升でも、4段で塗ると内と外の見積もりがずれました

かけ算第43号|カニッツァの三角形 × カテナリー × 木はどこまで高くなれるか

かけ算第43号|見えない輪郭を弾性曲線で引く

かけ算第43号|見えない輪郭を弾性曲線で引く

欠けた円の口を開くと、描いていない三角形の辺がふくらんで見えます。その辺を曲げにくい棒の形で引くと、円弧になるのは角と大きさが1つの式を満たすときだけで、同じ角でも図形が大きいほど辺は平らになりました。長さの項の符号を逆にすると、同じ式が棒の座屈になります (Mumford 1994)

かけ算第44号|和柄を版画画廊の写し方で巻く × ハニカム × 対数螺旋

かけ算第44号|雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く

かけ算第44号|雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く

雷文と回を線からの距離で4色の帯に塗り、版画画廊の写し方で中心へ巻きました。渦に巻くと左右の鏡は消えると思っていましたが、巻き方の向きを模様の鏡の軸に揃えると鏡は残り、巻かない絵のほうに鏡がありませんでした。回りながら縮む正方形の頂点がつくる螺旋の傾きは、辺を分ける割合で変わります

かけ算第45号|雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × 周辺ドリフトと扇の弧

かけ算第45号|巻いた雷文の帯は流れるか

かけ算第45号|巻いた雷文の帯は流れるか

第44号の雷文のトンネルを周辺ドリフトの模型にかけると、平均ではほとんど流れませんでした。帯を黒・濃い灰・白・薄い灰の4段で塗り直すと流れが出て、巻き方しだいで回転・中心への吸い込み・外への湧き出しに分かれます

かけ算第46号|雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × 和柄の対称群 × 家紋の対称群

かけ算第46号|鏡のない紗綾形をトンネルへ巻く

かけ算第46号|鏡のない紗綾形をトンネルへ巻く

雷文のトンネルと同じ巻き方で、鏡の多い麻の葉と鏡のない紗綾形を巻きました。麻の葉はハニカムとまったく同じ巻き方で鏡が残り、紗綾形はどう巻いても回転だけが残ります。裏返した紗綾形を巻くと、巻き方の2つの数を入れ替えた絵の鏡像になりました

かけ算第47号|雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × モアレ01 差の波 × 周辺ドリフトと扇の弧

かけ算第47号|見つめた点から離れると帯が粒に化ける

かけ算第47号|見つめた点から離れると帯が粒に化ける

雷文のトンネルを、見つめた点から離れるほど間隔が広がる網膜の標本で拾い直しました。左上を見つめると左上ははっきりしたままで、色が化けたのはトンネルの中心のまわりです。化けるかどうかは、標本の細かさと模様の細かさの比だけで決まり、細い帯から先に化けました

かけ算第48号|雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × 対数螺旋 × 籠目

かけ算第48号|回りながら縮む三角形と六角形

かけ算第48号|回りながら縮む三角形と六角形

回りながら縮む正方形を三角形と六角形に広げました。辺を分ける割合を小さくすると、頂点の螺旋の傾きは三角形で30°、六角形で60°に近づき、頂点がたどる道は追いかけ合う虫の道になります。籠目に敷いて三角形と六角形を逆向きに回すと、縞はタイルの境目を越えて続きます

かけ算第49号|見つめた点から離れると帯が粒に化ける × 周辺ドリフトと扇の弧

かけ算第49号|見つめた点の外で、雷文の線が混み合う

かけ算第49号|見つめた点の外で、雷文の線が混み合う

前の号で周辺に残った縁の粒は、塗り方が作ったものでした。標本のまわりをぼかしてから拾うと粒は消え、周辺はどこも同じようにぼけます。隣に紛れて形が読めなくなる混み合いの法則を当てると、線が読める範囲は見つめた点を囲む円になりました

かけ算第50号|回りながら縮む三角形と六角形 × 籠目 × ハニカム

かけ算第50号|回りながら縮む多角形を、布に刷る柄にする

かけ算第50号|回りながら縮む多角形を、布に刷る柄にする

回る三角形と六角形の図案を、生地に刷る前提で見直しました。柄の繰り返しは段ごとに半分ずらす並べ方で継ぎ目なく重なりますが、画素で作るとずれが残り、それを小さくするのは √3 の近似分数でした。細くなる入れ子は刷れる太さで打ち切り、段数が最も多くなる t も式で出しました

かけ算第51号|オオウチ錯視と引き伸ばした市松 × 雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く

かけ算第51号|オオウチ図形をトンネルへ巻く

かけ算第51号|オオウチ図形をトンネルへ巻く

オオウチ図形の市松を中心へ巻きました。升の縦横比はどこでも同じなのに、錯視の模型で測った偏りは、長方形が目のぼけより小さい中心と大きい外側で弱く、その間の輪で強くなります。揺れへの見積もりのずれは 1 周で 2 回まわり、渦にはなりませんでした

かけ算第52号|雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × ハニカム × 和柄を版画画廊の写し方で巻く

かけ算第52号|雷文の帯を、角を保ったままふくらませる

かけ算第52号|雷文の帯を、角を保ったままふくらませる

雷文の色の帯を、角を 90° に保つ写像で模様全体ごとふくらませました。帯の幅は写像の伸びに反比例して変わりますが、帯の幅の対数は調和関数なので、いちばん太い所も細い所も縁に出ます。真ん中をふくらませるには、真ん中で写像を折るか、角を捨てるしかありませんでした

かけ算第53号|雷文を色の帯にしてトンネルへ巻く × 雷文の帯を、角を保ったままふくらませる × 回りながら縮む多角形を、布に刷る柄にする

かけ算第53号|部品を段に重ねて、1 枚の図案にする

かけ算第53号|部品を段に重ねて、1 枚の図案にする

左右の鏡・雷文・六角・トンネル・ふくらみ・色の帯・回る正方形を段として重ねる生成器を作りました。絵の鏡は段ごとに向きを受け渡せば言い当てられ、左右の鏡で折ると 90° と 0° だけが残ります。平らな模様を折るとリピートに、ふくらみとトンネルは 1 枚柄になりました

かけ算第54号|雷文の帯を、角を保ったままふくらませる × 見つめた点から離れると帯が粒に化ける

かけ算第54号|ふくらませた雷文は、縁から粒に化ける

かけ算第54号|ふくらませた雷文は、縁から粒に化ける

ふくらませた雷文の絵を、見つめた点から離れるほど粗くなる網膜の標本で拾い直しました。化けるかどうかは写像の伸びを入れた比だけで決まり、トンネルの曲線に重なります。中心を見つめるとトンネルとは逆に縁から化け、写像が折れる中心は化けませんでした

かけ算第55号|金星の五芒星 × タンパク質のコイルドコイル

かけ算第55号|コイルドコイルのピッチは金星の五芒星と同じ算術

かけ算第55号|コイルドコイルのピッチは金星の五芒星と同じ算術

α らせんは束の中では 7 残基でちょうど 2 周しますが、外から見ると 2 周に 25.0° 足りません。この足りないぶんが束そのものを左へ巻き、100 残基ほどで 1 周させます。金星の内合 5 回が 8 年に 2.44 日足りず五芒星が回るのと同じ式で、PDB の 10 本の束に当てはめて確かめました (Grigoryan・DeGrado 2011・PDB)